副会長 玉城 信光
去る4 月29 日(日)、東京国際フォーラムに おいて開催された「e- レジフェアPREMIUM 2012 in 東京」について以下のとおり報告する。
【目的】
沖縄県の15 臨床研修病院が合同で説明会へ 参加し、来場する医学生・研修医を効率的に「オ ール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」ブースに集め、 研修医確保につなげる。
【ブース】
RyuMIC 群2 ブース、県立病院群2 ブース、 群星沖縄研修群2 ブース、県医師会2 ブースの 計8 ブース(1 ブース:横3m ×縦4m)で出展した(図1)。
当ブースでは下記のとおりルールを設け運営した。
1)出入り口にて、ブース内への来訪者に「来訪者カード(図2)」と「パンフレット(図3)を配布した。
2)県医師会スペースにて、「来訪者カード」を 記入いただいた後、「パンフレット」をもと に沖縄での研修について説明を行った。
3)2)終了後、「来訪者カード」にある質問事項 「どの研修群・研修病院の情報が知りたいで すか?」を確認し、チェックのあるブースへ誘導を行った。
※チェックのあるブースが満員の場合、チェ ックの無い群・病院のスタッフに声かけし、 県医師会スペースにおいてチェックのあるブ ースが空くまで、その群・病院の説明を行っ た(空き次第誘導)。
4)各群・各病院での説明終了後、来訪者カー ドを回収した。3 群から説明を受けた者には USB メモリをプレゼントした。
図1:「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」ブース
図2: 来訪者カード
図3: パンフレット
【e- レジフェアPREMIUM 2012 in 東京の概要報告】
当フェアへの総来場者数は1,361 名で、出展機関は130 機関であった。学年別来場者数は、 6 年生379 名、5 年生631 名、4 年生294 名、 その他の学年28 名、研修医29 名であった。
その内、オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブ ースへの総来訪者数は260 名で、学年別来訪者 数は、6 年生26 名、5 年生167 名、4 年生60 名、 3 年生4 名、未記入3 名であった。なお、来訪 者カードを回収できなかった方が十数名いる ので、オール沖縄ブースへの総来訪者数は270 名前後と考えられる(図4)。
図4:来場者内訳
【来訪者へのアンケート集計結果について】
「各研修群・研修病院に何を聞きたいです か?」については、研修プログラムと回答した ものが全体の24.5%(150 名)を占め、次いで研修環境20.9%(128 名)、病院全体に16.8% (103 名)の順であった。
「どの研修群・研修病院をまわりましたか?」 では、県立病院群が全体の44.3%(212 名)を 占め、次いで、群星沖縄研修群29.9%(143 名)、 RyuMIC 群が25.9%(124 名)の順であった。 また、全体の40.3%にあたる105 名が3 研修 群全てから説明を受けた(図5)。
図5:アンケート
【反省点・意見等】
・ 県立病院群では、約20 名の説明者で対応し た。来訪者に対しスムーズに説明することが できた。県医師会ブースにおいてパンフレッ トを使用し、オール沖縄全体の説明に携わっ た。また、来訪者カードを基に、各研修群ブースに来訪者を振り分けることができた。
・ 群星沖縄では、今回事務も多数参加したが次 回からは事務は減らし、研修医を多数参加さ せ、来訪者への説明者(研修医)として調整 していきたい。
県医師会ブース内で、オール沖縄説明者の6 名の先生方のトリアージがうまくいった。群 星沖縄内からは、入口がわかりづらいという 意見が出されていた。
・ 来訪者への説明の際、群の説明を優先するべ きか、自院の説明を優先するべきか迷った。
・ RyuMIC 群のブースでは、単体で参加した時 より、はるかに多くの来訪者が訪れた。また、 今回来訪された学生から、病院見学の問い合 わせもある。早くもオール沖縄で参加したこ とにより、効果が表れている。
【次回】
来る平成24 年7 月1 日(日)、インテック ス大阪において開催予定の「レジナビフェア大 阪2012 in 大阪」に出展予定である。
印象記
e−レジフェア東京に参加して(オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜)
沖縄県病院事業局 医療企画監
篠崎 裕子今年4 月29 日に東京で開催されたe −レジフェアに参加された各臨床研修病院群の皆様、お疲れ様でした。
沖縄県内3 つの臨床研修病院群合同で初の取り組みとなったイベントへの出展でしたが、「全臨 床研修病院フルマッチ!!」という一つの目標に向けて、お互いの臨床研修病院群が研修医の獲 得に向けて協力し合っている場面を拝見させて頂きましたが、今回のような「オール沖縄での取 り組み」というのが、将来の「沖縄の医療の発展」のためにみんなで考えるいいきっかけになる のではと期待しております。
来る7 月1 日に開催される「レジナビ大阪」にも「オール沖縄」で出展することとなっていますが、 「全臨床研修病院フルマッチ!!」を目標に皆様で力を合わせてがんばっていきましょう!!
