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平成24年度(第29回)九州学校検診協議会第2回専門委員会
九州各県医師会学校保健担当理事者会

U. 九州各県医師会学校保健担当理事者会

開 会

沖縄県医師会常任理事の宮里善次先生の司会 により会が開かれた。

挨 拶

沖縄県医師会会長の宮城信雄先生より、概ね以下の通り挨拶があった。

本年8 月に福岡県で開催された九州医師会連合会学校医会評議委員会において、来年度の第 57 回九州ブロック学校保健・学校医大会並び に平成25 年度九州学校検診協議会を、私共沖 縄県医師会が担当することに決定した。これを 受け、本会学校医部会常務理事会及び関係者等 で大会の内容を鋭意検討し、本日開催要項案と して提出させて頂くことになった。

詳細は後ほど、協議事項の中で担当理事より ご説明させて頂くので、慎重にご審議の上ご承 認賜わりますようお願いしたい。

また、本日は鹿児島県、並びに、福岡県か ら2 題の協議事項をいただいている。これにつ いても活発なご議論を頂くようお願いを申し上 げ、簡単ではあるが開会挨拶とさせて頂く。よ ろしくお願いしたい。

協議に移る前に、第56 回大会の担当県であ った福岡県医師会の野田健一副会長より「8 月 に福岡県で開催した第56 回九州ブロック学校 保健・学校医大会並びに平成24 年度九州学校 検診協議会については、各県の先生方に大変ご 協力を頂き、この場を借りて御礼を申し上げる」 とお礼の言葉があった。

座長選出

慣例により、開催県(沖縄県医師会)の宮城 信雄会長が座長となり協議が行われた。

協 議

1)第57 回九州ブロック学校保健・学校医 大会並びに平成25 年度九州学校検診協議 会(年次大会)について(沖縄県)

沖縄県医師会常任理事の宮里先生より提案事項について説明があった。

平成25 年8 月3 日(土)、4 日(日)、沖縄 ハーバービューホテルクラウンプラザで開催を 予定している。大会のメインテーマを「健やか な子どもの未来 −子どもたちとの絆を求め て−」とし、年次大会では、教育講演3 題と、 基調講演2 題を開催する。また、分科会の眼科 部門、並びに、耳鼻咽喉科部門、運動器部門においては講演形式及び講演時間等は未定である が、それぞれ講師は決定している。

開催日時、場所、開催内容については、先に 開催要項案を提示し、各県にご意見を伺ってい る。大会全般については特にご意見がなかった。

参加対象者並びに会費等は例年通りである。

なお、前日の諸会議については、15 時から 平成25 年度九州学校検診協議会第1 回専門委 員会を開催し、16 時から九州医師会連合会常 任委員会、以後幹事会、担当理事者会、懇親会 まで例年通りの開催を予定している。

次に、大会当日のプログラムについて説明する。

午前中は、平成25 年度九州学校検診協議会 (年次大会)として、心臓部門・腎臓部門・小 児生活習慣病部門計3 部門の教育講演を行う。 九州学校検診協議会と並行して、九州ブロック 学校保健・学校医大会分科会として、眼科部門・ 耳鼻咽喉科部門・運動器部門を実施する。

11 時半から12 時半の昼食時間を利用して、 九州医師会連合会学校医会評議員会を開催す る。なお、議事については改めてご連絡させて 頂く。

12 時半からは九州医師会連合会学校医会総 会を開催し、13 時10 分から15 時10 分まで、 基調講演2 題を開催する。

【各県回答】

協議の結果、各県とも特に異議なく承認された。

2)子宮頸がん予防(HPV)ワクチン・ヒブ ワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの無料 化について(鹿児島県)

現在、全国では子宮頸がん予防(HPV)ワ クチン・ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチ ンが無料(全額公費負担)である。

しかし、国の方針で平成25 年3 月31 日(予定) までとなっており、引き続き無料化に向けた国 への働きかけを行いたいと思いますが、他県医 師会において、国への「働きかけ」および「取り組み」をどのようになされているかご教示い ただきたい。

