理事 玉井 修
式 次 第
司会 沖縄県医師会理事 玉井 修
1. 開 会 司 会
2. 挨 拶 沖縄県医師会長 宮城信雄
3. 懇 談 座長 沖縄県医師会理事 玉井 修
1)緩和ケアについて
社会医療法人 友愛会 南部病院 麻酔科副部長
ペインクリニック緩和ケア担当 笹良 剛史2)緩和ケアの現場で、医師の立場から
独立行政法人 国立病院機構 沖縄病院
緩和医療科医長 大湾 勤子3)緩和ケアの現場で、看護師の立場から
独立行政法人 国立病院機構 沖縄病院
緩和ケア認定看護師 奥間かおり4)緩和ケアについて患者家族の立場から
石川 瞳4. 質疑応答
5. 閉 会 司 会
平成25 年2 月17 日(日曜日)午後2:00 より沖縄県医師会館3 階ホールにおいて緩和ケ アについて考える県民との懇談会が開催されま した。県民との懇談会は平成21 年からオープ ン参加形式になり、誰でも参加出来る形をとり 4 回目となります。これまでのテーマは、尊厳 死、臓器移植、看とり、そして今回の緩和ケア と、やや重いテーマを取り上げてきました。
先日、麻生太郎氏が自分の死生観を「逝くと きは、さっさと逝かせてくれないと困る」とい う表現で記者に話した事が新聞に掲載され、不 適当な表現として大バッシングを受けておりま した。しかし、僕はこの様な議論を率直に出来 ない事の方が不健全な事に思えてしまうので す。確かにデリケートなテーマなのはよくわか りますが、人の死に関わる様々な事について率 直に、普通に議論できる場がもっと必要だと思 うのです。
人は生まれてきたからには、いずれ必ず死ぬ という当たり前の事を真っ正面から考え、死に至るプロセスの中で何を考えるか、家族とどの様 な事を語りあうのか、そして遺族はどの様にそ の日を迎え、逝ってしまった人を思うのか。様々 な事を考えさせられる懇談会でした。懇談会終 了後の雑談の中で、緩和ケアを受けた家族の立 場からご発言頂いた石川様から、家族が死に至 る時に医療人を含む多くの人の手を借りる事は悪いことではないというお話しをうかがいまし た。家族の死にあって、家族が孤立し、自らを 追い詰めてしまう事になれば、死は寂しく辛い だけのものになってしまいます。もっと率直に、 普通に語り合える雰囲気が社会の中で熟成され る必要があると思います。今後もこの様な懇談 会を継続して開催していこうと思っています。
社会医療法人 友愛会
南部病院 麻酔科副部長
ペインクリニック緩和ケア担当
笹良 剛史
・ がんは二人に一人がかかる身近な病気にな り、生活環境や死生観も変わる中で、治療も 進歩し多様になっています。
・ 世界保健機関(WHO)では「緩和ケアは緩 和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題 に直面している患者と家族の痛み、その他の 身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題 を早期に同定し、適切に評価し対応すること を通して、苦痛(suffering)を予防し緩和す ることにより、患者と家族のQuality Of Life を改善する取り組みである」と定義しており、 診断時から最期の看取りまで、患者と家族の 辛さをとり、希望をかなえるための積極的な 治療と考えられるようになっています。
・ がんに伴う苦痛とは:痛み、息苦しさ、吐き 気、だるさ、食欲不振、むくみなどの身体的苦痛の他に、うつや不安などの精神・心理的 苦痛、休職や治療費用の問題等の社会的苦痛、 生きる意味、自分の存在価値等の悩みを抱え るスピリチュアルな苦痛などがあります。身 体の痛み約8割はWHO 方式という医療用麻 薬性鎮痛薬を正しく使う事で緩和出来ます。
