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子宮がん検診(2007年10月17日掲載)

當間敬・那覇市立病院

恥ずかしがらず 気軽に

皆さんはがんという病気にどういったイメージを抱かれるでしょうか? がんという言葉を聞いただけで「不治の病」であり怖いとイメージする方も多いかもしれません。しかし一般的に多くの種類のがんに共通して言えることは、早期であれば完治する可能性が非常に高いことだと思います。

産婦人科領域の子宮頸がんについても同様のことが言えます。ちなみに子宮頸がんとは子宮の入り口(頸部)にできるがんで、一般的な子宮がん検診とは子宮頸がんの検査のことを言います。

では早期発見するための方法とはいったい何でしょうか。それは皆さんもよくご存じの子宮がん検診なのです。子宮がん検診は住民健診のみならず、一般の産婦人科の施設でも行える簡単な検査であり、実際の検査時間は数分もかかりません。この検査により早期発見が可能となるわけですが、実はその子宮がん検診の受診率が沖縄県では頭打ちとなっています。

これはいったい何を意味するかというと、検診を受ける人は毎回と言ってよいほど受けているのに、検診を受けていない人は全く受けていない可能性があるということです。実際進行した状態で診断される方の多くは、それまで一度も検診を受けたことがない方がほとんどなのです。

また病気の初期には何らかの異変がある場合が多いのですが、子宮頸がんでは早期の場合、自覚症状は全くありません。不正性器出血や腰痛などの自覚症状はかなり進行してからでないと現れてこないものなのです。

医学の進歩により進行した子宮頸がんも完治する可能性が以前よりも改善してきているのも事実ですが、その治療による肉体的、精神的、経済的な負担はかなり大きいと言わざるを得ません。それに対し子宮頸がんの早期発見の場合、例えば0期に関しては、おなかを切ることなく子宮の入り口を約一センチ前後切除するだけで百パーセント完治が期待でき、その後の妊娠、出産も可能です。

もしあなたが子宮頸がんと診断された場合どちらが良いかは明らかではないでしょうか。産婦人科は恥ずかしいから、忙しくて時間がないから、などいろいろな事情があるかと思います。しかし異常がなければ安心していただき、もし異常があっても早期発見できれば完治する可能性が非常に高いのが子宮頸がんの特徴です。

どうか勇気を出して、気軽に産婦人科を訪れ、検診を受けていただければと思います。