ちなみに、鹿児島県医師会では、昨年、厚生 労働大臣と鹿児島県知事宛に「ヒブワクチン並 びに小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がん予防 ワクチンの公費助成の継続と定期接種化に向け た取組みの推進に関する要望書について」を送 付しております。

【各県回答】

各県ともに厚生労働大臣及び県知事等に対 し、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の 継続を求める要望書を提出、あるいは、申し入 れ等を行っている旨の回答であった。

大分県医師会より、現在、子宮頸がん予防ワ クチン、並びに、ヒブワクチン、小児用肺炎球 菌ワクチン等の定期接種化について、国が協議 しているところだが、本件に係る進捗情報をご 存じの先生がいたらご教示いただきたいとの発 言があった。

それに対し、沖縄県より、政府が子宮頸がん 予防ワクチン、並びに、ヒブワクチン、小児用 肺炎球菌ワクチンを定期接種化する予防接種改 正案を提出したとのことであるが、未だ審議は されていないようであると情報提供を行った。

また、鹿児島県医師会より、鹿児島県から離 れた離島において、髄膜炎で1 名死亡したとの 報告があり、同様な事例が北海道においても発 生したとの情報提供があった。

長崎県より、現在は、公費負担で子宮頸がん 予防ワクチン、並びに、ヒブワクチン、小児用 肺炎球菌ワクチン等の予防接種が可能だが、強 制することは出来ない。定期接種化となった場 合、更なる推奨が可能になるのではとの意見が 述べられた。

3)学童期の運動器検診について(福岡県)

学童期に運動器検診を行い、成長期に生ずる 特有の運動器疾患・障害を早期に発見すること の必要性・重要性については、ほぼコンセンサ スが得られている。しかしながら、実施の手法 や・制度については、まだ解決すべき課題も多く残っており、医師会、行政、教育現場、保護 者会など関係各所との協議や連携が必須であ る。そこで、運動器検診について各県の現状と 対応についてご教示願います。

【各県回答】

各県ともに学校運動器検診の重要性を認識し ており、宮崎県及び熊本県では実際に運動器検 診が実施されている旨の回答であった。

大分県医師会より、今年度、小・中学校の保 護者が脊柱側弯症のチェックを家庭で行い、養 護教諭が確認し、学校検診の際、疑わしい生徒 については、学校医から専門医を紹介するとい う形式を用いた。その結果、整形外科にて精密 検査を受診する生徒数が増えたとの報告があっ た。しかし、精密検査の結果報告書は統一され ておらず、学校により異なっているため、医療 機関より、本報告書も統一していただきたいと の要望が出されていることから、来年度より、 県医師会が本報告書を作成し、統一していくこ ととしているとの説明があった。

それに対し、沖縄県より、昨年度の当理事者 会において、大分県より、大阪府で脊柱側弯症 の見落しで敗訴した事例の情報提供があったの で、早速、那覇市医師会と教育委員会等で本件 について、話し合いを行ったところであり、那 覇市においては、以前は、小学4 年生及び6 年 生に対し、整形外科医が脊柱側弯症の検査を行 っていたが、予算の関係上削除された経緯があ ったが、今回、このような事例が発生したこと を踏まえ、那覇市医師会では、再度、脊柱側弯 症のチェックを行うこととなったと発言した。

また、長崎県より、脊柱側弯症の検査を行っ ているが、児童一人一人に対し、立ち位置等を 言わなければならず、時間を要しており、また、 脱衣の問題等もあり、打開策を検討していると ころであるとの意見が述べられた。

福岡県医師会より、本県においても、大分県 から提案があったように家庭で脊柱側弯症チェ ックを行っていただくこととしたいと述べられ るとともに、各県ともに大分県医師会の様式を 参考にし、家庭での脊柱側弯症チェックを行っていくことを検討していきたいとの意見が述べ られた。

4)その他

第43 回全国学校保健・学校医大会の担当県 であった熊本県医師会の前田利為副会長より「去る11 月10 日に熊本県で開催した第43 回 全国学校保健・学校医大会については、全国か ら694 名の参加者があった。各県の先生方に 大変ご協力を頂き、この場を借りて御礼を申し 上げる」とお礼の言葉があった。

