心筋梗塞(こうそく)、狭心症という病気を聞いた事があるでしょうか。どちらも心臓 を栄養する血管(冠動脈)が詰まったり、流れにくくなったりして心臓の動きが悪くなる 病気です。心臓の動きが悪くなるということは大変で、命にかかわることがあり、心筋梗 塞、狭心症を含む心疾患は死因の上位になっています。
心筋梗塞は狭心症よりも悪く、通常は胸が激しく痛くなり、冷や汗をかき、救急車で搬 送されたり、病院を受診したりすることが多いです。狭心症は通常、走ったり階段を上っ たり重い物を持ったりして体に負担がかかった時に胸が痛くなる病気で、安静にすると数 分間で良くなるのが普通です。胸が痛くなる事が多いですが、胸が締め付けられる、焼け る、圧迫されるというような症状の事もあります。同時にのどが絞められるように苦しか ったり、腕が痛くなったりすることもあります。
胸が痛くなるといっても、一瞬や数秒間痛い場合、指一本でここが痛いと言える場合、 胸を押して痛かったり体をひねって痛かったりする場合は、心筋梗塞や狭心症でないこと が多いです。ただし、心筋梗塞であっても、糖尿病の人だと胸の痛みがなく、胸の違和感 だけの場合や、また狭心症でも早朝や夜間寝ている時に数分間胸が痛くなる場合もあるの で、注意が必要です。
今まで歩くと胸が痛かったのが、じっとしていても痛みが起こるようになった、よく起 こるようになった、長く続くようになった場合は、不安定狭心症といって、心筋梗塞の前 段階の病気の可能性があるので、すぐ病院に行きましょう。また、急に胸の痛みが起き、 痛みが治まらない場合も、心筋梗塞の可能性がありますのですぐ病院に行きましょう。か かりつけ医があればそこを受診し、なければ内科の中でも心臓を専門にしている循環器内 科を受診した方がいいでしょう。
心筋梗塞の治療としては、心臓を栄養する血管が細くなったり、詰まったりする病気な ので、その血管を小さい風船で広げたり、詰まった血液を溶かす薬を点滴したり、冠動脈 に注入したり、また詰まった血液の塊を吸引したりして血液の流れを良くする治療を行う ことがあります。冠動脈にいくつも血管の狭い所がある場合は、手術(冠動脈バイパス手 術)が必要なこともあります。狭心症の場合、薬をのむだけでいい人もいます。治療が早 ければ早いほど治療の効果が高く、心筋梗塞では緊急治療が必要で、時間との勝負です。 夜中でも日曜日でもすぐ治療が必要です。
沖縄は長寿県として有名ですが、男性の平均寿命の全国順位が下がり話題になりました。 その原因としては、食生活の欧米化が進み肥満の人が多い、高血圧や糖尿病の人の病院受 診率が悪いことなどが言われています。高血圧、高脂血症、糖尿病と言われている人は病 院で診てもらいましょう。食事は食べ過ぎないよう、脂肪の多い物は控え、太らないよう 日ごろから心掛けましょう。たばこはやめましょう。歩ける方はウオーキングをしましょ う。運動の習慣があると、心も体もリフレッシュできます。健康な日々が送れるよう、病 気を予防しましょう。