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第14回県民公開講座Q&A

慢性腎臓病〜なぜ多い沖縄の腎不全 〜
 
Q.1 母が慢性腎不全 低タンパクの食事を心がけていきたいが、購入が難しく量をひかえたりしている。また、カリウム制限は野菜をゆでたりして控えめにしている。  どのような方法、工夫がよいのか知りたい。現在「低リンミルク」を1日おきに飲んでいるがよいのか。
A 1990年代の前半までは低蛋白症が進められてきましたが、近年ACE阻害薬やアンギオテンシン受容体拮抗薬などの降圧薬が広く使われるようになり、低蛋白食による腎障害の進行阻止するという役割が低下してきています。蛋白摂取量が多いと腎臓の糸球体(毛細血管)の血圧と血流量が増加して、つぶれやすくなると言われていましたが、2種類の降圧薬は糸球体高血圧を改善することが明らかになり、少なくとも2000年以降は厳しい蛋白制限は勧めていません。一方、蛋白制限する場合は脂肪や炭水化物など他の栄養素で補い、総カロリーは落とさないことが重要です。  カリウム制限に対してはいいと思います。少量の利尿薬を内服すれば高K血症は減らせます。
 低リンミルクもいいと思います。 夢ごはんをはじめ、特別メニューは金もかさみます。腎臓の保護作用と効果の関係からすると下の方にランクされます。 体重減量、塩分制限を基礎として 血圧の治療、糖尿病(糖尿病がある人は)、高脂血症、高尿酸血症、貧血の是正、低蛋白食の順序となります。
Q.2 父が腎不全で食事制限(野菜をすべてゆでたり、カリウム、低蛋白、塩分制限)を行っておりますが、ビタミン類、鉄分など不足してないか心配です。 補わなくても大丈夫でしょうか。栄養状態が心配です。
A いい質問です。確かに透析患者さんはいろいろと食事の制限があり、低栄養が心配になります。日本透析学会のデータでも栄養状態の悪い方の生命予後は悪いです。だだし、ほとんどの透析室では年数回、鉄やビタミンはチェックしていますので、個々人に応じて対応はしていると思います。たまには担当医の先生に質問をしてみるのもいいと思います。
Q.3 息子(43歳)の腎臓病についてお尋ねします。 腎臓の機能が60%は働いているそうですが、本人が中々話しをしませんので家族としましては、食塩の他どのような食事に気をつけたらよいでしょうか。尚血圧も高く、降圧薬も飲んでおります。慎重176�p、体重76�sです。トイレが近く今行ったのにと思う程続けて行っております。1回目は出ないの?と聞くのですが「いいや」と言うのみで言葉のコミュニケーションがとれていないのが残念です。
A 腎臓に負担をかける要因は
肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症で、特に沖縄ではメタボリックシンドロームが注目されてきています。塩分制限が基本です。体重あたり0.8gの蛋白摂取量が目標となります。現在の腎機能が60%でしたら、血圧を120/80前後で保てれば、腎機能の悪化スピードはかなり抑えられます。根気強く治療するよう勧めてください。きちっと通院している人で、どんどん悪くなる人はほとんどいません。
Q.4 2年前に狭心症でカテーテル治療を行い、腎機能が30%位しかないと言われました。現在は血圧のコントロールは110〜130位が良いですか。
A 狭心症、慢性腎臓病の方の血圧目標は120/80(至適血圧)前後いいと言われています。ただし、狭心症や以前に心筋梗塞をおこした患者さんでは、拡張期血圧(下の血圧)が70以下だと逆に生命予後が悪化することがわかっています。
Q.5 IgA腎症の予後と妊娠の影響について教えて頂きたい。
A 以前は予後が比較的良好と言われた時代もありましたが、この病気が知られるようになって約40年ですが約40%透析に導入という報告もあり、治療の重要性が再認識されてきています。今から10年、20年前は長期の予後調査がなく、微少血尿や蛋白尿は治療しなくてもいいと言う時代がありました。アメリカにいたっては腎生検もする必要はないといっていました。最近、軽いうち、あるいは初期に免疫抑制薬やステロイド剤による治療、さらには扁桃腺摘出術+ソル・メドロールパルス療法で腎機能が回復するという報告が増えつつあります。ただし、実際に効果が実証されるまでは数年かかると思います。
 妊娠への影響について
妊娠時血清クレアチニンが1.5mg/dl以下であれば、腎機能が悪化する可能性は10%以下と言われています。クレアチニンが1.5mg/d〜2.9mg/dlだと腎機能が悪化する可能性は40%へと上昇します。腎機能が悪くなる前に、腎臓内科の先生、産科の先生に相談することを勧めます。