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平成24年度第3回
沖縄県・沖縄県医師会連絡会議

安里哲好

副会長 安里 哲好

去る11 月22 日(木)、県庁3 階第3 会議室 において標記連絡会議が行われたので以下のと おり報告する。(出席者は以下のとおり)

出席者:宮城会長、安里副会長、宮里常任理事(以上医師会)崎山福祉保健部長、国吉保健衛生統括監、平医務課長、垣花福祉企画統括監、照屋母子保健班長(健康増進課長代理)(以上、県福祉保健部)

議 題

1. 地域医療再生基金の執行率と軽微な事業の2 次募集の現況について(提案者:沖縄県医師会)

<提案要旨>

厚労省地域医療再生計画に係る有識者会議に て(H24.11.5)、地域医療再生基金の平成24 年 度末の執行率は1 次が60.9%、2 次が39.0%と の報告があります。沖縄県における、地域医療 再生基金の1 次および2 次の執行率はどの様な 状況か、お伺いしたい。

軽微な事業の2 次募集の現況についてもご教 示いただきたい。また、軽微な事業の2 次募集 に際しまして、民間の医療機関の直接的な応募 状況や、事業内容によりそれを受理する可能性 があるかどうかについてもお教えいただきたい。

<県福祉保健部回答>

地域医療再生基金の執行率については、一次 計画の基金総額50 億円に対し、平成24 年度 末までの執行累計額は3,382,006 千円を見込ん でおり、執行率は67.64%となっている。

また、二次計画の執行率については、基金総 額2,168,497 千円に対し、平成24 年度末まで の執行累計額は1,179,246 千円を見込んでおり、 執行率は54.38%となっている。

地域医療再生基金については、一次及び二次 の地域医療再生計画の評価を行い、事業の執行 残や基金の運用利子等を有効に活用するため、 新規事業や事業の拡充について、9 月19 日に関 係機関・団体等へ募集を依頼したところである。

一次計画については、拡充で7 件、新規で3 件の応募があり、二次計画については、拡充で4 件、新規で15 件の応募があった。

しかし、一次計画の基金残が約128,000 千円、 二次計画が約95,000 千円と、事業に充当でき る基金残額が乏しいこともあり、事業の採択は 一次及び二次計画ともに4 件程度になる見込み である。

なお、地域医療再生計画は、圏域全体が直面 する課題を解決することが目的であることか ら、各圏域の中核的な医療機関や関係団体と協 議して圏域単位の計画を策定し、その課題解決 に必要な事業を実施しているところである。

また、補助対象事業が、救急、周産期医療な どについての医療機能連携による診療機能の強 化や持続的な医師等の確保の仕組みづくりのた めの事業等であるため、民間の医療機関から個 別に事業募集を行わず、各圏域の中核的な医療 機関や医師会等の関係団体から事業募集を行っ ているところである。

<主な意見等>

◆県福祉保健部:一次計画では、シミュレーシ ョンセンターに基金の大部分を投入している。 今回の執行残等の使途については、離島の支援 を中心に行っていくことになる。

ただし、平成25 年度にも執行残の調整を行っていく。

なお、何らかの理由で建物が竣工できないな ど、止むを得ない理由があれば、平成26 年度 も対応可能となっている。

◇県医師会:今回の執行残の使途はあくまで 今年度時点ということで、次年度も精査する という事でよいか。

◆県福祉保健部:おっしゃるとおり。医師会か らも連携事業等で案件が出ていたが、何らから の形で来年3 月までに調整したいと考えている。

◇県医師会:中部の民間病院では骨髄移植等の 無菌室整備をあげているが、県内で唯一の施設 であり、まさしく県全体の地域医療を担ってい ると考える。

◆県福祉保健部:本件を除外している訳ではなく、医師会を通じて連携が構築されているかという点が重要となってくる。

◇県医師会:本来であれば、一つ一つの事業の 執行率をチェックすべきである。地域医療再生 事業については本来、何のために使うべきか限 定されているはずである。

◇県医師会:宮古・八重山のIT 整備については進んでいるのか?

◆県福祉保健部:現場と局のすり合わせで、建 物の竣工に遅れをとっている。建物が出来てい ないので設備整備も出来ない状況にある。現在、 地区医師会との間で調整中とのことである。

◇県医師会:医療連携を条件に電子カルテを整 備することになっていると思うので、計画に則 った事業展開をお願いしたい。

議 題

2. 自立支援医療(育成医療)の審査体制について(提案者:県福祉保健部)

<提案要旨>

地域主権戦略大綱(H22.6.22 閣議決定)を 踏まえ、「地域の自主性及び自立性を高めるた めの改革の推進を図るための関係法律の整備に 関する法律」(平成23 年法律第105 号)が平 成23 年8 月30 日に公布された。障害者自立 支援法に基づく自立支援医療(育成医療)の下 記の事務について、都道府県から市町村へ権限 移譲されることになった。