・ 自己決定の問題と心の辛さ:以前は、がんの 告知は避けられてきました。しかし「悪い話 でも聞きたい」という人が大多数で、真実を 隠すことが本人、家族の不利益になるため、 今では本人に情報をきちんと伝え、治療選択 をしていただくようになりました。しかし、 医師が配慮に欠けた告知をしたり、難しい治 療選択を患者さんに急に選ばせたりした場合 などに、精神的な苦痛が続く場合もあります。 家族も同様に不安や辛さを抱えます。
悪い病気や「死」と向き合う心の辛さを和 らげ、自分の本当に望む治療や生き方をきめ る意思決定を支えるのも緩和ケアの役割のひ とつで、サイコオンコロジーという分野です。
緩和ケアはどこで?誰が?いつから行うのでしょうか?: がん対策基本法が制定され、が んと診断されたその時から患者とその家族が 適切な緩和ケアをどこでも受けられるように 改善して行く事が定められました。医師向け 緩和ケア研修会が全国で行われ、緩和ケアは 1)病院2)緩和ケア病棟3)在宅緩和ケアで受け ることができます。
・ 病院でうける緩和ケア:医療用麻薬による痛 みの治療、抗がん剤の副作用の緩和などの緩 和ケアは研修を終了している主治医が提供します。
・ 緩和ケアチーム:なかなかとれない苦痛や症 状、悩みには、専門的な緩和ケアを提供する 緩和ケアチームや緩和ケア外来に紹介されま す。緩和ケアチームはがん拠点病院等にあり、 緩和ケア担当の医師、専門の看護師、薬剤師、 ソーシャルワーカー、心理士、リハビリ療法 士、栄養士などの多職種で構成され、主治医 を手助けします。患者自らが主治医に相談し がん治療と併行して緩和ケア担当医の外来を 受診する事も可能です。
・ 緩和ケア病棟:緩和ケアの認定専門施設であ り、沖縄県内に4施設あります。終末期の患 者と家族が安心してすごせるよう苦痛と苦悩 の緩和を行い、最期の看取りまで生きる事を 支えます。苦痛を伴うがん治療や延命治療は 行ないません。最近は在宅療養に移行したり、 緩和ケアを受けて楽になったあとに抗がん治 療に復帰したりする人も増えており、多様化 するがん治療を支える役割や在宅療養支援の 役割も担います。
・ 在宅で受ける緩和ケアは、訪問看護師、在宅 療養支援診療所の医師が訪問し、緩和治療を 行ない、家での生活と希望を支えます。がん 患者の場合は医療保険と介護保険が同時に使 え、食事や入浴などのサ?ビスも利用できる ので入院中にソーシャルワーカーやケアマネ ージャにも相談し介護保険を申請しましょ う。最期はどこでどのように過ごしたいのか 事前に話し合う事(アドバンス・ケアプラン) が大切です。
・ 緩和ケアはいつから始めるか:緩和ケアは終 末期ケアのみではありません。抗がん治療を 開始する時期から緩和ケアを受けると、自分 にあった無理の無い治療と落ち着いた生活を 過ごせ、結果的に寿命が延びることがわかり ました。困ったとき、苦しい時には迷わず緩 和ケアの相談をして下さい。
独立行政法人 国立病院機構
沖縄病院 緩和医療科医長
大湾 勤子
「暖和(だんわ)ケアって聞いたことがあり ますけど、よくわかりません」と、緩和(かんわ) 外来で、あるご家族からたずねられたことがあ ります。漢字も似ていますが、「暖かくで和や かな」雰囲気が緩和ケアのイメージに合ってい たのだと思いました。緩和ケアは、病気が診断 されたときから、治療中、そして病気が進んで 治すことが難しくなった場合のすべての過程で 経験する、身体や心の「つらさ」をやわらげる ことを目標とします。現場では、医師、看護師、 薬剤師、栄養士、理学療法士、心理士、ソーシ ャルワーカーなど、それぞれが専門の立場で知 恵を出し合って、「緩和チーム」としてかかわり、 患者さんやご家族が、暖かく和やかに身も心も 癒されるよう努めています。そして、病院でも 在宅でも緩和ケアは受けられます。
