沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 10月号

レジナビフェア 2012 in 大阪

村山 貞之

理事 村山 貞之

「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」ブース

去る7 月1 日(日)、インテックス大阪にお いて開催された「レジナビフェア 2012 in 大阪」 について以下のとおり報告する。


【目的】

沖縄県の15 臨床研修病院が合同で説明会へ 参加し、来場する医学生・研修医を効率的に「オ ール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」ブースに集め、 研修医確保につなげる。

【ブース】

図1 のとおりブースを区切り対応した。また、 ブース内に「通路」を設け、より来訪者が滞留 するように工夫した。

当ブースでは下記のとおりルールを設け運営 した。

1)出入り口にて、ブース内への来訪者に「来 訪者カード(図2)」と「パンフレット(図3)」 を配布した。

2)県医師会スペースにて、「来訪者カード」を 記入いただいた後、「パンフレット」を下に 沖縄での研修について説明を行った。

3)2)終了後、「来訪者カード」にある質問事 項「どの研修群・研修病院の情報が知りたい ですか?」を確認し、チェックのあるブース へ誘導を行った。

※チェックのあるブースが満員の場合、チェッ クの無い群・病院のスタッフに声かけし、県 医師会スペースにおいてチェックのあるブー スが空くまで、その群・病院の説明を行った (空き次第誘導)。

4)各群・各病院での説明終了後、来訪者カー ドを回収した。3 群から説明を受けた者には USB メモリをプレゼントした。

図1 「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」ブース

図2 来訪者カード

図3 パンフレット

【レジナビフェア 2012 in 大阪の概要報告】

当フェアへの総来場者数は、1,506 名、出展 機関は360 施設、学年別人数は、6 年生140 名、 5 年生1,176 名、4 年生168 名、3 年生11 名、 その他は11 名であった。

その内、オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブ ースへの総来訪者数は190 名で、うち6 年生 12 名、5 年生162 名、4 年生12 名、不明4 名 であった(図4)。

図4 来場者内訳

【来場者へのアンケート集計結果について】

「各研修群・研修病院に何を聞きたいです か?」では、研修プログラムについて伺いた いが、114 名(21.7 %) となっており、以降 は、研修環境103 名(19.6%)、病院全体77 名 (14.7%)、病院見学53 名(10.1%)、離島医療・ 救急49 名(9.3%)、採用試験46 名(8.8%)、 研修群の特徴32 名(6.1%)、給与・処遇30 名 (5.7%)、専門研修20 名(3.8%)、その他1 名 (0.2%)であった。

「どの研修群・研修病院をまわりましたか?」 では、県立病院群が152 名(44.6%)、群星沖 縄研修群100 名(29.3 %)、RyuMIC 群89 名 (26.1%)であった。また、3 研修群全てから 説明を受けた人数は、69 名となっている(図5)。


【反省点・意見等】

今回のレジナビフェアに参加した各臨床研修病 院の方々から次のとおりご意見等をいただいた。

・今回、11 時半の時点で、オール沖縄ブースに は3 名の来訪者しかいなかった。会場入口を 確認したところ、受付で長蛇の列ができていた。

・混雑の原因は、参加者の事前申込の一部(150 〜 200 人分)の名簿のプリントアウトミスと、 近隣の大学、最寄駅からのシャトルバス9 台 の到着時刻が重なってしまい、約270 〜 300人 が受付に殺到し混乱を招いた。以後、気を つけたい(メディカル・プリンシプル社)。

・全体としては成果を得たが、作業部会やワーキ ンググループで決めたことができていなかった。

1)群代表医師はオール沖縄パンフレットを用 いて説明時間は5 分程度としていたが、実 際には、自研修群・自病院の話をする、時 間の超過、持ち場を離れる、自ブースで学 生対応を始める等、ルールの徹底ができて いなかった。

2)各群・各病院での説明時間は15 分以内と し、他の群・他病院も勧めるとしていたが、 実際には、自研修群、自病院の説明で15 分以上話し込む。他の研修群への紹介は出 来ていたか等、検証すべきである。

3)各群の中でも可能な限りシェアするとして いたが、実際には、ブース内で、各々の病 院の説明の機会は設けられていたかどう か。偏りはなかったか。苦戦している病院 の面談状況をきちんと検証すべきである。

・まずは各々の病院が努力をすること、次に群 内の連携を図ること、そして、最終的には沖 縄県全体で、よいドクターを育てることを念 頭に対応していくことが重要である。

