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禁煙維持の方法(2011年6月7日掲載)

喜屋武 邦雄・喜屋武内科・呼吸器科

代償行為でイライラ解消

「多くの喫煙者は喫煙していることに罪悪感を持っている」と書くと、当然反対する喫煙者の方もいらっしゃると思いますが、次の話を聞いてください。私は患者さんに「たばこを吸っていますか」とよく質問しますが、ほとんどの喫煙者から「すみません、吸っています」と妙な答えが返ってきます。

なぜ、初めに「すみません」と謝ったのでしょうか。それは、喫煙者の多くが「喫煙は健康に悪い」と認識しており、「健康を害する行為をして申し訳ありません」という気持ちが込められているからだと思います。そのような「体に悪い」と知りながら禁煙できないでいる方には、ぜひ禁煙外来をお勧めします。

禁煙外来は2006(平成18)年4月に医療保険適用となり、当初はガムや貼付剤による治療方法でしたが、最近では、内服薬で手軽に禁煙治療ができるようになりました。3カ月の治療期間で、費用は保険を利用して合計2万円程度です。

しかし、禁煙外来で一時的に禁煙できても内服薬がなくなると再喫煙してしまう方も多くいらっしゃいます。再喫煙した理由は、仕事でイライラしたとかお酒の席でつい吸ってしまったなどさまざまです。そこで禁煙歴8年の私から禁煙を続けるこつについてアドバイスをしたいと思います。

まず、禁煙外来通院中に喫煙の代償となる行為を見つけておくことです。私の場合はさんぴん茶を飲むことでした。ペットボトルを常に携帯し、イライラした時は2〜3口飲むことを繰り返しました。初めは15分に1回ほど飲んでいたのですが、徐々に飲む間隔が長くなり、「さんぴん茶を飲めば大丈夫」という自信が生まれたのです。代償行為は何でもよいのです。大切なことは、この行為によってイライラを解消できると自分を信じ、「これで大丈夫だ」と自信を持つことです。

次に禁煙後しばらくは、酔っているときに周りで喫煙されるとつい1〜2本吸ってしまうこともあると思います。ただし、私の経験によると、翌日から禁煙を続ければ大丈夫だと思います。問題は、たばこを吸ってしまったという罪悪感がストレスとなり再喫煙してしまうことです。酔ったときの失敗は気軽に考えてください。

最近、小中学校や高校生の喫煙が増加して問題になっています。子供の喫煙を減らすためには、大人が率先して禁煙する必要があります。

特に子供のいる家庭では、子供の目につく場所にたばこを置かないようにしてください。また、ご両親は早めに禁煙するようにお願い致します。