印象記

常任理事 宮里 善次

平成24年度九州学校検診協議会第2 回専門委員会

平成24 年11 月17 日、福岡医師会館において平成24 年度九州学校検診協議会第2 回専門委員 会が開催された。

専門医委員会は、1)心臓部門、2)腎臓部門、3)小児生活習慣病部門に分かれて協議が行われた。

筆者は担当理事として、どの分野に参加しても良いフリーの立場にあるが、今般は心臓部門に 参加させて頂いた。

心臓部門では二つの提案事項について協議がなされた。

まず始めに、「AED 使用状況、ニアミス症例の状況と調査票の改定について」協議が行われた。

AED 普及と時を同じくして、学校現場における突然死が減少している。しかし、それが果たしてAED 使用による減少なのかは明らかではない。

前回の専門委員会で九州各県にAED 使用例やニアミス症例の調査をすることとなったが、「児 童生徒の心配蘇生事例調査票」における内容の最終確認及び各県医師会、教育委員会、学校医部 会等への依頼文書の確認が行われた。

また、今季半年間のAED 使用例が報告され、福岡県から2 例、鹿児島県から4 例の報告があ ったが、福岡県の一例に後遺症が残った以外は、現在後遺症もなく生存しているとの報告であった。

AED が十分に機能していることが伺われる。

鹿児島県の一例は患者もAED 施行者も高校生であり、学校によっては周知徹底されているこ とが分かった。

次に「心臓検診時の統一病名について」協議が行われた。

統一病名を用いることで、疫学的把握ができるだけではなく、突然死症例において特徴がつか めるのではないかという意見があった。

特に不整脈の場合、心電図をとった時に臨床症状がなかったとしても、後日AED を使用し、 ニアミス症例となった時に、症例を集めれば特徴が出る可能性が高い。

そうした点においても統一病名は必要である。全国に先駆けて、今季から開始することとなった。

九州各県医師会学校保健担当者理事会

平成24 年11 月17 日、福岡医師会館において九州各県医師会学校保健担当者理事会が開催された。

協議事項は3 題である。

始めに第57 回九州ブロック学校保健・学校医大会並びに平成25 年度九州学校検診協議会(年次大会)について、担当県である沖縄県医師会からプログラム概要を申し述べた。

本件に関しては異議なく認められ、平成25 年8 月4 日、沖縄ハーバービューホテルのクラウン・ プラザに於いて、「健やかな子どもたちの未来 −子どもたちとの絆を求めて−」をメインテーマ にして開催されることが決定した。

次に子宮頸がん予防(HPV)ワクチン・ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの無料化につい ては、各県とも既に県知事や自治体、あるいは厚労大臣まで要望書を出している現状が確認された。

鹿児島県から無料化になったとは云え、本土から離れた離島にて髄膜炎で1 名死亡したとの報 告例があった。

離島のワクチン接種をどうすべきか?と云う課題が提案されたが、基本的には啓発が重要であ ると云う点で一致したが、踏み込んだ具体的な意見は示されなかった。

最後に学童期の運動器検診について協議がなされた。

大阪の脊柱側弯症訴訟の敗訴を受けて、各県医師会とも対策を講じたようである。

当日は大分県医師会より、上半身裸になるのを嫌がる思春期の保護者に対して、“家庭で前屈時 の背部の左右差があるかをみてみましょう” と題し、図入りの『家庭で行う側わん症チェック』 表を配布し、養護教諭が確認し、学校検診の際、疑わしい生徒については、学校医から専門医を 紹介するという形式を用いているとの報告があった。

沖縄県では那覇市医師会が今年度からこの大分方式を採用し使用している。

先の沖縄県学校医部会にて、那覇市医師会の結果を見て全県下に漸次採用しましょうと決まっ たばかりであったが、実物を見てこれなら親でも簡単に分かりやすいし、実用的だなと実感した。





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