| 子供の肥満・大人の肥満 | |
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| Q.1 | 巨大児を出産する中年以上になった母親は糖尿病になりやすいとの記事を読んだ事があるが、いかがなものか?子(胎児)と母親との体質と関係があるのか? |
| A | 胎児の体重は母親によって大きな影響を受けます。医学用語で、出生体重4,000g以上を巨大児と呼びます。成熟児の平均体重は3,200〜3,300gですから、3,800gを超える赤ちゃんはかなり巨大な赤ちゃんと言えます。 巨大児となる原因はいろいろあります。例えば、大きな体格の妊婦、糖尿病(妊娠前からある場合と妊娠に伴う糖尿病)、ある種の先天的な奇形・異常を持った赤ちゃんなどです。しかし、一番多いのは、ご質問のように、母親が糖尿病の場合です。ただ、母親の糖尿病の場合でも、血糖のコントロールがよければ、普通の赤ちゃんが産まれます。 何故糖尿病の場合は、赤ちゃんが巨大になるか、簡単に説明します。母親が糖尿病で、血糖が高いと、胎盤を通って児に多くのブドウ糖が移行します。児はいつも高血糖にさらされ、いわば、甘いものを食べると太るのと同じ現象が子宮内で起こるわけです。糖分のとりすぎは、胎児にも肥満をもたらすわけです。ついでに、巨大児で 生まれることの問題点を上げます。 ・難産になり、分娩外傷が増える。 ・それを避けるため、帝王切開が増える。 ・新生児が低血糖となって、痙攣を起こす危険がある。 ・その他、いろいろな医学的合併症が起こる率が高い。 |
| Q.2 | 「母乳が生活習慣病を防ぐ」は、ちょっと過言では?あまり母乳主義を強制しすぎると、状況によって出ないお母さん達へ相当のプレッシャーになり、自信をなくしてしまいます。もちろん母乳はとても大切ですが、その後の離乳食、お母さんの食事、1歳以上からの食生活が、99%ぐらい比重が重いと思います。 |
| A | 母乳栄養の大切さについて、最近、多くの新しい事実が分かってきました。私が申しあげた、「母乳が生活習慣病を防ぐ」ということは、一部の専門家を除いて医師の間でもまだよく認識されていないことです。それゆえ、この様なご質問が出るのは当然のことです。 では、何故、長い人生の僅か数ヶ月(それこそ、平均壽命の1%以下の期間)の母乳栄養が、生涯にわたって影響するのでしょうか。その前に、話題が他のことに移るのをご了承下さい。 鳥類の雛に「刷り込み」という現象があります。これは、Lorenzという動物学者が70年前に発表した有名な学説です。かも、あひるなどは卵から孵化後、数時間の間に目に入ったものを一生、追いかけます。野生では、孵化後に見た親鳥を追います。ところが、人工的に孵化時に一定時間、親鳥を見せないでいると、その後に親鳥を見せても、それを追尾することはありません。逆に、孵化後の最初に見たものが人間であれば、一生人間を追いかけます。自分が人間と同じと認識するのです。 つまり、出生直後に大切な「感受性期」があり、この時の視覚刺激が能に刷り込まれ、一生を支配するといわれます。人間のような高等生物にはこの様な感受性期は、はっきりしませんが、それでも、母乳栄養児はミルク栄養児に比べて、母子の絆が成長後も強いといわれるのは、赤ちゃんの育児法が長期に影響を及ぼす証拠でもあります。 長い説明になりましたが、実は「栄養・代謝の刷り込み」現象が、ヒトにもあると考えられるようになりました。出生後数ヶ月、母乳を与えるか、ミルクを与えるかで栄養のメカニズムが決まってしまいます。これが、母乳栄養児はミルク栄養児に比べて肥満が少なく、血圧が低い、インスリン抵抗性が少ない(糖尿病になりにくい)という多くの疫学調査で、近年明らかにされてきた「事実」なのです。 もちろん、母乳だけが生活習慣病を予防するわけではありません。幼児期・学童期さらには大人になってからの食生活習慣も大いに関係します。 しかし、生活習慣病予防で、母乳の役割はたった1%などという次元のものではなく、10%、いや20%と、大変大きな意義があると私は考えます。まず、母親と家族、医療関係者が母乳を与える努力を最大限行うことが、最優先されるべきことです。 もし、何らかの理由で母乳を与えられないお母さんは、責められるべきではなく、母乳以外の生活習慣病予防対策を子育てに生かしていただければ、よいと思います。例えば、ジュース類、甘い飲料水を与えない、和風の離乳食を与える、ファーストフードを与えない、脂もの(ポークランチョンミート、天ぷら、フライドポテト、フライドチキンなど)を制限するなど、初回の失点を挽回するチャンスはいくらでもあります。 一人でも多くの赤ちゃんが、母乳という大切なものを、生まれてすぐに与えれるよう全ての大人は努力しなければなりません。それが赤ちゃんにとって、大きな最初の贈り物になるのです。この様な赤ちゃんが大多数を占めれば、沖縄の長寿復活はかなり、確かなものになるでしょう。 さあ、今すぐ、行動を開始しましょう。あなたのお孫さんに、知人の赤ちゃんにお隣の赤ちゃんに「おっぱい」を飲ませるようにすすめて下さい。これは小児科医の切なるお願いです。 |
| Q.3 | 肥満は乳児からとお話を聞きましたが、乳幼児検診の時、栄養指導がとても大事になると思うのですが、貧血など問題がある乳幼児のお母さんだけに指導というのは、いかがかと思います。ぜひ、全員に栄養、食事の大切さを若いお母さん達に話す機会を作ってほしいと思います。 |
