沖縄県医師会 > 健康の話 > 命ぐすい・耳ぐすい > 命ぐすい・耳ぐすい2008年掲載分 > 看護師募集

看護師募集(2008年8月27日掲載)

山城千秋・山城整形外科眼科医院

医療・福祉・介護の世界へ

新聞の求人欄では毎日県内の多くの病院、診療所が看護師さんを求めています。ハローワークでも各種求人雑誌においても必ず目にします。看護職員の不足は全国どこの県でも同じで、特に地方都市は深刻です。

「看護職員が足らない」。これは医療現場での実感です。特に診療所においては募集をしても反応が無いので半ばあきらめているのも正直なところです。

県内では大学、看護師養成校、計八校で、年間に約六百人が看護職者として資格を取得します。毎年、それだけの資格者が誕生しているのにどうして足りないのか?

県の看護職員の需要と供給の見通しでは二〇〇六年度以降の五年間で毎年七百―八百人の看護師不足が見込まれており、医療現場での不足は深刻な状況にあります。

そうした不足が生まれる背景には二〇〇〇年度から実施された介護保険制度により介護福祉分野での看護職員の需要が増したことがあります。また入院患者に対する看護職員の配置人数により入院基本料という点数(料金)が決まるシステムになったため、病院全体の経営と同時に、より良い看護、サービスを提供するには患者数に見合うだけの看護職員数が必要となり、大病院では多くの需要が生まれました。一方では、夜勤や労働環境、健康面などから離職する職員も多く常に補充が必要になるわけです。

そういった状況の中で中小の民間病院、診療所を支えているのはベテランの看護職員の頑張りです。医療に携わる看護者は高度な専門知識と技術が要求されると同時に高い倫理性と幅広い教養に支えられた豊かな人間性が求められます。

これからは在宅医療での訪問看護や通所看護、在宅介護における看護職者の需要も多くなることが予想され、また終末期医療の問題など専門の看護職者が必要な時代になっております。

沖縄県は全国一高い失業率で、年齢別には十五―二十九歳の完全失業率が最も高い現状があります。そのため、高校や大学を卒業した者が就業に必要な資格取得をめざし専門学校へ入学する傾向は、特に看護学校などではここ四、五年顕著に見られ、われわれ医療従事者にとっては大変喜ばしいことです。二年で准看護師の、三年では看護師の資格試験を受けることができます。

県内はもとより全国的に看護職者は不足しています。若い人はもちろん年齢に関係なく高い志を持って医療・福祉・介護の世界へ一歩踏み出しましょう。