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生活習慣病(2009年7月28日掲載)

比嘉 良夫・比嘉胃腸科内科

早期治療で医療費節約も

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は今や国民病ともいわれ、多くの患者さんがいます。これらを治療せずに放置しておくと、徐々に血管が傷つくため、内臓に障害が生じます。特に、脳出血・脳梗塞などの脳血管障害と心筋梗塞などの心血管障害、透析治療に至る腎臓障害が問題となっています。

脳や心臓は障害を受けた部位は再生せず機能が低下してしまいます。障害の範囲が大きく重症な場合は命をとりとめた場合でも日常生活が大きく制限されてしまいます。そのため、生活習慣病の治療の目的は脳・心臓・腎臓などの内臓の障害を予防することにあります。十分に血圧、血糖値、コレステロール値などが下がらない場合は、内臓の障害を予防できませんので、適切に治療をしましょう。

生活習慣病は初期の段階ではほとんど症状はありませんが、太ってきたり、毎年の健診で血糖値やコレステロール値が正常範囲でも上昇傾向を示す時は要注意です。これらの変化を敏感にとらえて、食事に気をつけ、適度な運動をすることが大切です。まずは、病気になる前に手を打ちましょう。

早期発見・早期治療、あるいは病気になる前に対策をとることは生涯支払う医療費も安く済みます。内臓の障害を起こさず、定期的な通院で済んだ場合と、適切な治療が行われず脳血管障害や心血管障害などを起こした場合とでは、生涯に支払う医療費の差は数百万?数千万円とも試算されています。通院治療をして、十分に血圧や血糖値、コレステロール値を下げている人が最終的にはお金を節約できるようです。

もっと良い方法は病気にならないことです。血圧、体重、腹囲、血糖値、コレステロール値などを定期的に測定することです。特に健診などで異常値を指摘された方は年に1回ではなく数カ月に1度はかかりつけ医で定期的にチェックをしましょう。そうすることで、薬を飲んだほうが良いかどうかをよりスムーズに判断することができ、早期に治療が開始できます。

生活習慣病とは文字通り生活習慣による病です。不規則な生活、喫煙、食べ過ぎ飲み過ぎ、運動不足が大きな原因です。日ごろの生活習慣を見直してご自身の健康を考えてみましょう。また、ある程度のストレスは健康の維持にも必要ですが、過度な精神的なストレス、肉体的なストレスも大きな要因となります。さまざまなストレスに負けないような方法を見つけることができるといいですね