・東京(4/29)と今回の大阪(7/1)の両方に 参加させていただいた。大阪では、東京での 反省を活かし、各群にコンシュルジュを設け たことは良かった。機能したと思うので、今 後も続けていただきたい。

・全国的にみて、無名に近い当病院のようなと ころには、オール沖縄で参加するこの取り組 みは非常にありがたい。オール沖縄ブースの 来訪者は、全国的にも有名な県立中部病院を 目当てとする学生と、漠然と沖縄で研修を したいと考えている学生の二つのパターン があり、恐らく来訪者の中には当病院だけに 興味がある学生はいなかったと感じられた。 USB を配布するという企画は少なからず功 を奏したが、USB 目当ての学生も中には見 受けられ残念だった。当病院をアピールでき たことは大変よかった。説明時間については、 正直、目の前に学生が来ると自院を必死にア ピールしたいため、説明に時間がかかってし まい、群内の他病院に紹介をすることまでは 配慮が足りなかった。以後気をつけたい。ま た、自病院のスタッフが、群内のコンシェル ジュになると、どうしても自病院へ誘導して しまう。県立病院のスタッフが群星沖縄のコ ンシェルジュを担当、群星沖縄のスタッフが RyuMIC のコンシェルジュを担当、RyuMIC のスタッフが県立病院のコンシェルジュを担 当するなど、自群以外を受け持つことも今後 検討していただきたい。

・各群内コンシェルジュの配置により、東京会 場よりも大阪会場のほうが、群間の移動はス ムーズに行えた。今後は、群内での滞留方法 について検討していきたい。

・東京(4/29)と今回の大阪(7/1)会場ともに、 来訪者カードを回収できていない来訪者がい ると考えられる。来訪者カードにナンバーリ ングするなど対応してはどうか。

・本日の会議の反省点を踏まえ、群ブース内で の病院の配置や、時間配分等、次回に向けた 打合せ会に密に行うべきである。

・権限を持ったコンシェルジュを設けてはど うか。


上記、反省点等については、作業部会WG において検討、改善することが確認された。

図4 来場者内訳

印象記

沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 内科 仲里 信彦

去った7 月1 日に大阪で開催されたレジナビに県立病院群の一員として参加いたしました。沖 縄県立病院群、RyuMIC 群、群星沖縄群から参加された皆様お疲れ様でした。当日は雨天であり、 受付に医学生が列をなし、不思議な入場調整のために学生さんのブース来訪時間が遅く、最初は どうなることかと思っていました。しかし、時間が経つにつれて『沖縄での充実した初期研修』 を目標とする学生さんが多数来られました。また、関西出身の初期研修医による学生の勧誘やク ラブの先輩後輩による人間のつながりによるブース来訪も目立ちました。沖縄県は合同説明のた め、ブースも大きく非常に目立っておりました。これほど大きなブースは香川県、赤十字病院群、 済生会、徳洲会グループと沖縄県ぐらいのものでした。沖縄県医師会の担当の皆様や各研修病院 の担当者のお力により、どうにか各研修グループの特徴を説明すべく、学生さんを誘導できてい たように見えました。病院間の垣根を越えて、今後の沖縄の医療の充実と発展のための意識付け にもなると考えました。以下にレジナビに対する個人的な意見を付け加えたいと思います。

1. レジナビにより、各病院の特徴や説明を直接に学生さんに説明ができる。医学生全員ではないが、 口コミで広がりも期待できる。

2. 医学生さんに対し、自身の病院における研修の特徴を言葉で説明することで長所短所を意識で きた。

3. 沖縄県内の各研修病院間の研修の特徴を指導医も参考にすることができた。

4. レジナビの問題点としては、いわゆる研修を与える側と研修を受ける側の関係がこれまでと逆 転しており、研修を受ける側の要求が目立つ。質問されたのが、「給与は?」、「当直回数の上限 は?」、「選択科目は自由ですか?」、「あなたの病院は私に何を与えてくれますか?」 研修を受 ける側のニーズを満たしてあげることが、良い研修病院と間違えられてしまわないだろうかと 疑問に思えた。