チームの一員である医師の立場でまず行うこ とは、病気に伴っておこる痛みやだるさ、食欲 不振、息苦しさ、眠れないなどの身体のつらさ について調べ、対処することです。問題がどこ にあるのか、その症状の原因をさがし、その人 にあった治療を行います。緩和ケア病棟では、 抗がん剤の治療はしませんが、症状に応じて医 療用麻薬を含む薬剤や、酸素吸入、点滴などの 治療を行います。なかには原因がわからないこ ともありますが、症状を緩和することで患者さ んは生活がしやすくなり、有意義な時間を過ご すことができるようになります。
また、病気の状態についてできるだけ正しく お伝えすることも医師の大事な役割だと考えています。自分の病状を知ることで、今後の治療 について心構えができますし、医療者と一緒に 治療方針を相談することができます。自分がど こにいるかわかると、目的地までどのようにし て行くかを道案内の医師や家族と一緒に道筋を たてて進むことができます。
病気の説明や治療を行うときにご家族の存在 はとても重要です。つらさの当事者でもあるご 家族ですが、現場では大きな戦力になっていま す。私たちは「人の力」の癒し効果を日々目の 当りにしています。医療者だけでも、家族だけ でも十分にはできないケアを、両者が補い合 うことによって、患者さんのQOL(生活の質) を支えていきたいと考えています。
緩和ケアは「その人らしく、よりよく生きる こと」を一緒に考えていくひとつの方法で、自 分ならどうしたいか、どうしてもらいたいかを 考える場を提供してくれます。
独立行政法人国立病院機構沖縄病院
緩和ケア認定看護師
奥間 かおり
「緩和ケア」から連想される言葉に、がんの 末期、最期の場所、痛み、苦しみなど、一般的 に悪いイメージを持っている方も多いと思いま す。緩和ケア病棟に入院された患者さんやご家 族の中には、「もうダメって言われたから…」「治 療ができないって。だからこの病棟に送られた んでしょ」などの言葉が聞かれます。確かに 緩和ケア病棟は看取りをすることも多いのです が、同時に積極的な症状コントロールをするところでもあり、化学療法の静養のために利用す る場所でもあります。
緩和ケア病棟に入院する患者さんの多くは痛 みや息苦しさ、だるさなどの身体のつらさや、 病気の進行や死の恐怖など心のつらさ抱えてい ます。家族も同様、それ以上につらさを感じて います。そのつらさに対して医師や看護師、薬 剤師、栄養士、心理士などのスタッフが積極的 な症状緩和を行います。
症状が緩和されると、険しかった表情に笑顔 がみられるようになり、今までのご自身の人生 や生き方について振り返ります。私たち看護師 は、療養中の支援を行いながら、患者家族が笑 顔を取り戻して、明るく朗らかで、平安に過ご されるよう患者さんとご家族に寄り添い、あな たらしさを支える手伝いをします。
緩和ケア病棟の看護師の役割は、患者さんや ご家族の思いに耳を傾けじっくりと聴くことで す。患者さん、ご家族のつらさや、苦しさを一 緒に共有して、看護ケアを提供できるように医 療スタッフや家族との橋渡しの役割をします。 患者さんの声になり伝えます。患者さんの手に なり足になり支えていきます。
がんと診断された時から、看取りの時、残さ れたご家族へのケアまでが緩和ケアです。二人 三脚で頑張ってこられたご家族へのケアも看護 師の大切な役割です。患者さんが亡くなられた 後、家族の方がいつでも相談できるよう繋がり を持つためのお手紙や、家族会を開催しお気持 ちをお聴きします。
人生の締めくくりについて、人任せにしてい ませんか?緩和ケア病棟でどう過ごしたいのか。 自分の生き方を自分で選択してください。その 症状が緩和された時、あなたはどんなことがし たいですか?どんな自分でありたいですか?
