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第12回県民公開講座Q&A

脳卒中〜大事な人が倒れたら 〜
 
Q.1 t−PAは脳出血にも使えますか?
A 出血は血を止めなければなりませんので,t-PAは逆の作用をしますので,禁忌となります.
Q.2 季節の変わり目、春・秋にめまいが起こることが多く、昨年の春にもめまいが起こり、立っていられない程にひどかったので、赤十字病院でCT検査を受けたが、異常なしとの診断であった。帰宅して寝ていたが、翌日もふらふらして立っていられず、更に一日寝て三日目にやっと普通に近い生活に戻った。先生の話によると耳に何かの異常があるのではとのことでしたが如何でしょうか?
A 耳鼻科のめまい外来受診してください.それで異常ないと診断されたら,血小板凝集能という検査でいわゆる血がさらさらしているか調べてもらってください.それが亢進しているとめまいをおこすことがあります.
Q.3 母が脳梗塞後3年目を迎えました。アルピン?毎朝1錠飲んでいます。再発する可能性はありますか?
A 可能性はあります.しっかりと生活習慣病の予防をしましょう.これが一番大切です.服用の薬も継続しているほうがいいと考えます.
Q.4 障害された神経の再生は可能か?
A これまでは不可能考えられていましたが,今後この方面の研究が進むと思います.
Q.5 夏になると(6月末―9月頃)毎日フラフラした状態で生活しています。(船酔いの感じ)何を注意して生活したら良いのでしょうか。
A まず脱水には気を付けましょう.血小板凝集能という検査で亢進している場合によくこのような症状を起こすことがあります.
Q.6 頻繁に頭痛が起こるので市販の頭痛薬をよく服用する。頭痛も脳卒中などの症状ですか?
A 念のため、一度はMRIやMRAの検査を受け、脳卒中の危険性を除外してから市販薬で対応してください。
Q.7 脳動脈瘤そのものは事前にその存在を発見できるのでしょうか。又、その瘤の状態は分かるのでしょうか。(事前とは、例えば通常の人間ドック等)
A MRIやMRAなどで発見可能です。瘤の状態はさらなる精密検査を要します。脳外科外来か脳ドックを受診して下さい。
Q.8 脳動脈瘤の大きさによって破裂の危険度はどうですか?
A 一般に直径5�o以上で大きいものほど、またいびつな形の瘤などは破裂し易いと言われています。(5�o未満でも要注意との意見も有ります。)
Q.9 平成17年の脳ドックで両顆動脈に軽度の血栓を指摘されました。血流には現在の所異常なしと言われましたが、治療法を教えて下さい。
A 血栓が軽度で、血流異常がなければ必ずしも治療を要せず、およそ年に1度の頸動脈超音波検査などでの経過観察でよいと思います。
Q.10 脳動脈瘤(3ミリ)があります。半年に一度MRIを受けていますが、どうしたらいいか不安です。既往歴:糖尿病、脳梗塞(1年7ヶ月)
A これまでのMRIのフィルムを借用し、他の脳外科専門医(数人)の意見も参考にされてみて下さい。
Q.11 脳の中の膜の種類はクモ膜以外にどんな膜があるのか?
A 脳の表面を軟膜が、脳の隙間をクモ膜が、脳全体を硬膜がおおっており、この3種類の膜を併せて髄膜と呼びます。
Q.12 脳卒中後の再発作の確率は?
A 脳卒中の病型によって異なります。また、危険因子のコントロールの程度により、大きく異なります。たとえば脳出血を発症した方であれば血圧のコントロールや飲酒などの有無により再発の危険性は異なってくるのは当然で、年齢以外の危険因子をいかに減らすかが再発を抑える鍵となります。
Q.13 小さな脳梗塞ありとの診断を受けている。現在、特に治療は受けていない。どの程度の症状から治療が必要か?
