沖縄県移植コーディネーター 平川 達二
沖縄県医師会員の皆様におかれましては、臓 器移植に対し、日頃から深い御理解と御協力を いただき、厚くお礼申し上げます。
2010 年7 月の改正臓器移植法が全面施行さ れ、本人の意思が不明な場合には、家族の承諾 で臓器提供ができることとなりました。これに より、15 歳未満の方からの脳死での臓器提供 も可能となりました。また、死後に臓器を提供 する意思に併せて親族に優先的に提供できる 意思を書面により表示できるとした「親族優先 提供」も施行されています。法改正前の13 年 間に脳死後の臓器提供者は、86 名だったのに 対し、2010 年7 月17 日〜 2012 年6 月30 日 までの約2 年の間に92 名の方が脳死後に臓器 を提供しました。脳死後での臓器提供が増加し たため、移植を受けた人は年間100 名程度増 加しています。一方、心停止後の臓器提供件数 が減少したため、脳死後と心停止後の提供数を 併せると年間約10 名程度の増加しかありませ ん。
改正臓器移植法の施行によって、小児の心臓 移植も可能となりましたが、改正法施行後も小 児の脳死下での臓器提供はまだ2 例です(平成 24 年6 月末現在)。法律が改正されても小さな 子供たちが移植を受けられる機会が増えていな い現状があります。
毎年10 月は「臓器移植普及推進月間」とし て広く国民に対して臓器移植の現状を訴えると ともに、移植医療に対する理解と協力のため普 及啓発を行っております。
私たち沖縄県においても、10 月には臓器移 植普及月間街頭キャンペーンや臓器移植を知る シンポジウムを企画しております。
街頭キャンペーンでは、できるだけ多くの 人々が、臓器提供意思表示カード(運転免許証、 健康保険証等)を所持し、臓器提供に関する意 思表示がなされるよう協力を呼びかけます。
開催日時は、10 月7 日(日)パレット久茂 地前イベント広場を予定。
今年のシンポジウムは「小児の臓器提供」をテ ーマに、富山県で脳死下での小児の臓器提供に関 わった、富山県移植コーディネーターの高橋絹代 氏を招いての基調講演や移植体験者の発表、ミニ コンサートなどを計画しております。
開催日時は、10 月14 日(日)14 時〜 16 時 場所 は、浦添市てだこ小ホールを予定しています。
会員の皆様には、今後も臓器移植に対する御 理解と御協力宜しくお願い申し上げます。
最後に、このような機会を下さいました、宮 城信雄会長ほか沖縄県医師会会員の皆様へは、 心より深く感謝申し上げます。