北部地区医師会病院 中村 洋祐
北海道から沖縄にやってきて早2 年になりま す。沖縄の生活も慣れてきました。
私は秋田県の横手市という県内有数の豪雪地 帯で高校までを過ごし、大学時代と医師になっ てから7 年間を北海道で暮らしました。北海道 で暮らした街は札幌市、室蘭市、旭川市、滝川 市(滝川市は名護市の姉妹都市であります)で す。雪のないところでは生活しないだろうと思 っていましたが、縁あって現在沖縄で働いてい ます。
今回は雪国と南国での食べ物の違いや、自分 の好きな食べものの思い出などをお国自慢や宣 伝も兼ねて書いてみることにしました。
沖縄はおいしい食材を手軽にそして身近に楽 しむことができるのではないかと思います。沖 縄の魚はおいしいと思います。新鮮な魚が近く の市場やお店で手軽に買うことができるのが嬉 しいです。よく沖縄の人からは北海道の魚のほ うがずっとおいしいでしょうと言われます。確 かに北海道で獲れる魚もおいしいですし、蟹も おいしいです。ですが、それらを楽しむには相 応のお店でそれなりの投資をしなければなりま せん。普段の食卓で蟹がでてくることは残念な がら自分の経験上ありませんでした。北海道で も漁港のある町に住んで市場に行けば新鮮な魚 を低価格で手にいれることはできると思います が、そういうことをできる人は北海道でも限ら れた人数だと思います。
沖縄そば大好きです。沖縄そばの店はどこに 行っても自分はおいしいと感じます。北海道は ラーメンがおいしかったです。札幌ラーメン、 旭川ラーメンそれぞれ特色があっておいしいで す。沖縄そばもおいしいですが、日本そばも好 きです。自分が一番好きな蕎麦屋は、幼少時代から食べていた秋田の西馬音内という町にある 蕎麦屋さんです。西馬音内は国指定重要無形文 化財である西馬音内盆踊りが行われる町なので すが、蕎麦屋さんが何件かあります。調べてみ たら西馬音内そばの特徴は、「つなぎに布海苔 を使い、独特の風味とコシに特徴がある。冬で も冷たいかけそばいわゆる、冷やがけを食べる のが地元では定番である。」とのこと。確かに 冷やがけをよく食べてました。今でもそばとい うと冷たいそばのほうが好きなのは、西音馬内 そばの影響なのかもしれません。沖縄そばもお いしいですが、たまに無性に日本そばが食べた くなります。大宜味村でそばの栽培を行ってい るようなので、頑張ってほしいと思っています。 そばではないですが、実家の横手市は横手やき そばというB 級グルメで町おこしをしていま す。市販の沖縄そばで焼きそばを作ると横手焼 きそばみたいな感じになります。麺が似いるの でしょうか?
沖縄に来て豚肉のおいしさを知りました。沖 縄ブランドの豚肉はとてもおいしいです。鶏肉、 牛肉もおいしいです。やぎは自分は得意ではな いですが、羊と似ている所があると思います。 妻の実家である滝川市はジンギスカンが名物な のですが、羊の文化があるせいなのか、羊料理 の専門店があります。ラムコースというのがあ って、羊のいろんな部位を使った料理が楽しめ ます。メニューの一例をあげてみると、胃袋の トマト煮込み、手抓肉(シュウパウロウ:モン ゴル風塩煮 とてもおいしいです。)、脳みその フライ(一度食べたことあります。くせもなく白子みたいな感じでした。プリオンのことを考 えるとちょっとですが・・・)滝川市は札幌か らJR で50 分なので、もし札幌に来る機会が ありましたら足をのばしてみて下さい。
酒は自分は強くはないですが好きです。沖縄 の泡盛は安くておいしいと思います。秋田で酒 といえば日本酒です。問診で「お酒は何を飲み ますか?」という質問に日本酒の銘柄を答える 人もいます。日本酒は大吟醸といったおいしい ものを飲もうとすると結構な出費になります。 また、日本酒に合う肴を用意するのは結構難し いです。自分の感想では泡盛はビール感覚で色 んな料理に合うと思います。デイリーに飲むに は泡盛のほうがコストパフォーマンスはよさそ うです。
沖縄のタイモの畑を見たときに、秋田のサト イモ畑を思い出しました。タイモもサトイモも 仲間だと思いますが、秋田ではサトイモのこと を「いものこ」と呼び、収穫される秋にはいも のこ汁といってサトイモを入れた味噌汁をよく 食べます。山形の芋煮会と似ていますね。
秋田の人は漬物をよく食べます。昔は冬の保 存食として食べていたのがルーツでしょう。沖 縄のスーパーにも漬物は売っていますが、内地 のものが多い気がします。自分は塩分のことを 考えて漬物はあまり食べませんが、秋田の漬物 は種類も多いしおいしいです。たくあんをいぶ した「いぶりがっこ」が好きです。
暇があると食べ歩きに出かける夫婦共通の楽 しみです。これからもおいしいものを探して沖 縄を彷徨いたいと思います。