沖縄県医師会 > 健康の話 > うちなー健康歳時記 > うちなー健康歳時記2007年掲載分 > 白内障について

白内障について(2007年3月20日掲載)

石川 真(牧港眼科)

水晶体濁り視力低下

進行すれば手術が必要

白内障とは、目の中の水晶体というカメラのレンズに当たる部分が濁る病気です。水晶体が濁ると、目の中の神経に光が届かなくなったり、光が乱反射して、視力が低下します。

白内障の原因で最も多いのは、加齢によるもので「加齢性白内障」と呼ばれています。

個人差はありますが、誰でも年を取るにつれ、水晶体は濁ってきます。ほかには、アトピー性皮膚炎や糖尿病の合併症として現れるもの、目のけがや薬の副作用によるもの、母親が妊娠中に風疹(ふうしん)感染したことよる先天性のものなどがあります。

症状は、水晶体の濁り方によって異なりますが、主なものは「目がかすむ」といったものです。そのほかに、まぶしい、明るいところで見えにくい、メガネが合わなくなる、物が二重・三重に見えるなどがあります。

治療は、白内障が軽度で、日常生活に支障がない程度でしたら、点眼薬などで進行を遅らせます。薬剤は、水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり、視力を回復させることはできません。白内障が進行し、日常生活に不自由を感じるようであれば、手術を行います。白内障以外の病気がある場合は、手術を工夫したり、全身状態をみて手術の時期を決めます。

手術の前には、手術が問題なくできるかを調べ、目に合う眼内レンズを選ぶために、いろいろな検査を行います。現在の眼内レンズはピントが一カ所に固定されていますので、術後のライフスタイルに合わせ度数を決めます。

現在の白内障の手術は主に、濁った水晶体を超音波で削りとり、代わりに人工のレンズを挿入する方法です。白内障が強く、硬くなっている場合は、水晶体を丸ごと取り出すこともあります。手術は局所麻酔で行われます。以前は、手術後の管理のため三―四日間ほど入院していましたが、最近では、患者さんの全身状態や手術後の通院に問題がなければ、日帰り手術を行う病院も増えてきています。しかし、すべての人が日帰り手術できるわけではありませんので、担当の先生との相談が必要です。

手術直後は、充血、ゴロゴロ感、涙目、かすみ等の症状が出る場合もありますが、数日―二週間では治まります。手術後は一週間ほど洗顔を止めたり、目をこすらないなどの注意が必要です。手術後一―三カ月は、炎症を抑え、感染を防ぐために点眼薬を数種類使用します。

手術後すぐに視力が回復する人もいますが、個人差があり、ゆっくり回復する人もいます。眼内レンズには、ピントを合わせる力がないので、メガネが必要になる方も多くいます。手術後一―二カ月たって、視力が安定してきてからメガネを合わせます。また、術後の見え方で、色調の違和感やまぶしさを感じることがあります。色調の違和感は次第に慣れていきますが、まぶしさが続くようでしたらサングラスの使用をお勧めします。

大切な目を守るため、定期検査を受け、目に異常を感じたらすぐに診察を受けましょう。