沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 11月号

最近の結核について
〜高齢者結核を中心に〜

国立病院機構 沖縄病院 呼吸器内科1) 琉球大学 第一内科2)
久場 睦夫1)、大湾 勤子1)、仲本 敦1)、藤田 香織1)2)、知花 賢治1)2)、上 若生1)2)

【要旨】

本県の最近数年間の結核罹患率は約17 〜 20 とほぼ同様な発生頻度で推移して いる。2011 年の登録状況は半数強を70 歳以上の高齢者が占め、発見動機は医療機 関受診発見が過半数で最も多く、1/3 強が喀痰塗抹陽性である。発見の遅れは全国 平均とほぼ同等であるが、死亡率の増加傾向がみられる。沖縄病院における入院肺 結核患者の検討結果は、70 歳以上の高齢者が60%を占め、この高齢群の発見動機 は呼吸器症状のない発熱・食欲不振・体重減少等の非特異的な全身症状が最も多く、 画像所見は70%が空洞を欠き、15%が下肺野主体であった。22%が死亡し、その 約90%が70 歳以上で非結核死が多かったが、結核死例でみると軽快例に比し診断 の遅れが有意に長かった。また全肺結核の診断の遅れを高齢群と非高齢群で比較す ると高齢群で有意に長くなっていた。高齢者結核は発症症状、画像所見とも結核に 非特徴的な所見を呈する事が多く、高齢者の体調変化の診療に際しては呼吸器症状 にとらわれる事なく、結核も念頭におくことが重要である。

【はじめに】

本県を含めた我が国の結核は、一時的な増加 がみられた時期もあったがほぼ一貫して減少 してきている。とはいえその罹患率の減少速度 は2010 年度4.2%、2011 年度2.7%と、理想 とされる年間6%に届かず、年々鈍化しており、 2011 年の罹患率は17.7(本県は19.2)と未だ に中蔓延国である1)。本県はというと最近数年 間の罹患率は概ね18 〜 20 で推移し、まだま だ横ばい状態といったところで油断ならない 状況にある。時代の変遷と共に結核の疫学も変 化がみられ、現状に即した対応、対策が求めら れる。今回、最近の結核について、主として自 験症例を通して検討した結果を報告すると共 に、特に最近増えている高齢者結核に焦点をあ て、その特徴点、喚起すべき点等について述べたい。

【本県の結核患者の新規登録状況2)

最近の本県における結核新登録者数・罹患 率は2008 年277 人・20.1、2009 年235 人・ 17.0、2010 年260 人・18.7、2011 年269 人・ 19.2、2012 年295 人・20.9 3)と横這い状態で ある。年齢構成別には70 歳以上(以下高齢層) の占める割合が2007 年の52.0 % から2011 年は58.4%と増加、80 歳以上も23.8 % から 30.5%と超高齢層も一層増加している。全国で は70 歳以上は2007 年47.9%、2011 年53.8% であり、本県は高齢化がさらに進んでいる。発 見方法は有症状で医療機関受診発見が最も多く 半数強を占め、次いで医療機関受療中発見が 30%前後、検診・健診発見は10%強であった。  合併症のうち糖尿病は15%前後で推移し、 2011 年でみると14.5%で全国平均13.7%に比 し高い傾向がみられる。HIV 合併例は3 年連 続みられない。外国人結核は3 〜 4 人(2011年1.5%:全国4.1%)である。結核死亡率は 2009 年1.5(10 万対)、2011 年2.7(全国1.7) と増加傾向がみられる。感染性のある症例す なわち喀痰結核菌塗抹陽性例は、2011 年88 例・33.7%(全国35.0%)であった。年代別で は69 歳以下32.1%(全国18.7%)、70 歳以上 33.1%(全国37.3%)で本県では非高齢層で喀 痰塗抹陽性例が全国に比し多かった。

受診の遅れ(症状発現〜受診)は2011 年で、 2 ヶ月以上の遅れが13.4%(全国18.6%)、診 断の遅れ(初診〜診断)1 ヶ月以上は29.5%(全 国22.7%)、発見の遅れ(症状発現〜診断)は 12.8%(全国19.4%)が3 ヶ月以上かかってい た。30 歳〜 59 歳の2 ヶ月以上の受診の遅れは 25%と他年代に比し最も高くなっており、比較 的若年者の有症状時早期受診のさらなる啓発が望まれる。

