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病気は口から入る?(2013年7月29日掲載)

宮城政剛・新川クリニック

減量にお勧め 腹八分

「シーラや口からイーンドー」。直訳では「シーラは口から入ってくるよ」という意味ですが、シーラと言っても最近新聞で話題、小学生に人気の給食メニューの一品、魚のシーラ(方言名でマンビカー)のことではありません。

外来で診察する時によく聞かれる言葉です。意味はどなたに聞いても、はっきりは分かりませんが、どうやら「病気は口から入ってくる」という意味のようです。

最近、肥満による疾患が多くなっているのは周知のことですが、沖縄ではその傾向が顕著であり、特に40代、50代男性の特定健診受診率の低さと肥満が問題となっています。なぜ問題か? それは働き盛りの方々が肥満で生活習慣病の始まりに気付かないで年を取り、重症化して発見され治療に時間と医療費がかかってしまうということです。忙しいから、仕事があるからというのが大部分の理由であると思いますが、私自身にも思い当たる節があります。

実は、私は数年前まで体重が90キロ近くありました(身長173センチ)。これはいけないと一念発起、ダイエットを始めました。自慢ではありませんが(本当は少し自慢しています)、初めは落ちにくかった体重も1年で12〜13キロのダイエットに成功、今は77キロとなっています。それは、きわめて単純な方法でした。多くの方々に朗報になると思い公開したいと思います。と言ってもそれほど大げさではありません。

まずは毎日体重を量り、その維持に努めます。その後、一定になったら食事の制限を始めます。大切なのは、単純に今食べている食事内容で量を減らすだけです。特に炭水化物の摂取を減らしていき、夕食は極力少なくします。間食も極力減らします。

人間の体には現状を一定に保つ傾向があります。そのため、なかなか体重は減りませんが、一度減りだすと面白いように減っていきます。これを逆手に取ると、週末に食べ過ぎても、すぐに体重は戻ります。この状態になるには、僕の感覚なのですが、一日中少しおなかがすいた感覚のまま過ごすといいようです。

減量後、受けた特定健診の結果は正常範囲内でした。指摘を受けている年代、体重超過していた当事者として皆さんの気持ちはよく分かります。特定健診を受けるのも大切ですが、しかし病気を減らすのが最終的な目的です。腹八分目に医者いらず、「シーラは口から入る」、この言葉を胸に、一度このダイエット試してみませんか?