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マブヤー(2012年2月21日掲載)

鈴木 信・沖縄セントラル病院

病気の回復 気力で違い

那覇市のホテルで過日盛大な会合が開かれました。「琉神マブヤー」についての特別講演でした。続いて司会者のアナウンスになったところ、会場から「聞こえないよ」と声が上がりました。マイクスタンドの前にいた観客がスタンド前に落ちていたマイクを拾い上げて、「マブヤー、マブヤー ウーティクーヨー」と言いながらマイクをマイクスタンドに差し込みました。

しかし相変わらず、無声のままでした。会場からのどよめきによって気がついた彼は、はっとして、マイクのスイッチを入れました。彼は会社の重役。ゴルフもシングルの腕前。彼は一時的にスピリット(魂)が抜けていたのです。講師の話にどぎもを抜かれたのかもしれません。

しかし、この状態が毎朝おきると、不登校や、欠勤になったり、「フユー」になったりして、ついには日常生活に支障をきたすようになります。

スピリットは魂の他に「霊」とも訳されます。体調の不調の中には、身体的不調、精神的不調、社会的不調のほか、霊的不調もあります。しかし、霊的不調というとなんとなくうさんくさい感じを受けます。しかし、スピリットパワーの大きさによって病気の回復力が違います。例えば同じ程度の脳卒中でも寝たきりやボケになって家庭や社会に大きな負担になっている人が多い一方、病に負けないで、ボケたり寝たきりにはならない人もいます。それらは気力が有るか無いかによるものですから、その場合はスピリットを「気」と考えた方が良いかもしれません。

エアロビクス等で体調を高めることをシェイプアップするといいます。それはかっこを良くすることですから、体調はシェイプなのです。そうすると不調とは「かっこがわるい」ということになります。不調にはスピリットの不調も含まれます。スピリットは薬やサプリメントよりも、自然環境や生活習慣と密接に関係しています。スピリットのシェイプアップは、殊に生きがいから得られるもので、個人個人によって一律に得られるものではありません。

スピリチュアルエネルギーの渦巻きをボルテックスといいますが、エメラルドグリーンに輝く海や燃えるような木々が繁茂する山々に囲まれたやんばるの勝山はまさにボルテックスなのです。そこはわれわれをストレスに満ち溢(あふ)れた世間の喧騒(けんそう)を霧消し、悠々の世界へ導いてくれます。私は週末を風水とともにそこで過ごすことにしています。