A おそらくMRI上の無症候性の虚血性変化だと推定されます。そのような場合、将来的には脳梗塞になる危険性がない場合に比べ高くなるとの報告もありますが、治療といってもアスピリンなどの抗血小板剤の一次予防はエビデンスが無く、糖尿病を合併しているような患者ではアスピリンの一次予防効果が証明されています。現在糖尿病が無ければ、薬剤の治療は必要なく、現在の危険因子例えば高血圧や高脂血症、肥満(内臓脂肪)、喫煙(間接喫煙も含め)、飲酒などを改善させる必要があります。
Q.14 3年前に脳出血を起こし、血腫除去は出来ず、右半身麻痺、車いす生活を送っている。手足の指先にかすかに感覚があるぐらい。将来、立てるように、歩けるようになりますか?現在、週6日デイ・ケアに通所中。
A 脳出血の場合、出血で圧迫された機能は出血の消退とともに改善しますが、出血した時点で壊された脳の機能は残存します。出血後3年経過していることから現在の神経症状は今後変化しないと予測されます。しかしリハビリの目的は、動かない手足を動かすことが最終目的ではなく、右手が動かなければ左手で右手のように字を書いたり、箸を使ったり日常生活が可能な限り自立することも目的です。自分で車椅子に移動ができ、自分の行きたいところに車椅子で行けるように環境を整え、生活を自立し、今後の生活を楽しんで下さい。
Q.15 朝起きて15分したらウオーキングに行き、8時頃朝食を摂って8時30分頃血圧測定をしています。ウオーキングの前に測定した方がいいのでしょうか?
A 血圧測定は、ウオーキングの前、できれば起床後30分以内の測定をしたほうが早朝高血圧などが鑑別できベストだと思います。運動後は筋肉に血流を送ろうと体の血管が拡張して実際より低下すると考えられます。更に可能であれば、寝る前の血圧も測定し、目標血圧範囲内であることを確認することをお勧めします。(ただし寝る直前にお風呂に入る方はお風呂に入る前の血圧測定をして下さい。お風呂で血行が良くなると運動後同様血圧が低下するからです。)
Q.16 脳出血・脳梗塞を発症した人について、再発の為に血圧はどの程度コントロールされているといいのか標準値を教えて頂きたい。
A 脳出血を発症した方であれば、低ければ低いほど出血のリスクは減りますが65未満であれば130/85以下、65歳以上140/90以下には最低すべきです。脳梗塞はラクナ梗塞では出血と同様の基準で考えていいのですが、アテローム梗塞など主管動脈などに狭窄が強い場合には血圧を下げることにより脳血流が低下し、より症状が悪化する場合があります。脳梗塞の場合は主治医と良く相談して血圧の目標値を設定して下さい。
Q.17 微少梗塞とはどんな状態のことですか?
A おそらくMRI上で見つかる虚血性の所見のことで、穿通枝と呼ばれる0.2〜0.4mmの細い動脈の血流が悪くなって起こる病態で、そのような所見を呈する方は高血圧などの何らかの危険因子を有することが殆どで将来脳梗塞を発症する危険性が微小梗塞のない方に比べ高くなります。そのような所見が見られたらまず、その危険因子を探して改善させることがもっとも重要です。
Q.18 平成16年5月脳出血で1ヶ月と20日入院。脳出血の後遺症は治ることはないとよく聞くのですが、高圧治療が良いと聞いて7回程治療を受けましたが、何ら変化もなく、現在はその治療は受けていません。高圧治療は続けた方がいいのでしょうか。現在、字を書くのも大変です。
A 高圧治療とはおそらく高圧酸素療法のことだと思いますが、現在の脳卒中ガイドラインではその治療の有効性は認められておらず推奨できないとなっています。特に発症から2年も経過した時点では脳組織に対する効果はほとんど認められないと考えられます。
Q.19 高血圧を正常に持って行くには、1番何を気をつけて生活をすると良いでしょうか。そして、不整脈が見つかり次第すぐ受診とありますが、それは健康診断で診てもらうのですか。
