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特定健診(2008年3月12日掲載)

垣花悠子・中部徳洲会病院

メタボ発見・改善を支援

今年四月から特定健診が始まる。これは、四十―七十四歳のすべての人に義務づけられた健康診断である。

この健康診断の目的は、メタボリックシンドローム(メタボ)の発見である。検査内容は、身体と血圧測定・採血と検尿だけで、しかも市町村から補助金が出る。

ところで、メタボとは一体何だろう。それは肥満が原因で、生活習慣病の予備軍になっている状態のことである。肥満以外の原因で血糖値が高くなってもメタボとはいわない。今、日本をはじめ、世界中の国々でメタボの著しい増加が問題となっている。

肥満は必ずしも裕福だからではなく、食事の内容や食べ方、あるいは運動不足などといった生活の乱れが大きな原因である。さらにたばこやアルコールの嗜好品が加わると一層メタボになりやすい。

では、メタボになるとどうなるのだろうか。実は、メタボになっても特に自覚症状もなく体調も変わらない。しかし、メタボをほっておくと、知らず知らずのうちに生活習慣病や動脈硬化症へと悪化してしまう。

その悪化の流れは、次のようになる。

メタボリックシンドローム(肥満・脂肪肝・血圧高め・血糖値高めなど)→生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症、痛風など)→動脈硬化症(脳梗塞、心筋梗塞、腎障害、肝障害、網膜症など)→後遺症(寝たきり、半身麻痺、透析導入、失明など)

この一連の悪い流れをどこかでストップさせなければならない。

こんなことは、もう分かっているよ、と言う人も多いだろう。しかし、分かっていてもなかなか実行に移せない人が大半ではないだろうか。

その手助けをするのが特定健診である。特定健診は、メタボを見つけ、その人の生活に合わせて、どうすれば正しくやせていけるのかを一緒に取り組んでいくというシステムなのだ。

さあ、四月から始まる特定健診。期待と不安を入り混ぜながら、ぜひ受けてほしい。