| A | ご指摘の点については、全く同感です。食糧事情が悪く、子どもの栄養改善に努力していた時代とは違う観点で、現在の飽食の時代に対応しないといけないと思っています。 県内の乳幼児健診を引き受けている沖縄県小児保健協会でも、その点を考慮した栄養指導法を検討して、乳幼児健診の現場で、若いお母さん方に、子どもの栄養、食事の大切さをわかりやすく説明できるように努力致します。ちなみに、本年度5月21日(土)午後3時半から開かれる総会の特別講演に「小児肥満について」と題して、国立成育医療センターの堀川玲子先生をお招きし、お話頂くことになっております。会場は、浦添市当山にある県立医療福祉センターで、一般の方の参加も歓迎いたします。 乳幼児期から適切な栄養摂取と食習慣を身につけ、肥満の予防に努めることが、将来の生活習慣病の減少をもたらし、沖縄の長寿県復活につながると信じます。皆様と共に、母乳栄養の拡大と、乳幼児の食事の大切さについて、啓蒙活動をおこなってまいりたいと思います。 |
| Q.4 | 私は肥満の傾向にあるので日頃から食事に付いては栄養とりすぎないように留意して献立には十分注意しておりますが、外食になると、どうも自分の意に添うような献立があってもカロリーが気になって選択に困ります。可能ならばすべての食堂にある献立表にカロリー表示をするように指導してもらいたいと思いますがどうでしょうか? (子供メニューをとることが多くなる) |
| A | 外食メニューのカロリー表示については、栄養士会でも数年前より「外食栄養成分表示店促進事業」として取り組んできました。外食産業業者へ働きかけ栄養成分表示を勧めていましたが、当時は県民の意識も低く、レストラン、食堂、弁当屋から数件の栄養計算の依頼しかなく、また、表示しても注目されず、せっかくの施策が生かされていないのが現状でした。 しかし、男性の26位ショック以来、医師会の県民公開講座の取り組みもあって、再度業者からの栄養計算の依頼があります。栄養士会でも次年度の取り組みの中に「外食栄養成分表示店促進事業」が継続事業として位置づけられ、充実していく予定ですので、少しずつですが栄養成分表示店が増えてくると思います。 消費者の皆様が、より多く栄養成分表示をしている店を利用することによって、どんどん表示する店が増えていくと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします。 |
| Q.5 | 食間の時間、6時間おきに食べた方が太らない、脂肪を燃焼させると聞きましたがどうでしょう? |
| A | その通りだと思います。少なくとも4〜5時間の食間が必要だと思います。 |
| Q.6 | 胆石の手術をして5ヶ年程になります。特に何もなく過ごして来たのですが、ふとした時に少し心配になることがあります。生活の中で気を付けることは、油を少なく以外に何かありますか?教えて下さい。 |
| A | 恐らく胆嚢も一緒に摘出なさったのだと思いますので、胆石再発の心配はありません。しかし年1回程度は、肝機能等のチェックをなさることをお勧めします。 |
| Q.7 | メタボリック症候群について説明お願いします。 |
| A | 腹部肥満・高血圧・高脂血症・高血糖・低HDLコレステロール血症の5項目中、3項目以上あてはまればメタボリック症候群として特別に注意を喚起しています。それはそれぞれの所見が軽くても、これらが重積すると心筋梗塞や脳梗塞、あるいは糖尿病になる確率が3〜10倍となるからです。 |
| Q.8 | 私は、初めて講座に参加して、単純に肥満ということを考えていました。けど、今、私はあまり運動しませんので、大分肥満になりつつあり心配です。 |
| A | 今回の公開講座を機会にもう一度、ご自分の体型や生活習慣を顧みて、改善される方向へ向かう人の数が増えていれば、この講座の目的は、ある程度達成されたと思います。私の運動の話も運動を始める、きっかけになってくれることを期待します。この様な感想・意見が多かったことを望んでいます。 |
| Q.9 | 運動療法についてですが、食後1〜2時間がのぞましいということですが、自分の場合は1日2食(朝食AM10:00、夕食PM8:00頃)で運動はPM4:00頃ウォーキングしています。食後たいぶ時間がたっていますので、空腹時の運動は良くないでしょうか? |
| A | 運動をする時間は、現在、糖尿病などの疾患で、インスリン注射や服薬で血糖を下げる治療をしている人以外はどの時間にしても心配はありませんが、空腹時の運動によるエネルギーの不足状態での食事は、食べ過ぎたり、蓄えようとしてしまう働きが強くなります。体重や血糖値等の異常があるようならこれを機会に食事時間(回数)も調整してみてはどうでしょうか? |
| Q.10 | 別刷りのプリント(オレンジ色)にある『食品成分運動量スケール』にある運動の種類は主に下肢の筋肉を使うものです。できれば上肢等の運動によるkcal消費の目安もあると良かったと思いました。参考文献等には、その点は記入されていないのでしょうか? |
| A | 一般的には、全身運動が多く取り上げられています。単独の筋肉あるいは上肢(腕)だけの運動では、関わる筋肉量の少ないことや、運動負荷を体重と同等にする事が困難な為、上肢のみの運動でのエネルギー消費を計算したデータはありませんでした。一般的には、ウォーキングや体操などの運動での消費エネルギーの指標が採用されています。固定式の自転車エルゴメーターなどの体重が加味されない運動(足だけの運動)での消費エネルギーは、以外に少ない場合が多いと考えます。座ってできる運動(上肢を使っての)での消費データの把握もできるように検討します。 |