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ピカピカの1年生(2007年4月11日掲載)

宮城裕之・沖縄赤十字病院 小児

健康管理に母子手帳活用

新一年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

新しいランドセルや新しい机などをそろえ、これからの学校生活に大きな夢と希望を持ち、胸を膨らませているものだと思います。家族をはじめ周りの人たちも、何かしらうきうきとしてさわやかな気分にさせてもらえます。昨今の虐待や若年者の犯罪など暗い出来事とはおよそ懸け離れた感があり、今の純粋な気持ちをいつまでも持ち続けられるよう大事にはぐくんでいきたいものです。

さて、入学後間もなくしますと、学校にて健康診断が始まります。身体測定やいろいろな検査があり、その結果で二次検査に回ることもあります。入学までの乳幼児期の経過は母子手帳で分かることが多々ありますので、母子手帳を見て子どもの健康管理を考えてあげてください。

多くの同級生に交じると、大柄な子、小柄な子、やや太った子、やせた子などさまざまで、自分の子がどの程度の発育なのか気になるものですが、十人十色であり多少の差があるのはごく普通のことです。例え小柄でも、成長曲線に沿った発育であれば心配することはなく、個人性を大事にして伸び伸びと育てたいものです。

貧血検査や尿検査などの結果も記載されています。貧血があれば食事指導が必要となることもあるし、尿にタンパクや糖が出ていれば食事指導、運動指導があることもあります。心臓病や腎臓病、喘息などで薬を飲んでいたり、運動を制限されているお子さんもいると思いますが、主治医とよく相談して、できるだけ皆と同じような生活を送れるようにしてあげたいものです。また、学校には保健室の先生や校医がいますのでいろいろと相談してください。

予防接種の有無を確認することも大切です。母子手帳には、一歳までに受けたほうがいい予防接種は何か、一歳になったらすぐ麻疹(はしか)、風疹のワクチンを受けましょうとか、そのほか就学前にやるべき予防接種など事細かく記載されています。最近は麻疹と風疹の新二種混合ワクチン(MRワクチン)があり、一歳時の接種と小学校入学前に二回目の接種をすることが薦められています。麻疹、風疹は社会的にも影響が大きい疾患ですので接種もれがないよう気をつけたいものです。そのほかにも抜けているワクチンがあればぜひ接種していたいものです。

これから始まる学校生活が楽しく、明るく希望に満ちた有意義なものになるよう、家族皆で気を付けてあげたいものです。病気なんかに負けずに、皆勤賞めざして頑張ろう。