目が疲れやすい、または何となく目に不快感を感じる、目が重い感じがするという人が増えています。こういった疲れ目などの原因として最近注目されているのが、目の乾き、ドライアイです。
涙は、まばたきすることによって目の表面をおおい、乾燥や細菌・ごみなどから目を守っています。ちょうどフロントガラスの汚れをとる洗浄液とワイパーに似ています。また涙は、目の表面の栄養補給や酸素供給の役割も持っています。ところが涙の減少あるいは性質の変化により、目が乾いて傷つきやすい状態になったり栄養不足にもなったりします。それがドライアイです。
涙が不足したり質が悪くなったりする原因には、目の病気やある種の薬の影響があげられますが、健康な人でも年齢とともに涙は少なくなりますし、夜間やストレスが高い時も少なくなります。
一方、涙は十分にあっても、テレビ・パソコン・携帯メール・長時間の運転や読書などによる目の酷使でまばたきの回数が減ったり、部屋が乾燥したりしているとドライアイになりやすいです。またコンタクトレンズ使用、アレルギー性結膜炎、大気汚染、紫外線なども深く関係しているといわれています。
では、次に挙げるチェックリストでドライアイの可能性をチェックしてみましょう。
(1)目が疲れやすい(2)めやにが出る(3)目がゴロゴロする(4)目が重たい感じがする(5)目が乾く(6)目に不快感がある(7)目が痛い(8)涙が出る(9)かすむ(10)目がかゆい(11)光がまぶしい(12)目が赤い―以上の症状が五つ以上ならドライアイの可能性があります。さらに十秒以上目を開けていられない、まばたきの回数が多い(一分間に四十回以上)なら、その可能性がさらに高いと思われます。
自分でできるドライアイの対策としては、(1)パソコン・テレビ・メールは時々休憩をいれる(2)意識してまばたきをする(3)テレビ・パソコンの画面は目よりやや下の方におく(4)エアコンがきいた部屋は目が乾きやすいので、加湿器などで保湿を心掛け、こまめに換気をする(5)エアコン・扇風機の風・たばこの煙が直接目に当たらないようにする(6)蒸しタオルでまぶたを暖める―などがあります。
しかし症状が強い場合や長びく場合は、目に傷がついているおそれがありますので、眼科を受診したほうがよいと思われます。
眼科では視力検査などの基本的な検査のほか、涙の量や質がどのような状態にあるかを検査しながら、ドライアイであるか、他の病気であるかを調べます。
眼科での治療は目に潤いを与える目薬や目の傷を治す目薬が処方され、ほとんどの人がこの目薬で改善できます。症状によっては目の周りの湿度を高く保つメガネを使用したり、目の表面の傷が多い場合は簡単な処置(涙点プラグ)や手術で涙の流出を防いだりする方法もありますので、少しでも気になるようでしたら、まずは眼科を受診してみてください。特にコンタクトレンズを使用している方は、涙液の交換が悪くなり、角膜(くろ目)に傷がつきやすいので、ぜひ眼科で定期検査を受けてください。