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しゃっくり(2011年5月31日掲載)

金城 幸博・たばる内科胃腸科

しつこい場合は受診を

突然始まる「ヒック、ヒック」。経験のない方はいらっしゃらないと思います。このしゃっくり、医学的専門用語で「吃逆(きつぎゃく)」といいます。私も年1〜2回はこの急なしゃっくり発作に見舞われ、しかもなかなか止まらぬしつこいしゃっくりに四苦八苦しています。

しゃっくりの起こる状況、原因は人それぞれですが、過度の飲食で横隔膜(胸とおなかを隔てる壁で、筋肉でできている)が刺激されて起きる場合が一番多いのではないでしょうか。私の場合、たいていはペースの早い過度の飲酒がきっかけになって起こってきます。私にとって一種の飲み過ぎ信号になっています。

ところで、しゃっくりは横隔膜がけいれんを繰り返し起こしている状態なのですが、その際生じる「ヒック」という音は横隔膜がけいれんする時に、同時に声帯が閉じるため出る音なんだそうです。

さて、世の中にはさまざまなしゃっくりの止め方があって、皆さんもそれぞれこれが一番という止め方をご存じかと思います。私が今まで実践してきた止め方は、大きく息を吸ってできるだけ長く息を止めるという方法です。時には1分半ほど息を止めていることもあり、目の前が暗くなって、失神寸前まで息を我慢しないとしゃっくりが止まってくれないため大変な苦行です。もっと楽な止め方はないかと調べてみた結果、次の二つの有望な止め方を見つけました。

(1)舌をハンカチやガーゼでつかみ、30秒ほど強く引っ張ってもらう。

(2)まず、ゆっくり息を最後まで吐き切って、次にゆっくりと息を吸い込めるだけ吸い込み限界まできたら両肩を上に上げます。するともう少し息が吸い込めるようになるのでさらに息を吸い込み、限界まできたら両肩を下ろしながら静かに息を吐き出していきます。肩の上げ下げがポイントだそうです。

ご存じの方もおられると思いますが、私が調べた中ではこの二つの方法が多くの人に支持されていて、かなり信頼できる方法ですので、困ったときに思い出してぜひお試しください。

いろいろ試しても止まらず長く続くときや、たびたび誘因なく繰り返すときは何かの病気が原因で起きている場合があります。例えば肺炎や脳腫瘍、おなかの病気でしつこいしゃっくりが起こることもありますので、長く続くときは念のため病院で診てもらってくださいね。

ところで、胎児もしゃっくりするんですよ。出産経験のある女性の方々にとっては常識のようですが、胎児がしゃっくりなんてホントびっくり、今しゃっくりしている方しゃっくり止まりました?