【沖縄病院の結核】

最近の沖縄病院結核入院患者についてみる と、2011 年の入院患者数は103 例で、年齢構成 は70 歳以上が61 例・59.2%であった。70 歳以 上が占める割合は、1990 年は25.7%、1999 年 39.4%であり、近年明らかに増加してきている。

ここで最近3 年間の結核患者について検討し た(2 群間の有意差検定はt- 検定、χ 2、マン ホイットニーU 検定を用い危険率5%未満にて 有意差ありとした)。

2009 年1 月1 日から2011 年12 月31 日ま での3 年間に入院した患者数は305 例(男性 193 例・63.3 %、女性112 例・36.7 %) であ った。年齢は70 歳以上が183 例・60.0%を占 めていた(図1)。結核の疾患別内訳は肺結核 が301 例・98.7%と大多数でその他、粟粒結核 17 例・5.6%、結核性胸膜炎12 例・3.9%等で あった(表1)。発見動機は咳(36.7%)、発熱 (35.7%)が多く、その他、食欲不振(7.5%)、 体重減少(6.6%)、他疾患治療中発見(6.2%)、 検診(5.9%)等であった(表2)。発見動機を 70 歳以上群(以下高齢群)と69 歳以下(以下 非高齢群)に分けてみると、肺結核301 例(高 齢群180 例、非高齢群121 例)中、咳、息切れ、胸痛等の呼吸器症状のみられた例は非高齢群で 62.0%にみられたのに対し、高齢群では36.1% と少なかった。一方発熱や食欲不振、体重減少 等の呼吸器症状以外の症状で発見された例は非 高齢群で18.2%、高齢群で48.3%と高齢群で 明らかに多かった(P < 0.01)(表3)。検診発 見例は非高齢群で18.2%、高齢群で13.8%と 非高齢群で多い傾向にあった。

図1.

図1. 結核・入院患者数(2009 年、2010 年、2011 年)


表1. 結核入院症例(305 例):診断名(重複あり)

表1.

表2. 発見動機(重複あり)

表2.

表3. 発見動機(年齢別)

表3.

肺結核の画像所見:病型はT型5 例・1.7%、 U型102 例・34.0%、V型192 例・64.3%とV 型が多かったが、これを高齢群と非高齢群に分 けてみると、TU型:有空洞例は非高齢群で56 例46.3%に対し高齢群では51 例・28.3%と 非高齢群で有意に多かった。逆にV型:非空洞 例は非高齢群で約半数53.7%に対し高齢群で は71.7%と圧倒的に多かった(P < 0.01)(表4)。

表4. 病型

表4.

結核病変の広がりについては、広がり2、 3 は両群間で差がなかったが、1 が非高齢群 23.1%に対し高齢群では13.3%と非高齢群で有 意に多かった(P < 0.05)。

述べたように、高齢群では非空洞例が多かっ たが、肺結核の画像所見としては非典型的所見 の下肺野結核について検討した。2011 年にお いて下肺野結核すなわち病変が肺門より下位 (S6a を除く下葉、中葉、舌区)にのみ存在す る肺結核症例は肺結核102 例中、8 例・7.8% 認められた。病型は有空洞例はU型の1 例のみ で他はV型であった。年代別では全て60 歳代 以上であり8 例中7 例が70 歳代以上であった。 70 歳以上では61 例中7 例11.5%の頻度で、女 性が5 例と多かった(表5. 図2. 図3)。

表5. 下肺野結核

表5.

図2.

図2. 下肺野結核
88 歳男性:腰椎圧迫骨折で入院
右下肺野に浸潤様陰影を認める


図3.

図3. 下肺野結核
88 歳男性:右下葉に非空洞性の陰影を認める

喀痰塗抹検査では全体で78.3%が塗抹陽性 であったが、非高齢群で76.7 %、高齢群で79.4%、と差はなかった。塗抹号数別にみると G-1 で非高齢群11%、高齢群22%と高齢群に 多くみられた(P < 0.05)。

発見の遅れについてみると、症状出現から 受診まで期間、即ち受診の遅れは69 歳以下で は66.3 ± 110.0 日に対し70 歳以上では21.2± 51.6 日と高齢群で比較的速やかに受診がなさ れていた(P < 0.01)。しかし受診から診断まで 即ち診断の遅れは69 歳以下9.0 ± 23.6 日、70 歳以上16.0 ± 23.7 日と高齢群では診断の遅れが長かった(P < 0.01)。

基礎疾患については肺結核301 例中203 例・ 67.4%が何等かの基礎疾患を有しており、その内 訳は糖尿病52 例・17.3%をトップに脳血管障害 42 例・14.0%、認知症26 例・8.6%、慢性心不全 18 例・6.0%、虚血性心疾患17 例・5.6%、悪性 腫瘍17 例・5.6%等多岐にわたっていた(表6)

表6. 基礎疾患(肺結核301 例)

表6.