A 現在高血圧であればまず、自宅での血圧測定を行ってください。早朝起床時から30分以内の血圧と夜(寝る前でも可)の血圧を測定し、その療法を目標の血圧まで下げることが重要です。だからといって血圧の測定に執着しすぎないことが重要で、測定を歯磨きと同じような感覚で日課として継続できれば良いかと思います。その値が高いようであれば主治医と相談し、薬剤の調整や危険因子の除去(特に内臓脂肪過多の場合高頻度に高血圧が見られます)を行ってください。 不整脈が見つかった場合はかかりつけ医があればそちらを受診してください。またその様な時の為にも普段からかかりつけ医を見つけることをお勧めします。
Q.20 93歳になる母の脳梗塞について:2回脳梗塞を患い、両眼の視力を無くしてしまった。1回目は、5年前の2005年に起こし、左眼の視力を無くした。その時の様子は、自分の居場所がどこか分からなくなってしまった。その前からボケ症状が進みつつあったので、その時点では進行形としか思わなかった。(トイレの場所を忘れたり、ちり箱をまさぐったり)翌日、様子がどうも変に感じたので、病院へ行って診てもらった。脳梗塞で左目が見えなくなっているようだとの診断。以後、薬(バイアスヒリン錠)を毎朝1回飲み続けて来た。2回目は、今年(2006年)の3月にアテローム脳血栓性脳梗塞と診断され、今度は右目の視力を無くしてしまった(全盲)。その前に、骨折で4ヶ月程入院していて、退院(1/23)後、病院から薬の支給が無かったので、1ヶ月半ほど服用していない。発症したときの様子は、眠たいのか車いすに移しても居眠りしていた。これも時々ある様子なので、いつものことだと気にかけず、デイ・サービスに行かせた。午後5時頃帰ってきて、様子が朝と変わらないので、病院で診てもらったところ脳梗塞を起こしていると診断された。 薬は絶対に欠かせてはいけないのか。
A アスピリン錠はアテローム血栓性脳梗塞の再発予防に有効な薬剤です。副作用(アレルギーや出血など)を合併していなければ、アスピリン錠を服用していたほうが良いでしょう。
Q.21 脳梗塞を起こしているのかどうかの見分け方というのがあるのか。
A 高齢で既に認知症をお持ちになっている場合、脳梗塞を起こしているか否かを症状だけで見抜くことは簡単ではありません。「なんとなく元気がない。」という訴えで来院され、原因を調べてみて、ようやく脳梗塞が判明することもしばしばです。
Q.22 全然脳梗塞を起こしたことのない人の自覚症状について。
A 代表的な脳梗塞発症時の自覚症状には以下のようなものがあります。手指が使いづらい、歩きにくい、呂律(ろれつ)がまわらない、会話の際、言葉がうまくでない、相手の言うことが理解できない、ものが見えづらい。脳梗塞発症時これらの症状が急激に出現します。
Q.23 以前、脳梗塞を患った人の自覚症状について。また、注意事項、再発の可能性について。
A 脳梗塞再発時の自覚症状も基本的には上記と同様です。ただし脳梗塞初発時の後遺症に重なって出現するので、初発時よりは症状がやや複雑になります。脳梗塞を含む脳卒中は再発しやすい代表的な病気です。このため再発予防対策は脳卒中治療の大切な柱となります。アスピリン内服などの薬物療法もその一つです。ただし、薬物療法は脳卒中の病型により様々な選択肢がありますので、必ず主治医の先生に処方内容を説明してもらって下さい。また、自己判断で薬物療法しないで下さい。生活習慣における再発予防の注意事項は脳卒中予防十か条をご参照下さい。
Q.24 脳梗塞になると肺炎になることがあるようですが、もっと具体的に教えて下さい。
A 比較的大きな脳梗塞や脳幹部と呼ばれる場所での脳梗塞では、嚥下機能の低下や咳出機能の低下を合併します。そのため、唾液や口腔内の食物残渣が食道に入らず、気道に誤って入る状況が発生します。これを誤嚥といいます。誤嚥は気管支や肺の炎症を引き起こします。これを誤嚥性肺炎と呼んでいます。誤嚥性肺炎では抗生物質の投与、咳出の補助、口からの食物摂取制限が行われます。
Q.25 しびれはないが、指先がジリジリします。これも一種のしびれでしょうか?
