「解析します、離れてください。ショックが必要です、充電します。患者に触れないでください。ショックを実行します…」。AED(自動体外式除細動器)から流れるアナウンスに従い除細動器のスイッチを押す主婦、スポーツジムのインストラクター、事務員など多くの人たち。一昨年、昨年と行われた県民救急災害フォーラムでの心肺蘇生法の講習風景です。
AEDが救急現場で使用されるようになって、心肺停止から社会復帰した人たちの報告が多く聞かれるようになりました。それは愛地球博や沖縄各地のマラソン大会など多くの人が集まる場所で起こった報告でした。
しかし心肺停止の多くが家庭内での発生であることを考えると、バイスタンダー(居合わせた家人や地域の人々)がすぐに心肺蘇生を始め、AEDが到着するまで心肺蘇生を継続することが重要となります。
もしあなたが意識のない人に遭遇したら、(1)緊急通報(一一九番に電話)し、AEDを要請してください(2)すぐに心肺蘇生を始めてください(3)必要ならAEDによる除細動を行います。以上の三つをできるだけ早く行いましょう。すばやい実施が救命率向上につながります。
ところで心肺蘇生法を覚えるのは難しいでしょうか? 昨年、小学校の卒業記念に心肺蘇生の講習があり、児童、父兄ともにマネキンを相手に講習を楽しんでいました。今年は小・中・高校にAED設置が済んだ、計画中などの報告があり、心肺蘇生法に対する教育現場での関心の高まりを感じています。
二〇〇五年の勧告で、心肺蘇生法は「胸骨を強く、早く圧迫する。胸壁が完全に戻ってから次の圧迫を開始する。胸骨圧迫の中断は十秒以内」が強調され、胸骨圧迫(心臓マッサージ)と換気(人工呼吸)の比率は以前の十五対二から三十対二、突然の卒倒に対するAEDの使用(アナウンスに従う)を推奨しています。
県民の多くが推奨された心肺蘇生法とAEDの使用法をぜひ学んでいただけたらと考えています。
第三回県民救急・災害フォーラムが九日に、県民広場&国際通りを中心として開催されます。AEDによって社会復帰できた症例についての講演会、普通救命(AED)講習(一般向けです)、AED体験コーナー、スタンプラリー、災害時炊き出し食料の試食コーナー、つり上げ救助体験コーナーなどたくさんのイベントがあります。スタッフ一同、皆さまの参加をお待ちしています。(同フォーラム実行委員会代表世話人)