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なごみ会主催第3回 県民健康フェア

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

去る平成25 年8 月18 日(日)、沖縄コンベ ンションセンター展示場に於いて、県下の保健 医療関係17 団体で構成する沖縄県医療保健連 合(通称なごみ会)主催による標記フェアを開 催した。

第2 回の当フェアは平成24 年8 月19 日(日) に同会場で開催し、大変盛会であったことを受 け、平成24 年11 月7 日(水)に開催したな ごみ会幹事会に於いて、加盟団体より当フェア の継続開催の要望があり、全会一致で開催に向 け検討を進めることが決定された。

早速、平成25 年1 月24 日(木)に県民健 康フェア実行委員会を設置し、開催に向けて 種々議論を重ねた。3 月下旬には沖縄県保健医 療福祉事業団より前回同様、当フェアに共催と して運営資金の補助が可能との回答を頂き、同 事業団との共催で開催することになった。

当フェアについては、開催前日に沖縄近海に て台風が発生したこともあり、生憎の天候とな ったが、ステージイベント・各団体によるブースイベント・屋外イベントを展開し、約1,000 名の方々にご来場頂き、大変盛会であった。

ステージイベントでは、開会セレモニーの幕 開けとして、うらら保育園の園児20 名による エイサーの演舞があり、その後、当フェア参加 の17 団体の会長が登壇し、代表して沖縄県医 療保健連合 宮城信雄会長(代理:沖縄県医療 保健連合比嘉良喬副会長、沖縄県歯科医師会会 長)より概ね次のとおり挨拶があった。

比嘉良喬 沖縄県医療保健連合副会長
(沖縄県歯科医師会会長)

比嘉良喬

当フェアは健康おき なわ21 の基本理念「県 民が健康長寿を維持継 承し、生きがいに満ち た豊かな人生を送るこ とが大切である」に基 づき、県民の健康づく りについて専門的な立場から県民の健康福祉の向上を図ることを目的に、各団体の専門とする 医療、健康に関する催し物を合同で行う県内最 大のイベントである。

皆さんも既にご承知のとおり、先般、平成 22 年度の都道府県別平均寿命において、沖縄 県の平均寿命は女性が1 位から3 位に、男性は 25 位から30 位と後退した。特に20 歳から64 歳までの青壮年層で、急性心筋梗塞、慢性肝疾 患などの生活習慣病に起因する死亡率が高い状 況にある。

また、今年1 月に県福祉保健部が発表した「平 成23 年度県民健康・栄養調査」では、メタボ リックシンドロームの該当者とその予備軍が県 内の40 歳以上の男性の3 人に2 人、女性の3 人に1 人となり、40 歳以上の全世代で全国平 均を上回っていることが明らかになり、沖縄県 民の健康問題は、極めて危機的状況であると言える。

かかる状況に鑑み、今回、沖縄県医療保健連 合傘下の全17 団体が一堂に会し、各団体のブ ースにおいて、各種健康相談や指導、骨密度測 定、体験コーナー、ポスター展示を企画すると 共に、屋外でマンモグラフィー検診車の展示を行う。

主催者として、当県民健康フェアを機に、県 民1 人ひとりが各自の健康を考え、健康に対す る意識改革の動機づけとなることを期待してい る。私どもは、今後とも県民の健康をサポート すべく、「なごみ会」として、或いは個々の団 体において様々な計画を実践していく所存であ るので、長寿県復活に向け県民一丸となって頑 張ろう。

引き続き、沖縄県保健医療福祉事業団 新垣 郁男専務理事より以下のとおり共催団体のご挨 拶があった。

新垣郁男 沖縄県保健医療福祉事業団専務理事

新垣郁男

本日はお忙しい中、 「第3 回 県民健康フェ ア2013」に多くの皆様 のご参加をいただき、 誠にありがとうござい ます。共催団体と致し まして、一言ご挨拶申 し上げます。

本フェアは、医療、保健に携わる17 の団体 が一堂に会し、各分野の専門家による健康相談 をはじめ、健康情報の提供、各種検査や測定に よる健康チェックなどにより、自分に合った健 康づくりの手掛かりが得られる非常に貴重な機 会であります。

皆様も既にご承知のとおり、今年2 月に発表 されました2010 年都道府県別生命表において、 沖縄県は1975 年の統計以来、初めて女性の平 均寿命が1 位から3 位へ後退し、男性も25 位 から30 位となり、由々しき事態となっております。

このような状況は、20 歳から64 歳の働く世 代で、心筋梗塞や脳血管疾患、糖尿病などの生 活習慣病による死亡率が高くなっていることが 原因となっております。

生活習慣病は、不健全な生活が積み重なって 起こるものであり、なかでも、内臓脂肪の蓄 積による肥満は、その誘因となっております。 残念なことに沖縄県は、肥満比率ランキングで も全国ワースト1 という憂慮すべき状態にあり ます。生活習慣の改善には、「バランスの良い 食事」と「適切な運動」が重要であり、これを 実践していくことが「長寿県おきなわ」の復活 に繋がっていくものと考えております。

しかしながら、単なる長寿ではなく、生涯健 康で、こころ豊かな日常生活を送ることが肝要 であると思います。今こそ、県民一人ひとりが 健康の大切さを認識し、本日のテーマである「い つまでも、体いきいき健康づくり」に主体的に 取り組んでまいりましょう。

