沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 県民公開講座Q&A > 第13回県民公開講座Q&A

第13回県民公開講座Q&A

骨粗鬆症〜元気な骨をいつまでも 〜
 
Q.1 55歳頃より70%程度の骨密度を維持しています。運動は毎日実行しています。内服による治療も行いたいのですが、ビスフォスフォネート製剤、女性ホルモン等はどこでも処方してくれますか。
A 整形外科で処方ができます。婦人科、内科、外科などの診療科でも処方は可能ですが、病院によって対応が異なりますので前もってお尋ね下さい。
Q.2 骨粗鬆症に対する内服の開始時期は担当する医師によって違うのでしょうか。
A 治療開始時期や内容は医師によって多少異なります。
Q.3 骨粗鬆症の治療方法の一つに女性ホルモンの補充療法があるようですが、身体への影響はないでしょうか。
A 性器出血、乳房痛が出現することがあります。また長期的には、乳癌、子宮内膜癌、血栓症のリスクが増加するという報告もあります。最近は、骨だけに選択的に作用する女性ホルモン製剤も開発されています。
Q.4 ビスフォスフォネート製剤を長期服用した場合の副作用や注意点を教えて下さい。
A 代表的な副作用は消化器疾患です。特に食道と胃の粘膜を障害する可能性がありますので嚥下困難、嚥下痛、胸やけ、悪心、胃痛などの症状には注意が必要です。その他、低カルシウム血症なども報告されています。気になる症状があれば担当医にお尋ね下さい。
Q.5 カルシウムの内服を行っていますが、どれくらいの期間続ける必要がありますか。
A どれだけ服用すべきかについて明確な指標はありません。通常、数年は服用していただきます。その後は骨量や血液・尿検査(骨代謝マーカー)の結果をみて継続するかどうか決めることになります。
Q.6 骨密度62%ですが、どのような治療が良いでしょうか。介護の仕事をしていますが、続けても構いませんか。
A 薬物治療が必要です。食物や運動も重要です。介護の仕事は可能ですが、腰などに負担がかからないようにくれぐれもご注意下さい。
Q.7 骨粗鬆症といわれて腰が曲がってきたのですが、これ以上の悪化を防ぐためにはどうすれば良いでしょうか。現在、薬を飲んで少々の運動をしてます。
A 骨粗鬆症の治療を継続しつつ、背筋や腹筋を強化する運動や良姿勢の維持を心がけましょう。
Q.8 腰椎圧迫骨折は治療できますか。
A 新鮮骨折は臥床安静の後にコルセットを装着していただきます。潰れた骨は元に戻りませんが、潰れた状態で固まります。
Q.9 骨粗鬆症の予防方法について教えて下さい。
A 50歳以降の生理的な骨塩量低下に備えて、成長期に十分な運動と睡眠、そして過不足のないカルシウム摂取により、骨の貯金を十分に蓄えておくことが重要です。しかし、どの程度の運動や睡眠、カルシウム摂取が最大骨塩量引き上げに寄与するのか、成長後では、どのような要因が生理的骨塩量減少を最小限に抑えるのかの研究が十分になされていないため、「骨粗鬆症はこうすれば予防できる」といった明確な指針はまだ示されていないのが現状です。
Q.10 日光浴はどの程度骨粗鬆症予防に役立ちますか。
A 骨の健康に重要なビタミンDは日光により皮膚で活性化されます。しかし、日照時間の極端に少ない北欧などの地域以外は、日光浴不足による骨粗鬆症はおきないと言われています。日本特に沖縄では普通に生活していれば十分な日光に曝露されるので、必要以上に日光浴をしたからといって、骨粗鬆症の予防には寄与しないと思います。
Q.11 骨密度の減少に対して7年前から注射や内服などの治療を行っていますが、まだ効果がありません。骨密度は同年代と比較すると80%台です。原因は今のところ不明です。検査や治療について何かアドバイスがあればお願いします。