家族に伝えてください。感謝の言葉を。あな たの言葉が、残された家族の生きる支えになっていきます。
誰でもいいです。からだや心のつらさを話し てください。一人で悩まないでください。その ために私たち看護師がいます。
○玉井座長 お疲れ様でした。すばらしい講 演でした。ありがとうございます。
○大湾先生 石川さんの話しがとてもよかったと思いました。
○玉井座長 ドクターが言う言葉と全然違い ます。病気の講演会はしますが、こういう講演 会はやらないですね。緩和ケアや看とりの話し はタブー的に扱うところもあったりしますが、 実は必要なんです。そこは避けて通れない問題 なので、しっかり議論する方が健全だと思いま す。麻生太郎さんが「自分が死ぬときはとっと と逝かせてほしい」とおっしゃって、それに対 してマスコミからバッシングがありました。い ろいろな議論があってもいいと思うのですが、 そのことを言い出すと不謹慎とバッシングを受 ける事に違和感を感じます。
マスコミに気を遣ってしまって、このままで は終末期とか看とりの議論はまともにできない のではと思いました。
○石川氏
やはり、自宅で自分 の住み慣れた家で看と りたいと思いますよね。 私は介護の仕事をやっ ていたこともあって人 の手を借りることは悪 くないとその時思いま した。家族だけで24 時 間終わりがなくやることはとても苦痛で、暴力 に出てしまったりとかあると思います。だった ら人の手を借りることも悪くないと思います。 医療に関してもそう思います。
○玉井座長 やはり、在宅医療で行う看とりは大変なんですよね。家族の不安感があって。
家族と意思疎通出来ていても、たまたま偶然 他の人がいて急変時に救急車を呼んで運ばれて いくことがあるんです。
○大湾先生 死ぬって誰も避けられないことなのに、死なないと思っているのかなと思うわ けですよ。その場で最善を考えるしかないと思 います。みんなが現状を受容できるともっと楽 に治療もケアもできると思います。
気持ちの持ちようひとつで変わってくると思 います。モリー先生の本を読んだとき感動しま した。自分の体が動かなくなってくるときにこ の人が受容することを自分に言い聞かせている ことはすごい事だと思いました。10 年ぐらい 前ですかね。頭をハンマーで殴られた感じです ごいなと思いました。本人もきついけど家族も 周りも楽だなと、辛いんだけど支えられるなと。
今は一番の問題は認知症なんですよ。
○玉井座長 今日の質問でも、実は認知症の 方の緩和ケアはどうしたらいいですかというも のがあり、非常に難しい問題で、質問しようと 思いましたが時間がなくてできませんでした。
○大湾先生 認知症の方は緩和ケア病棟に限らず一般病棟でもたくさんいますからね。
○石川氏 入ってから認知が進むこともよく聞きます。
○大湾先生 生活を変えないことが大事だ と思います。病院は治療するところなので生 活が変わるんですね。目標には何を持ってい くか、どうしたいのかをお聞きしてそれに合 わせてやっていくしかないのでなかなか難しいですよ。
○玉井座長 その方の理解力と精神性、日頃考えている人生観とかとても大きいですよね。
○大湾先生 結局それに左右されますね。
○玉井座長 石川さんの話しの中でも、お父 さんの死生観に何かあったかと思いますよ。十 分な時間がなくてうまく話せなかったことがあ るのかもしれませんが、だからこそあの笑顔が あったんじゃないかなと思います。
○石川氏 元々の私達の生活だと思います。
○大湾先生 明るいご家族ですよ。でもお父 さんがいらしたときは呼吸がとまるかもしれな いといってエアウェイが入っていて大丈夫なの かなと思っていました。あとで胃管を胃瘻に変 えて、コーヒーを飲んだりしていました。ご自 身は何もおっしゃらないのですが、言っている ことがわかっているわけですよ。お母さんはス パルタでマッサージしてね。来たときとは全然 違う人になりましたよ。緩和ケア病棟に来たか ら元気になったと思います。
○石川氏 私もそう思いました。その前の 病院にいるときにはたぶん母も辛かったと思います。
○大湾先生 治すということではなくて、そ の人に一番いいものを選んだら、本当に元気に なっていきますよ。「スイカをおめーに食わせ ない」といった奥間氏のスライドにあった人は 胃がんだったんですよ。
本当この人胃がんなのかもう一度胃カメラし た方がいいんじゃないと思うほどガンガン食べ ましたよ。ビックリしました。人の持っている 力はすごいんですよ。
逆にあとどのぐらいですかと言われても最初 来たときはきびしいと思っても、回復するとわ からないですね。本当に具合が悪くなったとき には分りますけどね。そこでできることをやっ て変わる人は変わるし、残念ながら変わらない 人は変わらないですね。