私共、沖縄県保健医療福祉事業団では、健康 的な生活習慣が実践できるように食生活、運動、休養・こころの健康づくりに関する情報の提供、 市町村や団体が行う健康づくり実践活動への助 成など県民の保健及び医療の向上と福祉の増進 のため、諸事業を実施してまいりました。今後 とも、従来にも増して積極的に様々な事業を展 開していきたいと考えております。

最後になりましたが、本フェアの開催にご尽 力くださいましたなごみ会をはじめ、多くの関 係者の皆様に心より感謝を申し上げ、私の挨拶 といたします。

引き続き、沖縄県福祉保健部 崎山八郎部長 より以下のとおり来賓祝辞のご挨拶があった。

崎山八郎 沖縄県福祉保健部部長

崎山八郎

はいさい、ぐすーよ ー、ちゃーがんじゅー やみしぇーみさい。沖 縄県医療保健連合「な ごみ会」主催による「第 3 回 県民健康フェア 2013」の開催にあたり、 一言、御挨拶申し上げます。

このたび、「なごみ会」傘下の17 団体が参加 し、県民への健康増進の啓発、健康寿命の延伸 に資することを目的に「県民健康フェア」が開 催されますことを心からお喜び申し上げます。

この県民健康フェアでは、ブースイベントに おいて、各医療団体が専門的な立場から、生活 習慣病相談、禁煙指導、フッ素洗口体験、栄養 相談及び体力測定・運動相談コーナーの他、ステージでは「ゆうりきやー」さんによるお笑いコ ント、屋外ではドクターヘリの展示などの趣向 が凝らされたプログラムが用意されております。

県民の皆さまには、各イベントを通して楽し みながら「健康づくり」に関心を持っていただ き、今後の生活習慣改善に取り組む良い機会と なるものと期待しております。

御来場の皆様もご存じのとおり、2 月に発表 された都道府県別平均寿命で、沖縄県の女性は、 前回の1 位から3 位に後退し、男性は、前回の 25 位から30 位に順位が下がりました。

独特の食文化や風土に支えられ、健康・長寿県 として知られてきた沖縄が危機に瀕しています。

「なごみ会」におかれましては、今後とも継続 的に「県民健康フェア」を開催していただき、県 の医療、保健及び福祉行政、健康づくり施策に対 し、御協力を賜りますようお願いいたします。

また、県民の皆様におかれましては、ご自分 やご家族の健康づくりを通して、県、市町村及 び医療・保健関係団体等と共に健康・長寿沖縄 の復活への取り組みに御参加いただきますよう お願いいたします。

終わりに、今回の「県民健康フェア」が成功 裏に終了するとともに、沖縄県医療保健連合「な ごみ会」加盟団体の皆様の御活躍と、ご来場の 県民の皆様の御健勝を祈念申し上げ、あいさつ といたします。

続いてお笑いコンビ「ゆうりきやー」による 大爆笑コントが行われ、会場全体を盛り上げて くれた。コント終了後には来場者が楽しくブースイベントに参加できるよう、ゆうりきやーが 各ブースを回り来場者と一緒に体験して頂いた。

頸動脈流エコー検査(沖縄県医師会)

心肺蘇生体験コーナー(沖縄県医師会)

団体毎に設置したブースイベントでは、ポス ター展示、健康相談・指導、骨密度測定や頸動 脈エコー検査等のほか、各種体験コーナーを展 開した。また、浦添総合病院からはドクターヘ リ・ドクターカーの活動を紹介するブースを設 置した。

屋外イベントとしては、浦添総合病院のドク ターヘリ、ドクターカーを展示する予定となっ ていたが、機体整備のため、中止となった。

その他、会場入り口横には那覇市医師会生活 習慣病検診センターの乳房X 線(マンモグラ フィ)検診車を展示し、その役割等について県 民へ広く周知を図った。

本会のブースでは、心肺蘇生の体験指導並び に健康相談指導のコーナー、頸動脈エコー検査 を設けた。心肺蘇生体験では新垣宜貞先生(南部徳洲会病院)と小生が来場者に対しAED を 使用した心肺蘇生指導を行った。健康相談指導 においては白井和美先生(白井クリニック)、崎 原永辰先生(那覇市医師会生活習慣病検診セン ター)にご協力ただき、健康相談にご対応頂いた。 頸動脈エコー検査については、コメディカルの 方にも御協力頂き、問診から、エコー検査、診 察を一括して行った。早期治療が必要な方へは 近隣の医療機関への紹介状を渡すなど、早期受 診(精密検査)を促した。今回頸動脈エコー検 査を取り入れることで、前回に比べ医師会ブー スを利用する来場者が多く大変好評であった。

当フェアの開催に御賛同いただき、ご協力い ただきました会員及び関係者又、本会ブースに 於いて、来場者に対し心肺蘇生の体験指導、健 康相談・指導、頸動脈エコー検査にご協力をい ただいた新垣先生、白井先生、崎原先生、石川 先生へ改めて感謝申し上げる。


ステージイベント

子どもエイサー

大爆笑!? コントお笑いコンビゆうりきや〜

各ブースの催し物

会場風景

健康チェックとお薬相談会(沖縄県薬剤師会)

フードモデルによる食事チェック(沖縄県栄養士会)

テーピング実技(沖縄県柔道整復師会)

野外イベント

遊具ふぁふぁ

マンモグラフィ検診車