施行期日:平成25 年4 月1 日

育成医療の移譲内容

1)育成医療に係る医療費の認定及び支給

※権限移譲に伴い、それぞれの市町村においては、公正中立な立場から医学的な判断を行う審査体制の整備を行う必要がある。

  • ・医学的な判断が可能である医師及び医療関係者の確保
  • ・専門家からなる審査会等の設置

県の取り組み

1)審査体制について

  • ・平成24 年7 月:第2 回権限移譲についての取り組み状況調査(育成医療の審査体制等)
  • 調査の結果:41 市町村中36 市町村が小児保健協会への委託を希望
  • 9 月:調査を受けて小児保健協会に育成医療の審査受託について打診
  • 10 月:常任理事会で了承(最終的には12 月理事会で決定)
  • 11 月:委託料について調整中

2)説明会及び研修会等

  • ・市町村への説明会の実施(H24 年3 月、5 月〜 6 月保健所管轄ごとに開催
  • ・研修会の実施(保健所単位での実務研修)
  • ・広報(健康あいらんどへの掲載、ホームページに掲載予定)
  • ・市町村へ育成医療の事務マニュアルの提供予定(現在修正中)
  • ・指定医療機関への周知等

<主な意見等>

◇県医師会:更生医療は県で行っているのか。 更生医療施設の指定等は県で行っていると考える。

◆県福祉保健部:更生医療は市町村であるが、 実際の判定は更生指導士が行っており、その判 定に基づき、市町村が受給者証を交付している。 また、指定医療機関に関しては、県の役割とし て残る。

◇県医師会:41 市町村全てが育成医療の審査体 制等を小児保健協会に依頼するということか。

◆県福祉保健部:36 市町村である。

◇県医師会:残り5 市町村は独自で行うということか。

◆県福祉保健部:市町村は、那覇市、石垣市、 宮古島市、竹富町、与那国町であるが、福祉事 務所の嘱託医がいることや診療所があること等 を理由に希望はしていなかった。しかし、12 月に全市町村に対し、委託料も含めて説明会を 開催するので、そこで変更が出てくる可能性が ある。

印象記

平成24年度第3回沖縄県・沖縄県医師会連絡会議
副会長 安里 哲好

議題は福祉保健部から1 題と当会から1 題であった。

県医師会から、「地域医療再生基金の執行率と軽微な事業の2 次募集の現状について」を提案し た。平成24 年度末の見込みは、一次計画の執行率は67.64%、二次計画の執行率は54.38%とな っているが、平成25 年度終了時には高い執行率になると推測していた。一次計画の基金残が約 128,000 千円、二次計画が約95,000 千円と、事業の選択は一次及び二次計画とも4 件程度になる 見込みと述べていた。

健康増進課から、「自立支援医療(育成医療)の審査体制について」が提案された。障害者自立 支援法に基づく自立支援医療(育成医療)の「育成医療に係る医療費の認定及び支給」が都道府 県から市町村へ権限移譲されることになった。権限移譲に伴い、それぞれの市町村において、育 成医療に係る医療対象者の認定および医療費の支給を施行することになった。その折、1)医学的 な判断が可能である医師及び医療関係者の確保、2)専門家から成る審査会等の設置が必要で、ほ とんどの市町村が小児保健協会への委託を希望しているとのこと。今後の、推移を見守って行き たいと思う。

さて、平成24 年度は5 年に1 回の沖縄県保健医療計画の策定の年で、平成25 年度はそれを実 施して行く年度の初めになる。医療計画は過去を振り返りかつ現状を分析して、今後の5 年間に 向けた各保健医療圏の現状と課題、そして各保健医療圏における保健・医療・介護・福祉の関係 者との意見交換等が適切に行われ、それらに基づいた或いは反映された医療計画が推進されてい くであろうかと危惧している。

医療計画の柱は、1)2 次保健医療圏の検討、2)基準病床数、3)4 疾病5 事業→ 5 疾病(がん・糖尿病・ 脳卒中・急性心筋梗塞・精神疾患)5 事業(救急医療体制の整備・周産期医療体制の整備・小児 救急を含む小児医療体制の整備・災害体制の整備・離島へき地医療の向上)、4)在宅医療体制の整備、 5)保健医療と介護・福祉の連携、6)保健医療従事者の確保・養成と資質の向上等を中心的に分析 と対策がなされる。県行政が単独で行うのか、県行政が中心となって、市町村行政そして公的医 療機関や民間医療機関や介護・福祉施設等と協力して進めて行くのか、策定過程が不透明である。

また、過去5 年間の改善する領域を明確にして順位を立てて、初年度はそこに対して重点的に、 具体的な対策を推進するなどの計画はあるのだろうか。おそらく、平成25 年2 月に、平成25 年 度の県保健医療計画が知事に答申されるであろう。誰が中心に、どの様な委員会で検討されて提 出されるのか。平成24 年の年の瀬に感ずるところである。




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