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過多月経治療(2013年4月1日掲載)

安座間誠・豊見城中央病院

MEAとは子宮取らずに負担軽減

「毎月の月経が重いけど、もうすぐ閉経だし、子宮摘出手術は受けたくないし…」。更年期には、このような悩みを持つ女性が多くいらっしゃいます。また、毎月の月経で徐々に貧血が進行するため、体が慣れてしまい症状が出にくく、気付いた時には重症な貧血になっている方も多くおられます。貧血の状態が持続しているという事はその間、心臓など全身に負担がかかっていることになります。マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)は子宮を取ることなく月経量を減らし、月経痛を軽減させる効果の高い治療法であり、体への負担が少ないため、翌日には通常の生活ができることも特徴です。

月経の出血量が多く、貧血の原因になったり、外出できないなど日常生活への不便がある状態を過多月経と言います。子宮は血液(月経血)を排出しようとして収縮するので、子宮内の血液量が多ければ多いほど収縮も強くなり、それが月経痛の程度と相関します。よって月経過多に伴い月経痛も増強し、月経困難症(いわゆる生理が重い)と呼ばれる状態になります。

月経過多・月経困難症の治療法は、まず貧血の治療や痛み止めによる対症療法を行い、効果が得られない場合には漢方薬やホルモン剤の薬物療法で月経そのものを軽くしたり、月経を止める治療に進みます。それでも効果がなければ、これまでは子宮摘出(手術)を行っていました。

しかし、閉経するまでの数年間のことであるため「あえて子宮摘出までしなくても…」という思いから我慢してしまう患者さん・我慢させてしまう医療者も多かったと思います。

MEAは麻酔をしておなかを切らずに膣内から直径4ミリの器具を子宮内に挿入し、子宮内膜を焼灼(しょうしゃく)する治療法です。焼灼にかかる時間は5〜10分ほどで、麻酔が覚めても痛みを訴える方はほとんどいません。念のために翌日まで様子を見て退院となります。毎月の月経時の出血や痛みを減らす効果があり、中にはそのまま閉経に至る方もいらっしゃいます。治療の性質上、妊娠・出産を希望する方には行えません。

この治療法の出現により、以前より体への負担を少なく、かつ確実に過多月経の治療ができるようになりました。女性の日常生活の質の向上に大いに貢献できると思います。心当たりのある方は最寄りの婦人科を受診され、自分に合った治療法を相談されてください。