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和食のススメ(2008年12月10日掲載)

比嘉 猛・県立南部医療センター・こども医療センター

早寝・早起き 朝はご飯を

最近の子どもたちは疲れやすい、元気がないという話をよく耳にします。元気のない勤務医に足りないものは大抵睡眠ですが、子どもも同じだと思っています。疲れていると、勉強する気もおきません。でもテレビを見たり、ゲームをすることはできます。テレビやゲームには中毒作用があり、やめるのが難しいのです。そんな毎日を送っていると、次第に落ち着きがなくなったり、怒りっぽくなったりします。

私は、子どもの健康を取り戻すためには、まずゲームやテレビを早めに切り上げて寝かせることがスタートだと考えています。早めに夕食をすませて寝ると、朝ご飯をおいしく食べられます。朝の栄養が脳の活動に重要なのは、言うまでもないと思います。夜ふかしで疲れた脳に、朝ご飯も与えずに勉強しろ、成績を上げろと言うのは、子どもたちがかわいそうです。

では、朝ご飯は何が一番いいのでしょうか。やはり、ご飯とみそ汁だと思います。ご飯はパンと比べてでんぷんの割合が多いです。でんぷんは子どもたちの成長や、脳の働きに欠かせません。かむことが脳にいい影響を与えることはよく知られていますが、ご飯はよくかまないと飲みにくいので、自然にかむ回数も多くなります。

玄米や分つき米が良いとよく聞きますが、まず洋食を和食へ変えるのが先決で、白米でも十分です。野菜も、油でできたドレッシングのかかったサラダを食べるより、みそ汁に入った季節の野菜を食べる方が、はるかにいいです。また、バターやジャムをつけたパン、卵、ハムといった洋風の朝食は、基本的に油が多くなってしまいます。

人の味覚は、九歳までに決まると言われているので、幼児期に洋食に慣れてしまうと、その子は一生油を好んで食べ続けるのです。過剰な油と砂糖がメタボリック症候群の原因となり、大人たちの健康を害している現状を考えると、決していいことではないと思います。

また、過剰な油は今増えているアレルギー体質の原因の一つにもなっています。食品添加物に関してもそうですが、パン食で添加物のないおかずを選ぶのは大変ですし、お金もかかります。しかしご飯を主食にすれば、安くて添加物の少ないおかずを選びやすくなるはずです。朝忙しいお母さんでも、前日準備しておいたご飯をおにぎりにして与え、保育園や学校へ送り出すことはできると思います。

今日から早寝、早起き、朝ご飯を親子で実践してみませんか。きっとお子さんの元気が出て、体質も改善されていくと信じています。