○玉井座長 その人のニーズというか、家 族を含めて何を欲しているかを、我々が一方的 にこうでしょと価値観を押し付ける医療がある と、上手くいかない。緩和ケアは状況の中でい ろいろなセレクションを選んでいく。本当に、 医療というのは難しくて良かれと思ったことが 良くなかったりします。
○石川氏 そうですね。主人の時もそう感じ ました。わからないことだらけですよというこ とを最初に言われました。絶対治ることはない です。人間の体はわからないことだらけで正直 主人の病気はよくわからないんですよ。わから ないまんまで亡くなったんですけど。その経験もあったので父の時は何をすればいいかなと考 えたときはあの結果でした。
○玉井座長 お母様を支えようという言葉 は、我々が感じない部分なのかなと思います。 ご家族のことまであんまり考えない事があります。
○石川氏 病院で完全看護というじゃないで すか。ご家族の方は時間になったら帰ってくだ さいというような。そういうもんだと思ってい たんですね。主人の時にすみませんが今日付き 添ってくれますか。本人が不安がっているから と。うちの主人も無口で何も言わない人だった んです。最後の最後まで何も言わずにそういう 人だったんですけど。不安がって点滴外したり というのがあって、家族がいて安心される方も いると。ICU にずっと入っていて出たり入っ たりを繰り返していて、フリーパスみたいにい つでも来てくださいと言われていました。面会 時間は決まっているんだけれどもいつでも押し てくださいとずっとICU で座らせてもらって ずっとそばにいたんですね。そういう経験をし ていたので何もしなくてもそこにいればいいの かな。私の勝手な思い込みなんですけど、そう思っていました。
○玉井座長 ご家族がそこにいるだけで違う と思います。我々がどんなに言葉を尽くしても、 そこは超えられない部分なのかもしれない。
○奥間氏 お母さん見ていたら、やり切っていた顔されていましたね。
○石川氏 それでも結構大変でしたよ。
○笹良先生 参加者の膵癌の方から、今入院 している病院にセカンドオピニオンを求めてい るんだけどなかなか紹介してくれなくて、やっ と変えてもらったんだけどどうなんだろうとい う相談を受けました。
○玉井座長 どの様な内容でしたか?
○笹良先生 まだ治療の希望があるので何と かならないかという方が、息子さんとしては強 いんですけど、NG が入って御飯が食べられない状態でIVH 受けている感じなので厳しい状 況なんだけどという話しでした。
○玉井座長 講演会をやるとよく講師は個別な相談を受けますよね。
○笹良先生 これも重要なことですよね。皆さん迷われますよね。
○玉井座長 今日は皆さん非常に熱心に聞い ていらっしゃったと思います。とてもよかったですね。
○笹良先生 逆に悩みを持っている方がきて ヒントになっているのであれば、やったかいが あると思いますね。
○玉井座長 前にも言いましたが、重いテー マはやりにくくて、やっと今回で4 回目です。 年に1 回なんですけど、こういうテーマもやっ ていきたいなということでやっています。とて も大事なテーマではありますね。
こういう会にご家族の方からご発言いただけ るのはとても大きいです。我々がどうしても伝 わらない部分があると思います。
○石川氏 お母さんは元気です。昨日も遊び に行ったし。周りに助けられています。病院でもそうだったんですが地域でもそうです。声を かけてくれる人がいて。父が亡くなって間もな いのですが連れ出してくれる人がいっぱいで、 それで元気にやっているので私もなんとかなっているかと。
○奥間氏 お父様が地域の事をよくやって下さったからね。
○石川氏 父は奄美の出身で今は母の地元に いるんですよ。母の親戚がいっぱい居て宜野湾 にも母の親戚がいっぱい居て亡くなった時にな んで一言言ってくれなかったのと、そんな時は 皆で話を聞く、皆で考えると教えられたんです。 迷惑かけちゃいけないと思うんですよ。自分た ちで解決しないといけないと思っていました。 だから人の手を借りることも悪い事じゃないな と思いました。
○玉井座長 介護されていてそういう経験を もっていらっしゃるからそういう風に思ったと 話がありましたが、僕ら自身も人の看とりとい うものに関わっていることは、医療人として変 わるところがあります。実は我々も看とりや緩 和ケアで多くの事を学ばせてもらっています。 人間として成長させてもらっていることが非常 に大きい。今日はいい天気で、良い講演会にな りました。今日は大変お疲れ様でした。
意見交換会の様子