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コンタクトレンズ(2006年9月13日掲載)

宮平誠司・首里眼科

正しい装用とケアが大切

国内でのコンタクトレンズの装用者人口は千五百万人に上ると推測されています。そして、その一割近くに眼障害が発生しています。どうしてこんなに多くの障害が起こっているのでしょうか。それは、正しい使用法、洗浄方法を守っていない方が多いからです。

コンタクトレンズの使用には、涙の量が十分あるか、角膜の形、瞳の大きさにあっているか、という問題もあります。目の状態によっては点眼薬の使用が必要になることもありますし、連続装用や睡眠時の着用などは、特殊なケースを除いては勧めません。

コンタクトレンズの手入れは、毎日のこすり洗いが基本です。レンズの洗浄、すすぎ、消毒、保存を一本で済ませる多目的溶剤は手入れの簡便さから人気がありますが、使って後、そのまま目に入れられるように作られているため洗浄力は弱く、使用法をきっちり守らないと汚れが取れません。

こすり洗いは不要だというメーカーもありますが、油ものを食べて後のお皿を洗剤にただつけておくだけよりもこすったほうがよく落ちるのと同じように、コンタクトレンズも、こすったほうが汚れはよりよく落ちるのは間違いありません。レンズケースの手入れも大事です。ケースは二個用意し、毎日分解して洗浄し、乾燥させ、交互に使用するのがよいでしょう。

ファッション感覚でカラーレンズを希望する方にまずお話ししていることは、カラーレンズは、酸素透過性がよくないということです。よりきれいになりたいという女心も分からないでもありませんが、毎日、長時間の装用はお勧めできません。

メーンはメガネや透明なレンズにして、カラーレンズは、特別なデートやお出掛けのときにだけしてはどうかと提案しています。どうしても毎日カラーをしたいという方に対しては、今の瞳も十分きれいだということを説明し、分かっていただいています。

また、コンタクトレンズの(誤った)長期間、長時間の使用により、角膜の表面だけでなく、裏側(内皮細胞)も傷害されることがわかっています。内皮細胞が極端に少ないと、将来、白内障などの手術を受けるときに問題となることがあります。内皮細胞も定期的にチェックすることが望ましいでしょう。

コンタクトレンズは、目に対しては異物であることを認識し、きちんと、眼科医の診察の下に、正しく使用することをお勧めします。