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骨粗しょう症(2007年4月4日掲載)

山口隆・(医)ほくと会北部病院 整形外科

60歳から骨密度検査を

骨粗しょう症という疾患を最近よく聞かれると思いますが、分かりやすくいうと骨の量(骨量・骨密度)と骨の質(骨質)の低下に伴い、骨がもろくなり、骨折しやすくなるという疾患です。

近年、骨粗しょう症が重要とされるのは、寝たきりの原因となる骨折、特に大腿骨頚部骨折(股関節の骨折)、脊椎圧迫骨折を引き起こすためです。日本では、寝たきりの原因として脳卒中が一位、骨粗しょう症による骨折が二位となっています。

骨粗しょう症は、年齢とともに増加し、全国で八百万〜千百万人の患者がいます。特に女性は男性の三〜四倍と高頻度です。女性の場合、閉経後の卵巣機能低下に伴い、性ホルモン(エストロゲン)が減少することにより、骨量が減少するといわれ、六十歳で20%、六十五歳で30%の骨量が失われていきます。30%減少した時点で骨粗しょう症となります。さらに七十、八十、九十歳と加齢するとともに、骨量はどんどん減少していきます。グソー(天国)に行くまで減り続けるということになります。

困ったことに骨量が減少すればするほど骨折の頻度も高くなり、寝たきりになってしまう確率も高くなるということです。女性の長寿日本一を誇るわが沖縄県において、骨粗しょう症は非常に重要となります。男性に関しては、運が良いのか悪いのか平均寿命を過ぎた七十五〜八十歳で骨粗しょう症となることが多いため、患者は少ないです。骨粗しょう症になってしまう前に、すでにグソーに行っていることが多いからです。

骨折による寝たきりを防ぐには、転倒をしないことと、高齢になっても十分に骨量を保っていくことが望まれます。骨粗しょう症の予防としては、若いときからカルシウムのみならず、ビタミンD、ビタミンKなどを十分に摂取することを心掛け、骨量を増やしておくことが重要で、さらに適度の運動も必要となります。

骨折による寝たきりを防ぐには、転倒をしないことと、高齢になっても十分に骨量を保っていくことが望まれます。骨粗しょう症の予防としては、若いときからカルシウムのみならず、ビタミンD、ビタミンKなどを十分に摂取することを心掛け、骨量を増やしておくことが重要で、さらに適度の運動も必要となります。

骨粗しょう症自体は痛みもなく無症状に経過することが多く、治療が遅れがちです。なるべく早期からの治療が望まれますが、そのためにも、一度はお近くの病院で骨密度検査をお勧めします。特に女性は、六十五歳より骨粗しょう症となる頻度が高いので、その一歩手前の六十歳からの検査がよいと思われます。