A しびれの症状や訴えは患者さんにより様々です。症状が持続するようでしたら、神経内科、脳神経外科の受診をお勧めします。
Q.26 降圧剤、バイアスピリン、コレステロール、痛風、胃腸薬を毎日飲んでいる。その他に、昨年4月前立腺癌の摘出術を受け、カソデックス、リュープリン注射をしているが、これだの薬が血管の老化に影響するのかどうか教えて頂きたい。
A 調べた範囲では、前立腺ガン治療薬カソデックス錠およびLH-RH誘導体リュープリン注いずれも直接的な血管障害を引き起こしたり、脳卒中発症の危険性をあげる事実はないようです。
Q.27 起床時、就寝時の血圧測定をしております。時々血圧が240/170程になることがあります。安定剤を飲み安静にしておりますが、救急で病院に行った方がよろしいでしょうか。血圧の数値がどのぐらい上がると病院に行った方が良いかご教授下さい。
A 高齢者や不安状態にある患者さんは血圧変動が大きく、血圧値が180-200/110-120 mmHgを越えることがしばしばあります。主治医の先生が安定剤を処方されているのはこのためと考えます。血圧値にこだわらず、安定剤服用後の自宅安静を続けていただいて構いません。ただし注意していただきたいことが二つございます。ひとつは家庭血圧(自宅で測定した血圧値を手帳に記録したもの)の推移を定期外来で必ず報告して下さい。薬物療法が適切に行われているか大切な判断材料になり、高血圧の有効な治療に繋がります。もうひとつは血圧上昇に加えて頭痛、息切れ、胸部不快感、手足のむくみ、食欲低下、体重増加などの症状を自覚した際には、高血圧による臓器障害(高血圧緊急症)が疑われます。その際には血圧値に関わらず、早めに医療機関の受診をお勧めいたします。
Q.28 左顔面、左耳の周辺、左鼻が軽くしびれていて指で押すと軽い痛みを感じます。又、時々左眉のうえあたりがチクチクと痛みます。こんな時何科を受診すればよろしいでしょうか。8年位前から左耳は耳鳴り(高音)がずっと続いております。血圧とコレストロールは正常範囲です。肥満(身長150センチ、体重50キロ)
A ご質問の範囲からでは軽度の三叉神経痛を疑います。症状が不快でお困りでしたら神経内科の受診をお勧めします。片側の耳鳴りについては耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。いずれの症状も脳卒中との関連は薄いものと思われます。
Q.29 脳卒中に3種類あると言うことが初めて分かりました。日常的に塩分を摂るのが多い北陸・東北の方がおおいというイメージでしたが、沖縄の多くなっているのは原因があるのでしょうか。普段どのように注意をしたらいいのでしょうか。
A 生活習慣における一般的な注意事項は脳卒中予防十か条をご参照下さい。沖縄県の脳卒中には、本邦の中でも際立った特徴があります。それは中年男性の脳出血が多いことです。原因はいくつか挙げられます。肥満が多いこと(沖縄県の肥満率は男女とも全国一)、検診で高血圧などの生活習慣病を指摘されても継続的な治療を受けていないこと、不適切な飲酒習慣などです。飲酒習慣や食生活を見直し、運動習慣を獲得し、検診などで指摘された生活習慣病の治療を「継続」することが大切です。
Q.30 低血圧は問題でしょうか?
A 低血圧そのものは脳卒中の危険因子とはなりません。
Q.31 63歳になる主人のことですが、半年前に胸に痛みを感じ病院を受診したら、不整脈で心房細動と言われ、現在薬を飲んでいますが、血圧も110/70と食事も気をつけている方です。アルコール・タバコも吸いません。生活も規則正しい方だと思います。朝5時30分起床で夜10時〜11時には床に着く。スポーツも好きで、常にウオーキングを心がけています。そのような人ですが、心房細動の人でも脳血栓になる事もあるのでしょうか。今後注意することはどのような事でしょうか。
A 心房細動は脳梗塞の一種である心原性脳塞栓症の重要な原因のひとつです。薬物療法を含めた継続的な治療が必要です。心房細動の発症原因は高血圧以外にも心臓弁膜症や肺気腫など様々です。注意事項はこれら原因によっても異なると思われますので、この場での回答は控えたいと思います。是非、主治医の先生にご確認下さい。
Q.32 父は、7年前(82歳)で不整脈による脳梗塞を起こし毎年再発しています。最初のころはまじめにリハビリをしていましたが、だんだんやらなくなりました。眠気や無気力(うつ)の症状がひどく介護する自分達も気持ちが沈んでいます。脳梗塞の再発を防ぎ、やる気を起こすにはどのような注意が必要なのか教えて欲しいと思います。
A 生活習慣における再発予防の注意事項は脳卒中予防十か条をご参照下さい。脳梗塞の再発予防について、既に何らかの薬物療法を続けられていると思われます。その内容や方針について主治医の先生に説明を求めてください。「やる気の低下」は脳卒中の大切な後遺症です。やる気を回復させる方法にはいくつかあります。ひとつは介護保険による通院理学療法の活用があります。もうひとつは薬物療法として脳循環代謝改善薬や抗うつ薬の服用があげられます。高齢の方ですので、認知症の合併も鑑別する必要があります。