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関節リウマチ (2007年7月18日掲載)

宮里昌・みやざと内科クリニック

早期発見で治療も容易に

皆さんは、「リウマチ」についてどういうイメージを持っているでしょうか? 関節が曲がって動けなくなる、最後には寝たきりになってしまうというものでしょうか? しかし、それは過去の話になりつつあります。

現在のリウマチの治療はかなり進歩しており、うまく治療すれば、痛みもほとんどなく、関節の変形も最小限で済み、何不自由なく日常生活を送ることができます。ただし、それには大切な条件があります。何よりも早期発見・早期治療が大切だということです。

最近の研究では、リウマチによる関節破壊は発症から二年以内に急速に進行すること、また、早い時期ほど薬もよく効くことがわかってきました。しかし一方で、リウマチの診断がつくまで平均一―二年かかっているとのデータもあります。

どうして、診断が遅れてしまうのでしょうか? 一つは、患者さんが我慢して様子をみているうちに症状が悪化してしまうというパターンです。もう一つが病院を受診したけど、診断が遅れたというパターンです。

当然、医師としては、そういったことは避けなければならないとは思いますが、リウマチの診断は、症状が軽い早期ほど難しいのです。

リウマチの場合、この検査で百パーセント分かるといった検査方法はありません。リウマチの診断は、症状、身体所見、血液検査、画像診断など総合的に判断して初めて診断できるのです。ですから、同じ患者さんに対して、ある医師はリウマチではないといい、ある医師はリウマチという場合も起こりうるのです。

私自身も、リウマチの診断に確信が持てるまで時間がかかる場合があります。それでも、最近は、抗CCP抗体(抗シトルリン化ぺプチド抗体)といった今までより精密な検査が可能になるなど、さまざまな診断方法が進歩してきています。治療法も、生物学的製剤といった新薬も使われるようになり、着実に進歩してきています。

最後に、リウマチを疑う症状を簡単に述べます。まず関節の痛み・腫れがあること。特に指先から二、三番目の関節や、手首、足指の付け根などが起こりやすい関節です。また、左右両方の関節に痛みがあることがほとんどです。朝起きた時に指がこわばることもあります。あてはまる症状がありましたら、ぜひ専門医を受診ください。

繰り返しになりますが、何より早期発見・早期治療が大切です。