最後に、今回の取り組みにご尽力頂いている県医師会の皆様に敬意と感謝を申し上げます。
印象記
群星沖縄 浦添総合病院
研修管理委員長 福本 泰三4 月29 日(日曜日、午前10 時〜午後5 時)、東京国際フォーラムにて「e レジフェア2012in 東京」 が開催されました。“オール沖縄赤瓦プロジェクト” と称し、オール沖縄として初めて合同ブース を出展しました。沖縄の卒後臨床研修制度について説明する沖縄県代表団の中の一人として参加 させていただきました。
沖縄県では県立病院群/ 琉球大学中心のRyuMIC 群/ 臨床研修プロジェクト群星沖縄群の3 つ の卒後臨床研修プログラムに年間合計130 〜 150 人程度の新研修医が集い臨床研修を受けており ます。臨床研修制度が始まった当初は臨床研修のマッチングでは人気の高い県として有名でした。 しかし最近では、募集定員割れが増加傾向にあり、やがて沖縄県全体の募集定員自体がさらに削 減されることが懸念されております。沖縄県全体で初期研修医をよりたくさん確保し、近い将来 の地域医療の充実を図りたいとの思いで、沖縄県の予算を後ろ盾とし沖縄県医師会が中核となり 今回のプロジェクトが行われました。
沖縄県ブースを訪れた医学生が総勢260 名でした。これらの医学生を自分を含めた各研修群の代表2 名ずつの6 人でトリアージしながらできる限り3 つのプログラム全部の説明を受けていた だくように各研修病院群のブースへと誘導しました。その結果として沖縄県ブースを訪れた医学 260 名のうちの105 名は、沖縄県立病院群・RyuMIC・群星沖縄群の3 研修事業の全てで説明を 聞いていただくことができました。
全国から110 施設余りの施設や病院群がブースを出しておりますので、医学生としても優先順 位の高い施設を中心に訪問したいのがやまやまだと思われます。しかしかなりの時間を費やして 沖縄での3 研修群のブースを訪問いただいた医学生が105 名いたことはある意味今回のプロジェ クトは成功裏に終わったものと考えます。
これまで研修施設として医学生からの人気をうまく集めることが難しかった沖縄県内の数病院 のブースでも、たくさんの医学生が説明を聞いておりました。県立中部病院や県立南部医療セン ター・こども医療センターの説明をぜひ優先的に聞きたいと訪れる医学生がかなり多くいるなか で目的病院からの説明を聞くまでの待ち時間を効率的に利用し、県立病院群以外のプログラムの 説明を聞いてもらえたのだと思います。
今回“オール沖縄赤瓦プロジェクト” で説明を受けた医学生が、将来沖縄県内で医師としての 研鑽を始めその結果、地域の医療を支える一つの歯車として卒後臨床研修後も活躍していただけ ることを願ってやみません。
印象記
「e レジフェア2012in 東京」印象記
琉球大学医学部附属病院地域医療システム学講座
小宮 一郎去った4 月29 日に東京フォーラムで開催された、「e レジフェア2012in 東京」にRyuMIC・琉 球大学医学部附属病院の担当者として参加させていただいた。結果的には大成功に終わったと思 われる「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」であるが、参加されていない医師会の会員の皆様に 全体の印象について臨場感をもってお伝えしたい。
「e レジフェア2012in 東京」は運営する会社の社員達のすさまじい大声の挨拶にまず度胆を抜 かれた。東京フォーラムの地階にある展示場入口にズラリと並んだ黒の背広姿の社員達である。 運営会社の意気込みを感じるとともに、高い参加費の事もチラリと脳裏に浮かんだ。会場に入る と正面には参加の施設を示した大きなマップが掲示され、先ほどの社員の一人が沖縄県のブース に案内してくれた。沖縄の関係者は数名しかおらず、設営の準備に取り掛かっていた。「オール沖 縄〜赤瓦プロジェクト〜」のブースは会場の最後部ではあるが、中央にあり、両側に他県の施設 が並んでいる箇所を通過し、突き当りの位置に設営された。学生が歩いて行くと行き止まりとなり、 沖縄のブース全体を真正面に見えるという、最高の立地であった。
次第に県内の関係者が集まり、向かって左に「群星沖縄研修群」、中央に「県立病院群」、右に 「RyuMIC」に所属する各施設が陣取った。各研修群間の境界は勿論ない。午前10 時の開場には 時間があったので、会場内の他県・他施設を視察してみた。中でも目についたのが、北海道と千葉県のブースで、北海道は20 施設くらいが壁際にズラリと並び、この催しに対する意気込みが感 じられた。北海道と沖縄の間には千葉県の30 施設くらいが通路の両側に並び壮観であった。今 回の中で一番のスペースを占めていた。さらに沖縄の隣には三重大学医学部附属病院単独の小さ なブースがあり、有名な赤福を先着20 名に配布すると書かれていた。ちなみに「余ったらもら えるか?」とお聞きしたが、予想通り断られた。三重県は大学病院以外の参加はなかった。目に ついたのはこのくらいであった。
