1年間にかぜをひく回数は、子供で平均4から6回、成人では2、3回といわれています。休業や薬代での経済的損失は、かぜ1回あたり平均2万1720円だったというアンケート報告があります。また日本の人口動態統計で肺炎は死因の上位ですが、かぜは肺炎のきっかけになります。もちろんインフルエンザなどの予防接種は重要ですが、今回は生活の中での予防についてお話しします。
最も効果があるのは手洗いです。かぜのウイルスが手に付き、その手で目や鼻、口を触ることによる接触感染が主な感染経路です。特に子供にこまめに手洗いをする習慣をつけさせることは大切です。不必要に顔を触らないことも大事です。十分な効果を得るためには、せっけんをよく泡立て、約20秒時間をかける必要があるので、それくらいの長さの好きな歌を心の中で歌いながら洗ってみてはどうでしょうか。例えば「てぃんさぐぬ花」の1番を早い調子で歌うと20秒くらいになります。洗うタイミングは、帰宅した時、食事前、トイレの後などです。
うがいやマスクは科学的根拠に乏しいと言われていますが、やって悪いことはないでしょう。ただし、手洗いをせずにうがいやマスクをしては本末転倒です。ちなみに、うがい薬と水道水とでは効果に差はないようです。
かぜをひいた人が、周囲にうつさない事も必要です。咳(せき)やくしゃみは手で鼻口を覆ってする(ハンカチで覆うとより良い)、そのあと必ず手を洗う、他人に顔を近づけない、こういった習慣を特に子供たちに教えることが大切です。かぜの人自身がマスクをつけることも効果的です。
ビタミンC摂取も、多少予防効果がありますが、緑黄色野菜や果物を偏りなく食べる事で、必要量は十分摂取できると思います。県産品ではアセロラがビタミンCを多く含んでいることで有名ですね。また最新の研究では、睡眠不足やストレス過多はかぜをひきやすくし、適度な運動はかぜの回数を減らす、喫煙者では平均3日間ほどかぜ症状が長引く、インフルエンザでは肥満の人がより重症になる、このようなことがわかっています。結局はバランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動、太らないこと、禁煙が、大事だということです。これらは生活習慣病の予防にもつながりますね。
かぜは万病のもと。日頃からかぜの予防を心掛けることが、沖縄の健康長寿復活につながるかもしれません。