A 治療後の具体的な骨塩量変化がこの質問からは分からないので、明確な回答は難しいです。7年前から治療をしていて、骨塩量の上昇がなくても、80%台を維持しているのであれば治療効果はあると考えます。治療にもかかわらず、毎年の3%以上の骨塩量減少があれば、現在の治療は無効と判断し、2次性骨粗鬆症のさらなる検索が必要と考えます。
Q.12 大型スーパーなどで骨密度測定器がありますが正確でしょうか。
A この質問の「正確」とは、機械としての正確性、再現性を言っているのではなく、この機械で測定した骨塩量が、はたして骨粗鬆症の診断に役立つかということと解釈して回答します。どの骨密度測定装置でも、スクリーニング的な(おおざっぱに骨塩量の低い人をふるい分ける)機能はありますので、結果が低い値を示していたら、専門機関での精査を受けて下さい。しかし結果が良かったからと言って、骨粗鬆症を否定できません。自分の骨の状態を知りたいのであれば、医療機関にある骨密度測定装置での測定と、出てきた数値の意味を医師から説明してもらう必要があります。骨密度測定装置からはじき出される数値は、往々にしてひとり歩きを初め、それがあたかも絶対的なものとして考えられるきらいがありますが、適正な骨密度は一人一人によって異なり、また骨の変形性変化や動脈石灰化などにより、見かけ上高い値を示すことがあるので、注意が必要です。
Q.13 10年前から年に1〜2回骨密度を測っていて、これまでに15〜16回測っています。同年齢と比較して90%前後のことが多いのですが、100%を超えることもあります。半年で10%も良くなったり悪くなったりしています。骨密度は変動しやすいのでしょうか、それとも測定ミスと考えた方が良いのでしょうか。
A 半年で10%以上変動がある場合は測定時のポジショニングエラーがもっとも考えられます。あるいは、装置にて骨密度を解析する際に、技師が手動で修正をかけない場合すなわち全自動解析するとおうおうにしてこのような結果となることがあります。測定のエラーではなく、椎体の圧迫骨折や圧迫変形の進行で、骨密度が短期間で10%以上上昇することもあります。測定結果に疑問がある場合は、主治医に十分な説明を求めて下さい。
Q.14 骨密度検査で腰椎と大腿骨の結果に差異がありました。部位による差異の原因は何でしょうか。
A 全身の骨密度を反映するのは、比較的海綿骨の割合が高い腰椎の測定結果であると言われていますが、骨粗鬆症の重要な合併症である大腿骨頸部骨折の危険性を評価するにはやはり大腿骨中枢胆の骨密度評価が重要になってきます。測定結果に差違がある場合は、どれが正しくてどれが間違いというわけではなく、測定部位により骨密度に差があり、その割合も個人個人によって異なると理解して下さい
Q.15 手首骨折したのですが、リハビリに時間がかかっています。骨粗鬆症のせいで骨折の治りが悪くなることがありますか。
A 骨粗鬆があっても、骨折後の骨癒合は正常に行われます。骨粗鬆症のせいで骨折の治りが悪くなるという報告はないと思います。この質問の「骨折の治り」は骨折後の手関節の腫脹や関節可動域の回復のことを言っているのではないかと推察しますが、これは、骨折のしかたや整復具合、固定の状況など、骨粗鬆症以外の因子が関わっている可能性が高いと思います
Q.16 現在骨粗鬆症の治療中ですが、どの程度運動が必要なのでしょうか?
A 運動の種類にもいろいろあって一概には言えませんが、内科的に問題が無ければ、 “少し疲れた”という運動量で良いと思います。内容としては筋力トレーニングやス トレッチ、ウォーキングなどが適しています。 1日20分〜30分を目安に行うと良いでしょう。また週2回以上の運動を行うことで効果 が出てきますので、継続することが大事になってきます。
Q.17 運動で効率的に骨を丈夫にするためにはどのような方法で行ったらよいでしょうか?
