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沖縄県医師会平成24年度研修医歓迎レセプション

玉井修

理事 玉井 修

平成24 年4 月13 日(金曜日)19:00 より、 沖縄県医師会館3 階ホールにおいて沖縄県臨床 研修医歓迎レセプションが開催されました。今 回で3 回目を迎え、毎年仲井眞弘多沖縄県知 事からも歓迎のご挨拶を頂いております。オー ル沖縄で臨床研修医を歓迎しようという会で、 全国でも類を見ない試みであります。この様な 形で臨床研修医を迎える事は、県立病院群、群 星(むるぶし)沖縄、RyuMIC の3 つの研修病 院群がそれぞれに切磋琢磨しつつも、一人一人 の研修医に対して最適な研修環境を提供する ために研修病院群の垣根を越えた連携を密に していく姿勢を示すものです。実際、後期臨床 医に対してはこれまでも研修病院群を越えた 人材交流がなされておりましたが、今後は初期 臨床研修の時期から積極的なリンクが計画さ れています。

会の冒頭、仲井眞知事を囲んで127 名の新 臨床研修医との集合写真を撮ったのは、非常に象徴的な出来事でした。また、去った12 月の 沖縄県医学会総会における最優秀賞1 名(沖縄 協同病院 永村良二先生)、優秀賞2 名(那覇市 立病院 喜名みちる先生、林裕樹先生)の表彰 が行われました。代表して、最優秀賞を受賞し た永村先生からご挨拶があり、その中で臨床研 修医として一例一例の症例を大切にして、真摯 に学ぶ姿勢の大切さを語って頂いた事は何より のピア・エデュケーションになったものと思い ます。

各施設からの研修医の紹介は、毎年趣向を凝 らした一芸を見ることができ、臨床現場で共に 支え合う仲間同士の連帯感を感じる一コマでも あります。第3 回目を迎えて、この歓迎レセ プションも少し風格が出てきたような気がしま す。127 名の新臨床研修医とその指導医でほと んど身動きもとれないほどに混み合う会場であ りながら、何かしら落ち着いたムードが漂い、 臨床研修医というのも実は新社会人の一員であ り、社会人としての自覚と責任感が一人一人の 研修医に宿っているのだと気がつきました。

研修医代表挨拶

大浜第一病院 初期研修医1 年 原田 大幹

本日は私たち、新人研修医のために、このよ うな歓迎レセプションを開いていただき、誠に ありがとうございます。

琉球大学を卒業した私は学生生活を送ったこ の沖縄で、医師人生の第一歩を踏み出せたこと を非常にうれしく思っております。しかし医師 としての第一歩を踏み出し、かっこいい医師に なりたいという熱い思いがある反面、自分に対する不安と期待の狭間で揺れ動いています。今 日は、この会に参加して、自分には多くの仲間 がいることが確認でき、心強く思えました。

臨床研修において、重要な要素はたくさんあ ると思いますが、出会いというものは特に大切 なもので、すべての出会いが掛け替えのないも のです。

どういった研修を治めるかということは、自 分次第とも言われますが、自分一人よりも仲間、 そしてライバルがいることで研修をより良いも のにできると私は信じています。今日ここに多 くの同期と出会う機会をいただきました。

今日のこの出会いを大切にし、仲間であり、 ライバルである多くの同期とともに、沖縄を、 日本を、そして世界を少しでも元気にし、人々 の幸せに貢献できるよう努力することを誓っ て、研修医代表の挨拶とさせていただきます。

挨拶する宮城信雄会長

挨拶する宮城信雄会長


挨拶する仲井眞弘多知事

挨拶する仲井眞弘多知事


挨拶する村山琉球大学医学部附属病院長

挨拶する村山琉球大学医学部附属病院長

※当日レセプションに参加いただいた研修医の 先生3 名にインタビューを行いましたので、以 下のとおり紹介いたします。

○大浜第一病院 原田大幹先生

原田大幹先生

質問1.医師を目指し た理由についてお聞かせ下さい。

私は元々、家具屋で 働いていました。自分 が作った物が他人の生 活に入り込み、その幸 せに一役買っていると考えると嬉しく、そして 楽しくなる仕事でした。そんな矢先、一人の友 人が亡くなり、自分の作った物ではなく自分自身が人の生活に直接かかわって、その人を幸せ にできる仕事がしたいと思うようになりまし た。そして、人の幸せに直接かかわれる仕事と して、医師を選びました。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望 されていますか?また、所属している研修機関 を選んだ理由をお聞かせいただけますか?