基礎疾患有りを非高齢群、高齢群でみると其々 49.6%、83.9%と有意に高齢群で多かった(P< 0.01)(表6)。全身状態・栄養状態(表7)をみ ると臥床状態のPS(performance status・全身状 態)4 は69 歳以下では9.5%に対し70 歳以上で は40.0%を占めていた(P< 0.01)。栄養状態の指 標となるアルブミン値で3.0/dl 未満を占める割 合は69 歳以下14.3%、70 歳以上37.3%と高齢群 で有意に多かった(P< 0.05)

表7. 全身状態・栄養状態(2011 年)

表7.

肺結核の化学療法のレジメンはHREZ(イ ソニアジド、リファンピシン、エタンブトール、 ピラジナミド)が最も多く133 例44.2%を占め、 次いでHRE(イソニアジド、リファンピシン、 エタンブトール)97 例32.2%で結核のキー治 療となるINH(イソニアジド)、RFP(リファンピシン)(HR)併用を含む化学療法は275 例 91.4%を占めたが、他の26 例はINH,RFP 併 用を行いえなかった。その理由は副作用が16 例、重症短期死亡(2 〜 25 日、平均8.0 日) が8 例、耐性2 例であった。このうち2 例は 重症のため化療が不可であった(入院9 日目、 11 日目に死亡)。

これらHR 不可例を非高齢群、高齢群に分け てみると、非高齢群で6 例(121 例中5.0%)、 高齢群で20 例(180 例中11.1%)であり、理 由は非高齢群では重症短期死亡3 例、副作用2 例、耐性1 例、高齢群では重症短期死亡5 例、 副作用14 例、耐性1 例であり、高齢群では副 作用による使用不可例の比率が6.6%と非高齢 群の1.7%に比し有意に高かった(P < 0.05)。

化学療法に伴う副作用をみると、重症短期 死亡(2 〜 25 日・平均8 ± 7.6 日)のため副作 用の判定不能な8 例を除く293 例中、副作用 は110 例37.5%にみられ、このうち最も多い のは肝障害で58 例19.8%、次いで皮疹33 例 11.3%であった(表8)。年齢でみると、非高齢群で118 例中・48 例40.7%、高齢群で175 例中62 例・35.4%と非高齢群に多い傾向にあ った(表8)が、副作用のため治療を中断し た例は非高齢群20 例・16.9%、高齢群37 例・ 20.8%と高齢群で多い傾向にあった。

表8. 副作用(293 例中)

表8.

重症短期死亡8 例を除く293 例中、治療中断 を余儀なくされた症例は、非高齢群で118 例中 20 例16.9%、高齢群で175 例中48 例27.4% と高齢群で多く(P < 0.05)、重症・併存疾患に よる中断は非高齢群では皆無であったが、高齢 群では12 例6.9%にみられた(P < 0.01)。

化学療法遂行例での菌陰性化までの期間は 非高齢群、高齢群とも約90%で2 ヶ月目に陰 性化し、両群に差はなかったが、軽快例での 入院期間は非高齢群31 日〜 151 日平均67.2± 48.7 日、高齢群では1 〜 277 日平均109.9± 79.5 日と高齢群で延長していた(P < 0.01)。 化学療法を終了した軽快例96 例において治療 期間をみると、非高齢群では7.3 ± 1.9 ヶ月、 高齢群は9.1 ± 3.1 と高齢群で有意に長くなっ ていた(P < 0.01)。

