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肝臓がんとC型肝炎(2008年4月16日掲載)

赤嶺弘・あかみねクリニック

血液検査受け ご安心を

付き合いでお酒を飲む機会が多い人、また自宅で晩酌することを楽しみにしている方、今日は皆さんが時々口にする「肝臓が気になる」ことについてお話します。といってもアルコールのことではありません、あしからず。

最近、訴訟になり認定や治療などが新聞やテレビで話題になった「C型肝炎」のことです。感染した経緯は残念なことでしたが、以前に比べてC型肝炎患者が肝硬変や肝臓がんにならないような治療を受けやすい制度、その健康回復を早く目指せるような治療に、結びつつあるようです。課題は残りますが…。

「それがどうしたの、そんなの関係ねぇ」と思っているあなた、もしかすると少し関係あるかもしれませんよ。なぜならC型肝炎は、その感染経路について集団予防接種が大きくかかわっているといわれているからです。

現在はそんなことはありませんが、以前は「予防注射の回し打ち」がなされていたのです、そのため中高年のあなた、そうです、あなたはその可能性があるのです。しかも慢性C型肝炎になっていると、集団検診でおなじみのGOT、GPTなどお酒と関係の深い血液肝酵素が少し異常値を示します。

私はあまりお酒を飲まないのとおっしゃるあなた、あなたは、おしゃべりが好きなはずです。好きなお友達との集まりや模合で、お酒を飲まなくても間食、お菓子、ソフトドリンク、糖分の多いコーヒー、紅茶などが脂肪肝を生じさせ、やはり肝酵素異常値が出ます。

問題は慢性C型肝炎がアルコール性肝障害や脂肪肝と紛らわしいことです。ほかにもC型肝炎の感染経路として考えられるものとして、カミソリや歯ブラシの使い回し、ピアスの自己流穴開け、出血を伴う民間療法(ブーブーなど)、消毒されてない針治療、刺青、覚せい剤静脈注射の回し打ち、確率は低いけれど母子感染、乱れた性行為などがあります。

なんだか心配になってきました? 案ずるより産むがやすし、この記事を目にしたのは何かの縁です、さあ、これを機会にC型肝炎の血液検査を受けませんか? 早期発見で早期治療、インターフェロンでC型肝炎ウイルスを排除できますからご安心を。

今夜だけは晩酌を、模合を封印して、清く正しく美しく休みましょう。明日の朝、病院へ採血に行くあなたをイメージしながら。