「健診」と「検診」の違いをご存じですか。「健診」は一日人間ドックと呼ばれている 総合健診などのように、あなたがどのくらいの健康状態なのかを確認するのが目的です。 生活習慣病を起こす危険因子(肥満など)が見つかった場合には、間違った生活習慣を改 善して発病を防ぐのです。
一方、「検診」は胃がん検診などのように、標的となる病気(胃がんなど)を早い段階で 見つけ(早期発見)、早めに治療(早期治療)することによって悪化を防ぐのが目的です。
つまり、病気の発生を防ぐ(一次予防)ために受けるのが「健診」で、既に発生してい る病気が悪くなるのを防ぐ(二次予防)ために受けるのが「検診」です。
ところで、健診を受けた後はどうしていますか。届いた検査結果報告書を開封さえしな い人もいるようですが、受診した後の措置が大事なのです。あなたは検査結果に目を通し てみましたか。百点満点でしたか。軽い異常だけでしたか。再検査や精密検査を受けるよ うに指示のあった方は調べてもらいましたか。「正常」や「軽い異常」の判定であれば、今 までの生活習慣が正しかったというお墨付きをもらったことになるのではないでしょうか。
ただ、前回、前々回と過去の結果と比べてみることも必要です。たとえば体重やコレス テロールが徐々に増えてきていませんか。そういう方や「経過観察」「再検査」「精密検査」 の指示があり、その原因が生活習慣にあると考えられる人は、それを正しくする必要があ ります。
では、正しい生活習慣とはどういうものでしょうか。「ブレスローの七つの健康習慣」と いう有名な正しい生活習慣があります。適正な睡眠時間をとる、喫煙をしない、適正な体 重を維持する、過度の飲酒をしない、定期的に運動をする、朝食を毎日食べる、間食をし ない。以上の七つのうち、多くの項目を実践した住民と、少ししか実行しなかった住民を 比較すると、各年代で死亡率に二~四倍の差が出たのです。
では、沖縄県民はどうでしょうか。昨年、県はこれら七項目の実施状況を二千三百人に 聞き、「県民健康意識調査」として発表しましたが、実施率が低いのです。男性では三十代 が最も少なく、三・三項目しか実施していません。女性では、二十代の三・九五項目が最 低です。県男性の39・6%、女性18・7%が肥満であったとの統計もあります。
一年に一回は健診を受けましょう。そして、過去のデータと比べてみて、あなたの生活 習慣が正しいかどうか確かめてみましょう。
最後に、健康に関する黄金言葉を二つ紹介します。「粗物(あらむん) じょーぐーや 胴 (どぅー) 頑丈(がんじゅー) さん」(粗食の好きな者は体が丈夫)。まーさむんじょ ーぐー(美食)の方は体に気を付けましょう。
「体(どぅー) 貯(た)ぶとーけ、銭(じん) 貯(た)ぶとーしとー 同(い)ぬ むん」(体を大事にするのは、貯金するのと同じ)。みなさん、体を大切にしましょう。