医師として必要な知識、技術、経験を出来る 限り多く得ることが臨床研修に対する希望で す。それは出会った症例を大切にする事で得ら れることだと思っています。

初期研修の間に出会える症例は、他の研修病 院に比べて それほど多くないかもしれません が、1 例1 例を大切にじっくり考え経験できる 病院だと感じました。また、研修内容やシステ ムに関し研修医が直接関わり、作り上げていく 事がとても魅力的でした。そして、指導医の先 生方が型にはまらず、研修をより良いものへ改 善していこうという意欲をもっていることも病 院を選んだ理由です。

質問3.将来どのような医師になりたいです か?お聞かせ下さい。

人との出会いを大切にし、患者さんはもちろ ん、周囲にいる人の幸せに少しでも貢献できる 医師になりたいと思っています。

挨拶する仁井田りち沖縄県医師会女性医師部会副部会長

挨拶する仁井田りち
沖縄県医師会女性医師部会副部会長


挨拶する大屋祐輔おきなわクリニカルシミュレーションセンター長

挨拶する大屋祐輔
おきなわクリニカルシミュレーションセンター長


沖縄県医師会医学会賞(研修医部門)表彰式

沖縄県医師会医学会賞(研修医部門)
表彰式

○琉球大学医学部附属病院 島袋わかな先生

島袋わかな先生

質問1.医師を目指し た理由についてお聞かせ下さい。

理由は主に3 つあり ます。まず第一に、目 の前で倒れて苦しんで いる人に対して何か対 処をすることができ、少しでもその方にとって お役にたてるというのと、それができる人が来 るまでただ待つしかないのとでは大きく違うと 感じたことです。第二に、幼いころから、人の 体が動いたり走ったり、病気になったり治った りすることに関して、いったいどんな仕組みに なっているのか興味があったことが挙げられま す。最後に、医師という職業は死ぬまで選択肢 が幅広いということが理由の一つです。研究を するもよし、臨床をするもよし。最先端をする もよし、へき地医療に従事するもよし。たくさ んの科から専門も選べます。生涯学習をするに 当たって、楽しみながらその都度自分に合った 選択ができるところに魅力を感じたからです。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望 されていますか?また、所属している研修機関 を選んだ理由をお聞かせいただけますか?

幼いころから望んでやまない医師となれた 今、臨床研修は理想の医師像に近づけるように 基礎となる土台作りを一生懸命にする時期だと 考えております。せっかくたくさんの科をロー テートするのですから、各科の先生方に積極的 に質問をしたり実践的な手技を教えていただいて、身につけるべき一通りの手技と知識をしっ かり根付かせることが目標であり希望です。

私は出身大学は他県でしたが、やはり地元沖 縄県で初期研修をすることで少しでも貢献した い気持ちが強く沖縄県での研修を決めました。 中でも琉球大学医学部附属病院を選択した理由 として、大学病院は臨床のみならず研究・教育 機関でもありますし、関連病院もとても多く、 医師を目指した理由の一つでもある今後の選 択肢の多さが圧倒的であったことが挙げられま す。また指導してくださる先生の数も多く指導 体制がしっかりしていると考えましたし、認定 医や専門医の資格を取得するうえでも目的に向 かって一番の近道であると判断しました。

質問3.将来どのような医師になりたいです か?お聞かせ下さい。

私自身が少しでも歯痛があったり腹痛があっ たり、ニキビ一つができただけでも心までブ ルーになることから考えても、病院にかかるほ どの症状を訴える患者様は、身体の苦痛はもち ろんのこと、心の痛みは計り知れないと思い ます。ですから知識や技術でしっかり対処でき るようになりたいのはもちろんのこと、忙しい 毎日の中でも出来るだけ患者様の心に寄り添え る、頼られる医師になりたいです。

○沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 細川博昭先生

細川博昭先生

質問1.医師を目指し た理由についてお聞かせ下さい。

元々サッカーが好き だったので、将来はサッ カーに関わる仕事に就 きたいと昔から漠然と 考えておりました。中学、高校と進んでいくに つれ、怪我でサッカーができなくなった仲間を 多く見てきましたし、私自身もそのような時期 を経験しました。このようなスポーツ選手に対 して怪我を治し、元通りサッカーができるよう にするためのスポーツドクターになりたいと思 い、医師を目指しました。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望 されていますか?また、所属している研修機関 を選んだ理由をお聞かせいただけますか?

まずは、目の前で倒れた人に対して、焦らず に初期対応できるようになりたいと思います。 そのためには、多くの患者さんを診る必要があ るだろうと考え、当院に見学に来ました。その 際に、教育熱心な内科の先生方やER での研修 医の先生方の動きの速さを見て、当院での研修 を希望しました。今のところ小児科希望ではな いため、「こども医療センター」であることは あまり気にせず、見学に来た時の印象で決めま した。

質問3.将来どのような医師になりたいですか?お聞かせ下さい。

スポーツドクターは、選手のトータルケアを 担当する分野と、怪我に対する治療を担当する 分野があります。

日本では現在、両者が明分化されているわけ ではないですし、私自身どちらを専門とするか を決めていないため、具体的にどうなるかはま だわかりません。

ただ、怪我で引き起こされる不安や精神的苦 痛を少しでも和らげ、復帰後も怪我を気にせず プレーさせてあげられるような医師になりたい と思います。

乾杯の音頭をとる伊江朝次病院事業局長

乾杯の音頭をとる伊江朝次病院事業局長


研修医の紹介

研修医の紹介


県立中部病院研修医による余興

県立中部病院研修医による余興

当日の会場の様子