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はしかワクチン接種(2010年5月18日掲載)

新里 敬・中頭病院

美ら島総体に備え対策を

今年の7月から8月にかけて、本県で全国高等学校総合体育大会(美ら島沖縄総体)が開催されます。県内の高校生の皆さまの活躍を期待しています。

さて、この高校総体、はしか(麻しん)で振り回されたことがあります。2007年から08年に全国的なはしかの流行があり、約400校で休校措置がとられ、高校総体予選大会への出場辞退などが相次ぎました。

沖縄県は過去に何度もはしかで痛い目にあっています。1998年から2001年にかけてのはしかの大流行では、数千人がはしかに罹(かか)り、幼い9人の命が犠牲になりました。最近では、08年のうるま市でのライブコンサートを中心に、若い方々の間にはしかが流行しました。

はしかはそんなに感染力が強いのか、と驚かれるかもしれません。はしかはあっという間に流行し、死に至ることもあるということを知っておかねばなりません。

では、はしかに対する抵抗力(免疫)をつけるためにはどのようにしたらよいのでしょうか。その方法として用意されているのが、ワクチン接種です。はしかワクチン接種を受けることで、受けた個人を守るだけでなく、流行も防ぐことができます。はしか流行を抑えるためには、95%のワクチン接種率が必要です。

はしかの予防接種は06年度から2回接種方式に変わりました。1回の接種だけでは免疫を持続することが難しくなっているためです。無料接種できるのは1歳児(1期)と幼稚園生(2期)ですので、小学校に上がる前に2回の接種を済ませておきましょう。

08年度からは中学1年生(3期)と高校3年生(4期)も接種対象になっています。子どものころ打ったワクチンの効果が低下しているためで、5年間の限定措置です。

美ら島沖縄総体に出場や応援をする高校1年生や2年生はどうなるのか、と心配ですね。多くの市町村では、美ら島総体を成功させるために、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)4期接種を前倒しで行っています。今年だけの特例措置で、多くの市町村では6月までとなっていますので、高校生の対象年齢の方は、お住まいの市町村役所にご確認ください。

沖縄県はしか0<vロジェクト委員会では、はしかの怖さを忘れないようにと、毎年5月に「はしか0<Lャンペーン週間」を行っています。今年も5月16日から22日まで行い、県医師会の協力で6月に複数の医療機関で日曜接種が予定されています。

高校生の皆さん、早めのMRワクチン接種が大切です。はしか流行を防ぎ、美ら島沖縄総体を成功させましょう。