会長 宮城 信雄
平成 25 年の新春を迎えるにあたり、会員の 皆様に謹んで新年のお喜びを申し上げます。
3 年半前に国民の期待を一身に受けて誕生し た民主党政権は迷走を続けこのままでは国が崩 壊してしまうのではないかとの危機感から自民 党政権が復活をしました。沖縄県では私たちと 政策協定を結び推薦した 4 人全員が当選しまし た。以前の古い自民党政治に戻らないように当 選した議員と協力しながらしっかり監視をして いく必要があります。また来る参議員選挙に日 本医師会は会内候補者を立てる意向を明確にし ました。先生方のご協力をお願い致します。
増え続ける社会保障費を持続的・安定的に支 えるために「社会保障と税の一体改革関連法案」 が昨年 8 月に衆議院で可決されました。消費 税は平成 26 年 4 月に 8%、平成 27 年 10 月に 10%へ上がることが決まりました。社会保障に ついては「社会保障制度改革国民会議」を設置 し、医療、年金、介護、少子対策の 4 分野を中 心に議論をして、政府はその結果を踏まえ今年 8 月 21 日までに必要な法的措置を講じること が義務付けられています。委員は 15 名で構成 をされており、医療人は 2 名いますが日本医師 会の代表は委員になっておりません。社会保障 の中でも特に大事な医療、介護を担う医師会代 表が委員から意図的に除外されているのは問題 です。日本医師会の代表を委員に加えるように 政府に働きかけています。「国民会議」の会合 はまだ 2 回しか開催されていませんが、その行 方は日本の社会保障の方向性を決める大事な会 議です。医師会としても議論の行方を注視して いく必要があります。
消費税 5%の時点で医療機関は収入の 2.2% を控除対象外消費税として負担をしています。 消費税がこのまま 8%、10%に引き上げられる と医療機関の経営は立ち行かなくなり地域の医 療は崩壊の危機に晒されます。日本医師会とし ては医療に対して消費税は非課税ではなく課税 にして患者負担が増えないゼロ税率にするよう 要望しています。
国民皆保険制度の崩壊をきたすおそれのある TPP 参加には日本医師会は反対をしています。 米韓 FTA や北米自由協定 NAFTA をみれば予 測がつくからです。混合診療の全面解禁や株式 会社の医療への参入等アメリカ型の市場原理主 義の動きも依然として活発です。
沖縄県は沖縄県独自による振興計画である 「沖縄 21 世紀ビジョン」を策定し実行中です。 策定に関わった沖縄県医師会としても医療福祉 分野で県行政と協力・共同しながら目的達成に むけて行動していく所存です。
地域医療は個人や一医療機関では守ることは 出来ません。医療に携わる一人一人、医療機関 同士の連携があってはじめて地域で完結した医 療が可能になります。糖尿病、脳卒中を中心に 医療連携システムの構築が進んでいます。シス テム構築を完成するとともにすべての疾患に広 げていく必要があります。
平成 25 年巳年が会員の皆さまにとりまして 希望に満ちた一年となりますよう心から祈念し 私の年頭の挨拶と致します。