長寿おきなわ超ピンチ。沖縄県は今や「健康長寿県」としての地位が危うい状態になっています。その原因の一つとして、生活習慣病による合併症が挙げられ、特に肥満者の占める割合が全国でトップクラスであるため「肥満先進県」と呼ばれたりもしています。
県では生活習慣病対策として「健康おきなわ2010」を策定し、「脂肪エネルギー比率の減少」「一日あと十分以上歩く」などの行動計画を示しています。しかし、ひとくちに生活習慣を見直すと言っても、どこをどう見直せばいいのかは難しいところがあるので、世代ごとにどのように対応していったら良いか、この場で提案させていただきます。
十代は朝食をとるなどの規則正しい生活のリズムを身体で覚えるべき時期です。コンビニやファストフードを利用するのもいいけれど、偏らないように賢く選択できる目を養いましょう。
二十代になると、生活習慣は乱れがちになります。男性では飲酒・喫煙者が増え、早くもこの時期から肥満者が増え始めます。女性では運動する習慣が極端に減少します。普段何げなく利用している買い弁当も、バランスや量を考えて慎重に選びましょう。酒席もたまには断ってみてはどうでしょうか。また車があるからといって簡単に足代わりには使わないようにして、少しの距離は歩くようにしましょう。この年代は生活習慣病予防において重要な時期で「三十歳になるまでに不健康な生活習慣とサヨナラする」という自覚が必要です。
三十代では、男性が運動しない割合が増えて肥満者が増加します。二十歳のころからの体重増加は八・六キロに達しますが、これは二十代からの生活習慣のツケが表れたものです。逆に女性は家庭で過ごす時間が比較的長くなるためか、食生活は健康的になりますが、ストレスを感じる人が増加するなどの問題もはらんでいます。何かと忙しく過ごすことが多いこの時期ですが、なるべく夕ごはんを家族一緒に食べるなど、規則正しい生活を心掛けましょう。
四十を過ぎるころから、健康意識が向上し、その結果、飲酒・喫煙をやめる人が増加し、運動を行う人も増えますが、肥満の状況はそれほど改善されません。生活習慣の見直しをするだけでなく、即行動に移して健康的なライフスタイルを身に付けましょう。
五十代からは、生活習慣だけでなくそれ以降のライフプランを立てて、生きがいを重視した生活を心掛けましょう。特に女性では、より健康への関心が高まる時期なので、家族や地域の健康リーダーとしての働きが期待されます。
健康づくりは日々の生活習慣を見直すところから出発します。一気に改善するというよりは一つ一つ小さな目標をクリアし続けるつもりで取り組んでみましょう。個人のがんばりだけではなく、家庭や職場でルールを作ったり、地域の仲間といっしょに取り組んだりすることも必要になります。あなたも早速今日から取り組んでみませんか。