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第9回県民公開講座Q&A

ガンとどう取り組むか?
 
Q.1 職場検診
今年検診を受診しておりましたが、早期に発見できず
その後 肺癌と診断 4カ月で死に至る
タバコ喫煙せず、自覚症状なし 風邪で病院で診断 末期癌と診断
4カ月死亡
A ご質問の内容から、ご家族の方かご友人が肺癌でお亡くなりになったと推察いたします。今年検診を受けていたにもかかわらず発見できず、診断時に既に末期であったとのことですので、さぞかし残念だったことと思います。
肺癌には、肺から発生する原発性肺癌と、肺以外の臓器に発生した癌が肺に転移し肺で癌細胞が増殖する転移性肺癌があります。亡くなられた方がどちらの肺癌だったのか分かりませんので、両方の可能性を考えてみたいと思います。
原発性肺癌の場合は、比較的検診で発見されやすいタイプ(腺癌)と、検診で発見しにくいタイプ(肺門部に発生する肺扁平上皮癌や肺小細胞癌が多い)があります。後者のタイプ、特に肺小細胞癌の場合は非常に進行が速く、年に一回定期的に胸部X線検査を受けていても早期発見は非常に困難というのが現状です。
また、喫煙はなかったとのことですが、現在喫煙していなくても過去に喫煙していれば、それだけで肺癌が発生する確率は高くなります。禁煙をして約15年位経過すると、喫煙をしたことがない人程度に肺癌の発生する可能性は低くなります。ただし、全く喫煙したことがない人でも、受動喫煙(他の人が吸っているタバコの煙を吸わされる)によって肺癌が発生する可能性は高くなります。
転移性肺癌の場合は、肺に転移してくる元の癌がどの臓器かによって症状が異なります。転移性肺癌であれば、通常、癌は広範囲に広がっていることを意味しますので、治療は非常に困難となります。
いずれにしても、ご質問の方が経験された患者さんは診断された時には末期であったとのことで、とても残念な結果となってしまいました。医師会といたしましても、医師の診断能力をより一層高めていくための研修会や検討会を継続して開催し、同時に禁煙活動も積極的に進めていきたいと考えております。
Q.2 胃がんの原因にニンニクがあげられていまいしたが、アメリカガン予防フードピラミッドのトップにニンニクがあげられていますが?
胃がんの危険因子の可能性としてニンニクがあげられていましたが、摂らないほうがよいのでしょうか?
A 胃がんの危険因子・予防因子;にんにくと唐辛子について私の胃がんのお話の予防因子・危険因子のスライドの中で、予防因子の可能性のある食物として唐辛子、危険因子の可能性のある食品としてニンニクをあげてありましたが、まったく逆で、ニンニクは予防因子の可能性があり、唐辛子は危険因子の可能性がある、が正しい内容です。深くお詫び申し上げます。ニンニクの胃がん予防効果の可能性は、世界がん研究基金/米国がん研究財団で報告されております。
Q.3 「胃がん治療ガイドラインの解説」の本はどこで購入しますか。胃がんで約3年前に胃の2/3の切除術をしました。人間ドックは受けないでいいですか。胃がんはあまり転移は少ないといわれました。ほんとですか。もし、転移するといわれたらどの辺に転移しますか。今でも時々胃が痛いです。薬は今でも飲んでいます。また、すごく便秘 症で真っ黒みたいな色の時もあります。普段でも硬い便が多いです。
A 胃がんの手術後、残っている胃に再発がないか、あらたな癌の発生がないかどうか、やはり定期的に検査をする必要があります。また、胃がんの転移は、進行度に より頻度が異なります。早期の癌であれば転移の可能性は少なく、進行がんであればやはり転移の可能性は一応考えておかなければなりません。転移する部位も 胃がんの組織型によって頻度が異なってきます。分化型癌であれば肝臓が多く、未分化型であれば、腹膜が多くなります。
ですから、やはり定期的に胃の検査、腹部超音波検査、腹部CT検査、血液検査などを受ける必要があります。勿論、人間ドックなどを利用されるのもいいかと思います。 ときどき感じるという胃の痛みも、胃が原因なのか、他に原因がないか一度検査を受けられたほうがいいと思います。
便が黒いということですが、便秘で硬いコロコロした便であれば黒くなることもあります。しかし、胃に病気があって出血して便が黒くなることもよくあります。貧血がないかどうかを含め、医師に一度相談されたほうがいいと思います。
「胃がん治療ガイドラインの解説」は一般の本屋さんでも販売していると思いますが、置いてなければ注文すれば取り寄せてもらえると思います。金原出版株式会社から出版されており定価は1000円です。
Q.4 本日講演された先生方は、良い治療成績を残し、患者からの信頼も厚いと思います。しかし、がん治療に不満を持つ患者、家族が80%と新聞で報道されていました。どの様な情報をとり、どの様な行動をすれば、満足のいく治療を受ける事ができるのでしょうか?