宮城征四郎先生をはじめとした研修指導者も集まり始め、午前10 時から午後5 時までの長丁場 の説明会が開始された。私は「ちゅらSim」のかりゆしウェアに着替えて、対応に当たった。その 後の事は、他の先生方も本誌に書かれているので省略するが、県内の研修群3 か所全てを訪れた 学生は105 名(ご褒美の4G のUSB メモリーは100 個しか用意せず)で、総勢260 名の学生が「「オ ール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」を訪問してくれた。大成功である。大成功の理由はいくつかあ ると思われる。第一に場所、第二に垣根を取り払った「オール沖縄」、第三に県立中部病院の人気、 第四に研修医の参加であろうか。千葉や北海道は各施設がそれぞれ別個にブースを開いていたの で、横の繋がりに欠けていた。費用がかかった割に、効率は大変悪かったと思う。学生の県外実 習でお世話になった北海道の公立病院の院長からは沖縄の一体感を大変羨ましがられた。
午後5 時が過ぎ、終了と共に沖縄の関係者からは笑顔がこぼれ、集合写真を撮影して「次回も オール沖縄でやろう」と誓い合い、三々五々会場を後にした。来年は他県・他施設も沖縄に倣い、 統一ブース設営などの工夫をしてくる可能性がある。当方は来年に向けての新たな対策も必要で ある。一体感のあるかりゆしウェアを新調するのも一考であるが、一番は各研修群が切磋琢磨し て県内の初期研修のさらなる充実を図り、同時に全国へのアピールも行う事であろうか?
とても充実した「e レジフェア2012in 東京」であった。次回には今回参加されていない先生方 が参加されることを願い、稿を終えたい。
印象記
“e-レジフェア2012in 東京” に参加して
副会長 玉城 信光
沖縄県は初期研修のメッカである。今年4 月に「おきなわクリニカルシミュレーションセンター」 のオープンをみた。シミュレーション教育にオール沖縄で取り組んできた。その延長にオール沖 縄で研修医を勧誘しようという「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト」が結成された。
沖縄の研修病院15 病院が一緒になり、東京フォーラムで医学生向けに研修説明会が行われた。 県立病院群を真ん中にして右にRyuMIC 群、左に群星沖縄の研修病院を配置して勧誘が始まった。 大きな東京フォーラムの中で出口近くの場所である。なかなか学生が来ないので心配していたが、 時間が経つにつれ多くの医学生が集まってきた。
彼らの最初の目当ては県立中部病院の話を聞きたいとのことである。コーディネーターがすべ ての沖縄の研修システムを説明し、中部病院を中心とした県立病院群へ案内し、県立病院群の説 明が終わった時点でRyuMIC、群星沖縄の説明も受けるようにすすめている。一人の学生が3 群を回る間沖縄のブースに人があふれているのである。他県でも大きなブースを構えている県もあ るが、各々の病院を案内するだけで隣の病院の案内をしている様子はない。“オール沖縄” の心意 気が感じられる沖縄のブースである。
私の役割はあまりないので他のブースの偵察に行ってきた。学生さんの目当ては都内の病院で あることがよくわかる。慶応や東京医科歯科、順天堂など有名大学には多くの学生が訪れている。 しかし単一の大学でできることは限られているはずである。また有名な病院には研修医が多く一 人当たりの症例数がすくないとも聞こえてくる。若い間は多くの経験を積むことが立派な医師に なる条件だと考えているので沖縄では多くの経験ができる教育をして欲しいと思っている。また 3 つの研修群が相互に研修乗り入れができるようになることでオール沖縄の価値が上昇すると思 われる。
他の施設の人々が「オール沖縄」を偵察にたくさん訪れて頂いた。モデルになるセット配置と 熱気を感じてくれるといいのではないかと思う。
来訪学生さんの数が260 名にも上った。全来訪者1361 名の19.1%が我がブースを訪れたので ある。また260 名中105 名は3 群を回ってくれた。3 群の説明を受けた人にはUSB 進呈をした のだが、準備した100 個を5 名上回り5 名には迷惑をかけてしまった。
大成功であった。後片付けをする皆の顔にも満足な笑みが浮かんでいた。オール沖縄の力強さ が発揮された1 日であった。美味しいお酒の飲めた宵であったであろうと推測する。医師会のス タッフも日本一美味しい焼き肉で乾杯をしたのである。