A 骨に負荷がかかることで、骨は丈夫になってきますので、関節に問題が無い場合は、 脚に体重がかかる運動(例えばウォーキングやウェイトトレーニング)が適していま す。しかし関節痛などがある場合は、無理をせず痛みの治療を行いながら水中ウォー キングや筋力トレーニングを行ったほうが良いと思います。
Q.18 転ばないための注意点を教えてください
A 転ぶ原因としては、加齢によるバランス能力低下、筋力低下、柔軟性の低下、環境の 問題などがあげられます。ですから普段から運動を行っていくことが転倒予防につな がります。 また転倒は早朝や夜間にベッド周りやお風呂場などで起こることが多いですから、朝 起きた時はゆっくり立ち上がってから動き出すことや、夜間頻回にトイレに行く方は 尿器などをベッド周りに置いておくことも1つの方法です。 また屋内・屋外ともに転ぶ頻度は多いですから、住宅環境も段差の解消などを行って いきましょう。 「転ばぬ先の杖」という言葉があるように、歩くのが不安定になってきたと思った ら、恥ずかしがらずに杖を持つことで転倒予防につながります。
Q.19 2階に住んでいて階段を昇ったり降りたりを毎日平均10回以上繰り返しています。1日 の運動量として十分ですか?年齢は73歳です。現在体は健康でいたい所はありませ ん。
A 階段昇降は脚の筋肉を多く使うので、痛みが無ければよい運動だと思います。 しかし体調が悪いときなどは、普段出来ている運動でも転落してしまう可能性もあり ますし、痛みが出現しやすい運動ですので、体調に合わせてこれからも行っていくと 良いでしょう。
Q.20 骨粗鬆症予防のためにどの位のカルシウムを摂取する必要がありますか。
A 性・年齢別に必要量は違います。 成人で最低限1日600mgは必要と言われています。 骨粗鬆症予防のためには800mg以上必要とも言われています。 骨を丈夫に保つためにはカルシウムの適量摂取も不可欠ですが、マグネシウムやビタミンD、ビタミンKもなければ骨の生成はすすみません。
Q.21 骨にしっかり入る吸収の良いカルシウム剤、サプリメントはありますか。
A カルシウムの腸管からの吸収率は、一緒に摂るものによって変わってきます。また、カルシウムの摂取量が絶対的に足りない時は吸収が活発になります。 年齢によっても吸収能力は異なり、加齢とともに低下します。 吸収のよいサプリメントを摂取しても骨形成(カルシウムの骨への沈着)が順調に行われなくては意味がありません。そのためには、マグネシウムやリン、ビタミンD、ビタミンKなどその他の必要な栄養素も摂取できるようバランスの良い食事が大切です。
Q.22 サプリメント(コンドロイチン等)は骨粗鬆症予防に有効ですか。骨粗鬆症の予防にサプリメントのグルコサミンやコンドロイチン等は有効ですか。
A 特定保健用食品であれば、その効果が科学的に証明されている(国に科学的根拠を示して、有効性や安全性の審査を受けています。)ので、有効と言えますが、現在のところ、これらの成分が有効であるという食品は出ていません。
Q.23 カルシウムは他の栄養素に比べて吸収が悪いと聞いたのですが、本当ですか。
A カルシウムの吸収率は、牛乳39.8%、小魚32.9%、野菜19.2%という研究結果があります。 いろいろな食品を合わせて考えると、カルシウムの吸収率は約20〜30%と計算されています。 このような数値からみると、吸収率が良いとは言えないかもしれません。 吸収率が重要視されているのはカルシウムの他に鉄があります。
Q.24 沖縄の土壌はカルシウムが多いと言われていますが(琉球石灰岩)、その土壌で育った作物にもカルシウムが多いのでしょうか。もし多い場合、こういう作物を食べると、カルシウム摂取に役立つでしょうか。
A 沖縄の水は、地下水、浄水ともにカルシウム量が多く含まれています。とくにカルシウム含有量の高い地下水を利用した作物はカルシウム量が多くなり、沖縄の土壌で育った作物の多くは、他府県と比べてカルシウム含有量が高いと研究結果があります。水に含まれる炭酸カルシウムや、沖縄の土壌で育った作物のカルシウムは、体内でも利用価値があると考えられていますので、カルシウム摂取に役立つと言えるでしょう。