転機は肺結核301 例中、236 例78.4%は軽 快・改善がみられたが、65 例21.6%は死亡し た。死亡例の中では結核死が最も多く、20 例 30.8%を占め、非結核死は誤嚥性肺炎、心不 全等多岐にわたっていた(表9)。死亡例を非 高齢群、高齢群にわけてみると、非高齢群で は121 例中7 例5.8%であり、一方高齢群では 180 例中58 例32.2%を占めていた(P < 0.01)。 両群で死因をみると結核死は非高齢群では6 例 4.9%、高齢群では14 例7.8%と有意差はなか ったが、非結核死は非高齢群で0.8%に対し、 高齢群では24.4%と高齢群ではあきらかに非 結核死が多かった(P < 0.01)(表9)。高齢群において軽快例(114 例)と結核死例(14 例) を受診の遅れで比較すると、各々24.1 ± 58.8 日と29 ± 49.8 日と有意差を認めなかったが、 診断の遅れは各々14.5 ± 23.4 日、22.4±32.1 日と結核死例で有意に長かった(P < 0.05)

表9.死亡例

表9.

【最近の結核に関する考察及びまとめ】

我が国の結核は1950 年代から大きく減少してきているが、その減少速度は当初、年間約10% ずつ減ってきていたのが、1980 年代から鈍化し 近年は年約4%から2%台の減少で推移し、減少 率の改善はみられず、むしろ悪化傾向にある。

本邦の結核の最近の特徴としては高齢層の増 加、都市部の貧困層における高罹患率といった 地域格差、若年層における外国人結核の増加、 潜在性結核感染症(LTBI)の増加等があげら れている。2011 年は22,681 人が新規登録され ており、罹患率は17.7 で、47.9%を70 歳以上 が占めている1)。本県をみると、先述したよう にここ数年横ばい状態で、2012 年は295 人の 新規患者(罹患率20.9)をみており3)、2009 年より漸次増加、2008 年の277 人・罹患率 20.1 を上回っている。2011 年の本県の70 歳以 上を占める割合は58.4%を占め、全国平均を 大きく上回っている2)

入院を要する症例について、沖縄病院の結核 症例を検討すると、高齢層がやはり増加してき ており、最近3 年間の70 歳以上症例は60.0% を占めていた。高齢結核患者の特徴として、呼 吸器症状を呈さないことが多く空洞例が少な い、このため診断が遅れる傾向にある、合併症 併存例・PS 不良例が多く、治療に難渋する、 死亡例が多い、などが挙げられる4)5)6)。当院 における70 歳以上(高齢群)と69 歳以下(非 高齢群)での比較検討結果をまとめると、高齢 群においては呼吸器症状以外を契機に発見され る例が多い、画像所見は非空洞例が多くまた下 肺野結核が10%近くにみられる、基礎疾患を 有する例が多くPS 不良例が多い、受診の遅れ は短い傾向にあったが診断の遅れが長い、副作 用や合併症のため治療中断が多く治療期間が有 意に長い、死亡例の約90%を占め非結核死例 が多い、と要約され、これまでの報告とほぼ同 様な結果であった。述べたように高齢者結核で は診断・治療両面において困難性があるが、発 見の遅れでみた場合、高齢群では非高齢群に比 し受診の遅れは短かいものの診断の遅れが明ら かに長かった。また結核死症例についても軽快 例に比べ診断の遅れが有意に長くなっていた。 結核死の要因として様々な複合因子の関連が考えられるが、診断の遅れも大きな要因である可 能性を否定できない。結核感染の連鎖を断ち切 るためにも、結核死を防ぐためにもやはり早期 診断は重要である。

肺結核の診断上重要な画像所見についての 自験症例検討でも高齢群においては結核に特 徴とされる空洞や上肺野発生が優勢でなく、 ただちに結核とは想起しがたい症例が少なか らず存在した。下肺野結核の定義に合致する 症例は2011 年の肺結核102 例中8 例みられた が、7 例が70 歳以上であった。その他、下肺 野結核の定義にはあわないが、肺門より上位に は軽微な病変のみで大部分が下肺野に存在す る下肺野主体の結核症例が7 例みられた。こ れら下肺野に主座をおく症例7 例と下肺野結 核症例8 例を下肺野主体結核症例として検討 すると、この15 例(肺結核102 例中14.7%) は性別では男性9 例、女性6 例、年齢は69 歳 以下が4 例、70 歳以上が11 例、と高齢群が 73.3%をしめていた。空洞例は2 例のみで大 多数が非空洞例であった。すなわち胸部X 線 でみた所見は画像にて直ちに結核を想起させ るものではないと考えられる像であった。下 肺野結核は肺結核の7 〜 12%の頻度でみられ、 非空洞、女性、高齢者に多い、等の特徴が指 摘されており、高齢者に多いのは免疫能低下、 下葉における比較的高い換気/ 血流比および 肺胞酸素分圧、再感染による初感染結核病巣 形成による、等が考えられている7)8)。高齢者 肺結核は発症時、呼吸器症状を呈さない症例 が多いことは提示した通りであるが、画像上 も結核に特徴的所見を呈さない例が稀ならず みられる事も念頭におくことが重要と考えら れる。結核診断に関して、2011 年度の本県に おける受診の遅れは、2 ヶ月以上の遅れの占め る割合は全国の17.79%に対し本県は13.42%と良好であるが、診断の遅れ1 ヶ月以上は全 国23.47%に比し本県は29.53%と遅れる傾向 にある。高齢者の診療に際しては、発熱、食 欲不振、全身倦怠感などがみられた場合、呼 吸器症状の有無にとらわれず、また結核に特 徴的な画像所見を呈さずとも結核も念頭に喀 痰抗酸菌検査などの診断操作を進めていくこ とが重要と考える。