5. これほどの金銭的な負担のかかるレジナビが、研修病院と良い研修医の関係を築いていけるか はまだまだ不安である。

印象記

原永 修作

琉球大学医学部附属病院 原永 修作

去った7 月1 日にインテックス大阪で開催された「レジナビフェア 2012 in 大阪」に沖縄県の 代表の一人として参加しましたので私なりの印象をのべさせていただきたいと思います。沖縄県 としては4 月の「e- レジフェア 2012 in 東京」に続いて3 つの研修病院群 県立病院群/RyuMIC/ 臨床研修プロジェクト群星の合同での「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」としての出展となり ました。私自身はこのようなレジナビに参加するのは初めてでしたが会場の広さと300 を超える 参加施設の多さに圧倒され、この中で学生にアピールして研修医を集めるのは大変だなという印 象を受けました。そんな中でも「オール沖縄」は2 つの会場のうちの1 つの1 号館会場に入って すぐのところに陣取り、ブースの上には大きく「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」と看板を掲 げ、壁には各研修病院群および研修病院のポスターが所狭しと貼られ、広い会場の中でも十分に 存在感を示していました。各病院からも指導医、研修医、事務担当と多くのスタッフが参加され、 研修医獲得への意気込みが感じられました。

今回の私の役割はブースの中央で来場者に対しオール沖縄パンフレットを広げながら沖縄の研 修状況を説明し、来訪者カードで来場者の希望を確認しながら、各病院群のコンシェルジュへつ なぐというものでした。当日は朝からあいにくの雨模様で、学生の入りが心配されましたが、時 間とともに多くの学生が会場に入りはじめ、最初は寂しかったオール沖縄のブースも後半になる と座る場所がないくらいになり、複数で一人の学生を取り囲んで説明していたのがいつしか一人 の担当者で複数の来場者にまとめて案内をするという状況となり、ブース全体が熱気にあふれて いました。来場者の中には「沖縄の研修に興味がある」、「離島に興味がある」、「中部病院の話を 聞きたい」といった目的意識がはっきりしている学生から「沖縄の研修はよく知らないけど…」、 「いろいろ見ようと思って」といった学生まで沖縄の臨床研修に対する認識や興味は様々でしたが 3 つの研修群の特徴をまとめて紹介することで来場者のニーズにこたえることができている感触 を受けました。

主催者発表によると今回の参加者は1,500 人余りで、「オール沖縄」には参加者の1 割以上の 190 名が訪れてくれました。6 年生が多く参加していた4 月の東京のレジフェアの260 名であっ たのと比較して少なかった感は否めず、また今回の来場者の多くが5 年生であったことを考える と今回の出展の効果はすぐにはあらわれないとは思われますので、今後もコンスタントに同様な 取り組みが必要でしょう。多くの来場者に対し沖縄全体の研修を紹介したうえで、各病院群の担 当者が熱意をもって説明をする今回のスタイルは効率よく沖縄県の研修医確保につなげるという 目的に沿ったものであると感じました。レジナビでの出展だけにとどまることなく今後も3 つの 研修病院群が「オール沖縄」として協力して行くことでさらに沖縄の臨床研修が充実していくこ とにつながることでしょう。

印象記

大兼 剛

南部徳洲会病院 研修委員長 大兼 剛

沖縄の卒後臨床研修制度について説明する沖縄県代表団の中の一人として、「オール沖縄赤瓦プ ロジェクトでのレジナビフェア 2012 in 大阪」へ参加させていただきました。

オール沖縄での合同ブースの出展は、「e レジフェア 2012 in 東京」に続き、2 回目となります。 前回のe レジ東京では、110 施設の出展でしたが、今回はさらに多くの360 施設でした。これだ け多くの施設が出展している中では、病院単独での出展は、やはり目立たない印象でした。沖縄 県の研修プログラムが、まとまってひとつの大きなブースで出展したことは、学生さんへ、沖縄 県に多くの研修事業あり、沖縄県および沖縄県医師会が中心となり、協力して研修事業を行って いることをアピールできたのではないかと思います。実際、オール沖縄の説明をするなかで、沖 縄でこれだけ多くの研修事業があることをはじめて知った学生さんも多数いました。

前回参加した際は、群星沖縄群での説明を担当していましたが、今回は群星代表として、最初 に学生さんへオール沖縄プロジェクトの説明を行い、希望を聞いた後、案内していただくことを 担当いたしました。前回出展時の反省をふまえ、最初の部分で時間をかけないこと、アンケート を記載していただくことに気をつけて、説明いたしました。また、3 群のプログラムの説明を聞 いていただけるようにお願い致しました。オール沖縄全体の説明後は、コンシェルジュを担当し ていただいたみなさんの活躍で、各群への案内はスムースであったと思います。各プログラム群 での説明は、15 分程で終了し、すべてをまわってもらうようにと打ち合わせていましたが、時間 超過してしまいがちとのことでした。参加された皆さんが一生懸命説明するため、やむ得ないこ とです。しかしながら今回は単独での出展ではないので、他のプログラム群や病院の説明を聞い ていただくためにも、今後も同様な形で出展する場合は、タイマーなどで時間を制限することが 必要と思いました。

