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岩手県大槌町への寄附金贈呈式

玉城信光

副会長 玉城 信光

去る6 月13 日、岩手県大槌町において寄附 金贈呈式を行ってきたので報告する。

昨年3 月11 日発生した東日本大震災で多大な 被害を受けた岩手県大槌町への災害医療支援班 派遣にあたっては、派遣費用として支援金を募っ たところ多くの会員等から寄附をいただいた。

その後、沖縄県やJMAT を通して災害救助 法に基づく経費の支給があったことから、寄 附金に残額が生じたため、理事会での協議の 結果、岩手県大槌町に寄附することとなった ものである。本会から大槌町への寄附金額は、 11,404,140 円である。

寄附金贈呈式では、大槌町碇川豊町長から寄 附に対するお礼が述べられるとともに、現在復 興に向け、職員はじめ多くの町民の方々と全国 各地からのボランティアの方々で頑張ってい る、寄附金は今後の町の復興のために活用させ ていただくとの言葉があった。

大槌町への寄附金贈呈式(右が碇川町長)

大槌町への寄附金贈呈式(右が碇川町長)

贈呈式終了後、大槌町の先生方と懇親の場を 設けていただいたところ、9 名の先生方に参加 いただいた。先生方から昨年の医療支援班の派 遣に対し感謝の意が述べられるとともに、多額 の寄附をいただいたことにお礼の言葉をいただ いた。先生方は、震災から1 年余経過している が遅々として再生は進んでいない、豊かな海と 山々に囲まれたふるさと大槌町を復興させてい きたいと強い思いを語っておられた。

大槌町内は、大型スーパーが開店するなど復 興の兆しを感じることができたが、いまだ震災 の被害が色濃く残っており、復興にはまだ時間 がかかると思われる。沖縄県医師会としては、 多くの会員のご支援ご協力に改めて感謝申しあ げるとともに、引き続き支援していきたいと考 えているのでご支援ご協力をお願いしたい。

城山体育館から望む大槌町

城山体育館から望む大槌町

印象記

副会長 玉城 信光

大槌町へ支援金の贈呈

1 年ぶりに大槌町へ行ってきた。1 年ぶりの釜石は少しづつ、商店やホテルが開業している。釜 石を過ぎ大槌へ近づいていくにしたがい、昨年と同様の光景が続いている。しかし、ところどこ ろ瓦礫の山があり、多少の整理はついてきたのかと思われる。大槌町の入り口に大きなスーパー が開店し駐車場には車が一杯である。

津波でほとんど流された集落の上のほうに無事な住宅が散見されるが、住人はいない様である。 集落の人々がいなくなった場所に1 〜 2 軒の家があっても生活の基盤にはならないようだ。

花巻空港からタクシーにのり2 時間弱、国頭村奥まで来たのではないかと思われるほどタクシ ーに乗った頃、焼け焦げた大槌神社の鳥居が目に入った。城山体育館は何もなかったかのように 静かなたたずまいであった。城山から写真を撮ったが昨年と変わりはなかった。唯一体育館前の 庭に小学校と中学校の卒業生のタイムカプセルが埋められ、標識が立てられていた。

城山をおり、仮設の役場にいき碇川町長にお会いした。大槌町の今後の復興の予定がおよそ確 定したとのことであった。来年には復興の槌音が聞こえるかも知れない。医師会の皆さんから寄 せられた支援金を無事贈呈することができた。役場の職員が少ない大槌町は全国から応援の方々 が来ており、わが沖縄県からも県庁と豊見城市からお二人が応援に駆けつけているようである。 豊見城市役所の赤嶺さんにお会いして激励の言葉をかけることができた。沖縄県もがんばってい るのである。

大槌の医師会の先生方が歓迎してくれ楽しい夜をすごした。大槌一?のレストランに招待を受 けた。震災から1 年が経過し三陸の海の幸が沢山並んでいた。食べきれないほどのご馳走が並べ られ、岩手一のお酒をご馳走になった。食べきれない料理はお持ち帰りができるようである。先 生方も徐々に元気を回復しており、道又先生、植田先生、大槌病院の岩田院長もお元気にご活躍 の様子である。住民の生活の復興が医師会の活性化にもつながり、もとの活気が戻ることを期待 している。

大槌を後にして釜石のホテルへ戻った。新しいホテルの前にある一軒のビルにネオンが輝いて いるのを見つけた。釜石の庶民の暮らしぶりの視察をしなければならないのでネオンのもとに入 ってみた。もう大丈夫である。多くの市民の賑わいと美しい大槌のママさんの元気な声が届いて いた。

これからも皆で釜石、大槌へ行こう。