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北海道に旅行して

中頭病院 内科
小田口 尚幸

娘の中学受験が終わったらさっぽろ雪まつり にあわせて北海道旅行をしようと以前から決め ていた。大雪で大変な思いをされている方も多 いと思うが家族全員が南国育ちであり、雪には 特別な思いがあった。3 泊4 日の日程であった が、その頃は北海道も含め日本は例年になく寒 波に見舞われていた。日程が近づくにつれて天 候は回復し無事出発できた。新千歳空港から電 車に乗り札幌駅の地下道を通って外に出た。18 時過ぎで暗く、道路はこおり、粉雪が降ってい た。さっそく積もっている雪を触ると軽く羽 毛のようであった。歩道脇の踏まれていない積 雪の上を歩いてみると靴がずぼっと入ってしま う。雪玉を作ろうとしたがさらさらしていて作 れない。ホテルまで200m ほどであったが歩道 脇の雪を見捨てがたく、なかなか着かなかった。 2 日目は滝野すずらん丘陵公園という札幌から 地下鉄とバスを乗り継いで1 時間半ほどの公 園へ行った。公園といってもとても広くスキー やそりができ、特にチューブソリが人気のよう であった。当然だが一面、きれいな真っ白でキ ュッキュッと雪を踏みしめながらしばらく歩い た。ソリといえば通常プラスチック製の子供が 良く乗るソリを連想するが、チューブソリはそ の名前の通り30cm ほどのチューブを円形にし、 その中に尻をいれ滑るソリであった。チューブ ソリのコースは直線とS 字があり、直線コー スは5 レーンほどあり200m ほどであったと思 う。上まではチューブソリに乗ったままワイヤ ーで引っ張られ快適であった。いよいよ滑るこ とになり尻をいれスタンバイする。前の方が滑 り終わり歩き出したところで滑り始めた。あっ という間であったがスピードは結構あり冷たい風が気持ちよかった。2 回ほど滑りS 字へ移動 した。S 字は1 コースしかなくしばらく順番を 待った。順番が来て座ると後ろから押してくれ る。これはやや恐怖を覚えるほど右へ左へ振ら れスピードもあった。これは3 回滑った。来場 者が多くチューブソリ待ちのアナウンスが数回 あったのでここまでとしソリを返却した。娘の 1 つ上の息子はチューブソリをみて、女と子供 が乗るものだというようなことをいい説得した が乗らずベンチに座っていた。帰る時刻になり バス停のほうへ歩くと歩道の脇にだれも足を踏 み入れていない積雪があった。南国育ちの我々 はばたばたと前から後ろからやわらかい雪の上 に沈んだ。あるものはブーツが雪の中に入り抜 けず片方置いてくるものもいた。雪まみれにな った我々を周りの方々は信じられない眼で見て いた。3 日目は旭山動物園に行った。やはり電 車とバスに乗り継いで11 時のペンギンの散歩 を見た。ペンギンはゆっくりしか来ない。スタ ッフがマイクを持って説明していた。説明は観 客を沸かせ、笑わせ、期待を持たせる内容だっ た。やっとペンギンが来た。ただ目の前を通り 過ぎるだけであるが他の動物園でよく見るペン ギンよりも大型でまっすぐ前を見据えてちょぼ ちょぼと歩く姿はくっきりと記憶に残った。餌 やりの時間(もぐもぐタイム)のスケジュール をチェックしあざらしを見た。氷の穴からでて きて飼育員を追い回していた。トラもホッキョ クグマも同じような場所を飽きずに同じように 行ったり来たりしていた。トラは尿をかけると 聞いていたが尻を向けるとしっぽを上げ、あっ という間に観客にスプレーのように尿をかけて いた。我々とは離れたところでかけていたが、 あれはよけられない。レッサーパンダは高いは しごの上で眠りぴくりともしなかった。サル山 ではこざるがけんか?じゃれ合い?をしてい た。天気が良く雪が解け始めていた。観客は多 く感じた。旭山動物園は入園料が安く、また中 学生以下は無料である。交通費(電車とバス) と入園料のセットを札幌駅のみどりの窓口で買 ったのだが大人2 人、子供3 人で2 万円ほどであった。十分楽しんだ後、旭川駅の特急に乗 って席につくと同じ車両に今は南部の病院に転 勤した元研修医がいた。おーと声をかけどうし たのと話し世間は狭いと思った。家族連れで来 ており大きな荷物をしょっていた。札幌駅で別 れ、ホテルに帰った。当初の予定通り夜に雪ま つりを見に行った。雪まつりでは仮設の巨大な ジャンプ台からスノーボードでジャンプしてい た。自衛隊の巨大な雪像、後日崩れた雪ミク雪 像を見た。屋台も多くありやきとりやラーメン を食べたが大変おいしかった。メーカーによる 営業もありエアコンメーカーはガラス張りの部 屋を暖房しフラダンサーを踊らしていた。会場 が広すぎて引き返しコンビニに入ろうとした。 入り口に2 人の大柄な外国人が携帯電話で大声 で話していた。携帯に耳をあてながら、オネガ イシマースと声をかけられたが肩をすぼめ、腕 を広げ、わからないというジェスチャーで返し た。買い物をしコンビニを出たがその2 人が後 をつけてきた。家族によると横断歩道の手前で 止まったとき英語で話しかけていたというが英 語はわからないので耳には入らなかった。ホテルが見えたのでさっさと入り事なきを得た。

4 日目は午後の便で帰るためあまり時間はな かったが近くの赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁 舎)を見学した。見たこともないほどの大きな 楕円形二つの雪だるまがあり、屋根からつらら が下がっていた。中にはいると天井は吹き抜け のように高くとびらは大きかった。昼は雪をみ ながら「とんかつまい泉」でとんかつを食べ空 港へ向かった。途中JR 南千歳駅で降り大きな 荷物を引いてザックザックと千歳アウトレット モール・レラに行った。大きくはないがチュー ブソリで滑るところがあり娘たちは何回も滑っ た。息子は暖房のきいた部屋でスマートフォン をいじっていた。時間があまりなくシャトルバ スに乗って空港へというとき娘二人がダンボー ル迷路から帰ってこない。走って探すが見つか らず途方にくれたとき遠くに小さく見えた。幸 い人が多くなく大声で名前を呼びバスに乗せ た。家族に帰りの飛行機の中でどうだったと聞 いたところよかったとの返事が聞け、また別の 企画でがんばろうと思う次第であった。