又、正確な情報(良い医者、病院等)をどこで入手すればいいのですか?
A がん患者にとって、いかに手厚い治療や介護をつくしたとしても本人や家族にとって「満足」ということがあるはずがありません。身近な大切な人が死と直面し命を失うからです。
運よく、早期がんで発見され、早期治療がなされ、完治した患者にとってすら満足したとは言えないと思います。しばらくの間再発の不安がつきまとうからです。
「がん医療に不満80%」の見出しで、日本のがん医療政策に対する患者側からの不満が新聞で報道されていました。
不満の内容は、(1)抗がん剤の未承認問題、(2)情報提供機関の不備、(3)総合的な相談や心のケア体制の不備、(4)高額な医療費、(5)専門医の不在、などが上げられていたと思います。
現在、厚生労働省は、第3次対がん16年計画を策定中であり、今後の国のがん政策の改善に注目してゆきたいと思います。
いずれにしても進行癌や末期癌の状態で発見されては、うつ手は限られています。テレビ(NHK)で報道された未承認薬を使用したとしても、「救える命を救う」とはいかないのです。延命効果(生存期間14.9→19.1ヶ月)を期待するのみです。
「自分を助けてくれる医者を必死で探す難民です」とならないよう心がけましょう。そのためには、食生活や生活習慣を改善し、がんを予防する考え方、そして年1回のがん検診を受け、早期発見、早期治療がなされることが最も重要と考えます。そして日頃より身近な「かかりつけ医」をもち、万が一の場合相談し、総合病院などに紹介してもらうようにしましょう。
又、情報源としては、書店などに書物もあります。たとえば「医者のすすめる専門病院」なども参考になるかと思います。
いずれにしても、自分の健康は「医者まかせ」、「行政まかせ」ではなく自分自身で守るしかないのです。
Q.5 肺に腫瘍があると言われていますが、ガンになりやすいものでしょうか?
また、腫瘍をなくすには抗癌剤を使用したほうが良いでしょうか?
教えて下さい。
A 腫瘍には良性、悪性、その中間の性質のものがあります。腫瘍があると診断された病院の主治医におたずね下さい。診断のついていないものであれば、胸部CT検査などが必要です。ガンあるいはガンになりやすいものかどうかある程度判断できると思われます。さらに、精密な検査として気管支鏡検査、CTガイド下生検などがあります。
腫瘍がガンで小さいものであれば、手術で取り除く手術が最も確実でしょう。
腫瘍が大きくてすぐには手術できないと判断された場合は、術前導入化学療法として手術の前に抗癌剤を使用し、腫瘍の大きさを小さくしてから、手術を行うという方法もあります。いずれにしても、精密検査で腫瘍がガンなのか、大きさ、リンパ節への転移、他の臓器(脳、肝臓、骨など)への転移の有無で進行の程度(病期)が決まり、治療法が決まります。
Q.6 患者の友の会のようなものはありますか?私は肺癌の患者です。
A 患者の友の会は乳ガンの患者さんなどの会はありますが、沖縄県では肺癌の患者さんの友の会については承知していません。正式な会ではなくても、入院中に知り合って時々、連絡しあっている方々はいるようです。
ご自分のご病気についての不安、疑問などがあれば、先ず、主治医あるいは他の病院の先生にセカンドオピニオンを求めるのも一つの方法だと考えます。
すれば取り寄せてもらえると思います。金原出版株式会社から出版されており定価は1000円です。
Q.7 ヘリカルCTの料金を教えてください。
A 胸部CT検査の料金は造影剤の使用の有無で異なります。
血管(静脈)に造影剤を注入して撮影を行うと、血管とリンパ節との区別がはっきりしてきます。従ってリンパ節の大きさ、形などが判断できます。造影剤を使用しない胸部CT検査は健康保険を利用して3割負担の方で約5千円、造影剤を使用すると約1万円となります。