【おわりに】

結核はまだまだ少なくない疾患である。年代 的には高齢層へのシフトが進んでおり、自覚的 にも他覚的にも結核に典型的な所見を呈さない 事が多くみられる。高齢者の診療に際しては、 定期的胸部X 線検査を欠かさず、また呼吸器 症状時以外にも全身的な変調をきたした場合の 診療に際しては結核の存在も念頭に診ていくこ とが重要である。

【文献】
1) 結核研究所疫学情報センター:結核年報2011(1)結 核発生動向・外国人結核. 結核。2013;88:571- 576
2) 平成24 年度沖縄県結核サーベイランス委員会:平成 23 年度沖縄県新規結核患者登録状況
3) 沖縄県健康増進課結核感染症班:沖縄県結核の現状 2013
4) 大森正子:高齢者結核の動向―結核サーベイランスよ りー. 結核.2010;85:882-884.
5) 川崎 剛:高齢者結核の臨床上の問題. 結核.2010; 85:888-890.
6) Carlos Perez-Guzman and Mario H.Vargas: Mycobacterial infection in the elderly. Seminars in respiratory and critical care medicine;2010:31: 575-586
7) Yoshihiro Kobayashi and Toshiharu Matsuhshia: Clnical analysis of recent lower lobe tuberculosis. J Infect Chemother 2003;9:272-275
8) 豊田丈夫:結核症の変貌に関する研究。結核、1990; 65:619-631



Q U E S T I O N !

次の問題に対し、ハガキ(本巻末綴じ)でご回答いただいた方で6割(5問中3問)以上正解した方に、 日医生涯教育講座0.5単位、1カリキュラムコード(46.咳・痰)を付与いたします。

問題

次の設問1 〜 5 に対して、○か×でお答え下さい。

  • 問1.我が国の結核の減少率は鈍化傾向が続 いており、年間6%程度で推移している。
  • 問2.本県の結核患者は約60%が70 歳以上である。
  • 問3.高齢者結核の発見動機は呼吸器症状のある例より呼吸器症状のない例が多い。
  • 問4.入院結核患者で化学療法の副作用は70歳以上群より69 歳以下群で多い傾向にある。
  • 問5.下肺野結核は高齢者で比較的多くみられるが、その成因の一つとして初感染病巣形成が考えられる。


CORRECT ANSWER! 8月号(Vol.49)の正解

膵癌外科治療の現況と展望
―自験例の検討を含めて

問題

膵癌の外科治療に関して、次の設問1 〜 5 に 対し、○か×でお答え下さい。

  • 問1.膵癌の切除率は向上し、50%以上に達している。
  • 問2.膵癌に対する外科切除術では、症例数が一定以上ある専門医のいる施設では合併症が少ない傾向があり、合併症発症後の管理も優れている(グレードB)。
  • 問3.本邦の専門施設での膵頭十二指腸切除術の手術死亡率は5%程度である。
  • 問4.Borderline resectable 膵癌とは、標準的な切除術では癌が遺残し、生存期間が延長しない可能性が高い局所進行膵癌である。
  • 問5.膵癌登録報告2007 によると、通常型膵癌の切除症例(1991 〜 2000 年)の生存期間中央値は12.5 ヵ月、5 年生存率は14.5%である。

正解 1.× 2.○ 3.× 4.○ 5.○