実際に学生さんとお話してみて、大きく3 つに分かれている印象を受けました。

一つ目は、目的とする病院のお話を聞きに来た学生さん。

二つ目は、沖縄での研修を希望している学生さん。

三つ目は、沖縄で研修している先輩や友人のお話を聞きにきた学生さんです。

目的の病院の説明を聞きに来た学生さんは、その病院の説明のみでよいと考えている方が多い のですが、オール沖縄の説明で、沖縄で意外にも多くの研修があることに驚かれる学生さんもい ます。このような学生さんが目的病院以外へ興味を持つきっかけとなればと思います。

沖縄での研修を希望している学生さんは、すべての群の説明を受けていただけました。このよ うな学生さんに対しては、オール沖縄で出展することは大変有効と考えます。この機会をきっか けに病院見学へ結びつけることが重要と考えます。

沖縄で先輩や友人が研修し、今回お話を聞きにきた学生さんが、意外に多い印象を受けました。

現在インターネットが発達し、多くの情報を収集できる反面、より確実な情報を信頼できる方 から求めるのではないかと思います。現在、沖縄で研修されている研修医のみなさんへ充実した 研修を提供し、満足して研修終了することが、ひいては、後輩や友人などへの評判となり沖縄で の研修を決めるきっかけとなるのではないでしょうか?

オール沖縄赤瓦プロジェクトで、研修医事業に関わる全員が協力し、沖縄県での臨牀研修をア ピールすることは大事なことです。機会があれば参加し、お手伝いしたいと思います。また今後 も沖縄県での臨床研修が、より充実し、研修医の皆さんが満足して研修終了できるように、今後 も努力していきたいと思います。

印象記

担当理事 村山 貞之

今年度から来年度にかけて、沖縄県から地域医療再生基金の一部をいただいて、沖縄県内のす べての初期研修病院が合同で研修病院合同説明会に参加する企画を実行してきている。研修病院 合同説明会は、いくつかの専門業者が主催する会であり、第1 回目の参加は、今年の4 月29 日 に開催されたe- レジフェア PREMIUM in 東京で、今回が2 回目の参加であった。私は、担当理 事としての参加で、このような催しには初の参加であった。行ってみて驚いたのは、その規模で ある。インテックス大阪という国際展示場で行われたが、この大きな会場を所狭しと多数の病院 群がブースを構えており、壮観であった。大阪で行われているので当然、関西、中四国の病院群、 あるいは県の合同ブースが多いが、その他の地域からの参加もそれなりにあるようであった。

われわれのブースは、沖縄の研修病院15 病院が一緒になり、「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」 と命名し、大きな一つのブースを作り、県立病院群を真ん中にして右にRyuMIC 群、左に群星沖 縄の研修病院を配置する形で作られた。前回、それぞれの病院群の間が狭く、病院群間の移動に 支障があったため、今回は通路を設けて、訪問者が自由に行き来できるように工夫されていた。

前回の報告でこの「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」の目論見は紹介されているが、再度紹 介すると、研修医教育で全国的に有名な中部病院を目当てに来る学生さんたちに、「沖縄には他に もこんなに充実した研修病院があるんですよ」と紹介し、最近やや減少してきている沖縄での初 期研修医の数を増やすことにある。来訪者があれば、まず真ん中に陣取った各病院群のコーディ ネーターが沖縄での研修のことを用意したパンフレットを使って説明し、そのあと希望の研修病 院の担当者にバトンタッチするという段取りで、その担当者との話が終われば他の病院を紹介し、 出来るだけいくつかの病院の説明を受けてもらうというシステムである。

10:00 から開始されたが、あいにくの雨とレジナビ全体受付の不手際があり、実際に学生が訪 れ始めたのは11:00 近くであったと思う。その後は、ひっきりなしに多数の学生が訪れ、参加者 も昼食もまともに取る暇もなく、それぞれの役割を果たされていた。皆様、お疲れ様でした。私 の役割は全体を観察することであったが、折角だったので、琉大病院研修の説明を担当の研修医 たちとともに少し行ったりしてみたが、沖縄での研修に興味を持ってくれたのではないかと思う。

終了後のレポートを見ると、全来場者が1,506 名、そのうち沖縄ブース来場者が190 名、3 研 修群すべてをまわった者が69 名と、まずまずの成果ではなかったかと思う。医学部5 年生が 85%と多く、今年度の研修医マッチングの向上に必ずしも繋がらないかもしれないが、来年度か らが楽しみである。