副会長 玉城 信光
(1)九州医師会連合会常任委員・九州各県医師会次期日医代議員協議会
去る3 月10 日(土)、ホテルニューオータ ニ佐賀において標記協議会が開催されたので、 その概要を報告する。
協議の内容については、先に開催された九州 医師会連合会常任委員・九州各県医師会次期会 長合同会議の内容と重複しており、当協議会に おいて全会一致で承認されたことから割愛する こととする。
なお、今回の日本医師会役員選挙候補者であ る、横倉義武会長候補、今村定臣常任理事候補、 藤川謙二常任理事候補より挨拶が行われたこと から以下のとおり報告する。
挨 拶
○横倉義武日本医師会長候補
九州医師会連合会において次期日医会長候補者としてお認め頂き感謝申し上げる。
2 年前に九州医師会連合会のご推薦を受け、 日本医師会副会長候補として立候補した際、原 中会長選出後に副会長選挙に立つべきか九医ブロックの先生方と相談した末、選挙に出て当選させて頂いた。
副会長として就任するにあたり、一般社会か ら見てバラバラにならないような日本医師会に しなければならないという決意で望んだ。以後、 これまでの1 年10 ヶ月間、会内融和に取り組 んできた。その間、3 月11 日に東北大震災が発 災し、救護・診療支援・検案等について全国の 先生方にご支援ご協力を頂いたおかげで、日本 医師会は国民の健康を守るための活動を行って いるという評価を受けている。
昨年暮れの診療報酬改定が何とかプラス改定 になったことを受け、引き続きこの執行部で良 いのではとの迷いが私自身にもあったが、正月 休みの間に日本医師会が今の執行部のまま2 年 間務めることが果たして良いのかと考えた際、 スピード感のある政策決定の必要性と、更に会 員の声をくみ取る組織にならなければいけない ということを強く感じた。
そのような中、1 月28 日の九医連各種協議会の席上、立候補の要請を頂き、悩んだ末に決 心し、2 月17 日(金)に九州各県医師会長・ 副会長ご同席の下、記者会見を行った。現在、 全国各地に伺って、医師会の最も重要な役割で ある、地域医療の堅守と地域の医療機関の連携 並びに適正な運営に取組むことを訴えていると ころである。
先生方のご支援をいただき、決意と覚悟をもって毎日を過ごさせて頂いている。
昨日は近畿ブロック、その2 日前は中部ブロ ックの立会演説会に参加し、日本の医療をより 良くするために力を合わせていきたい旨のお話 をさせていただいている。
今回の立候補に際し、10 の提言をさせて頂 いている。その第一として挙げているのが、「日 本医師会の基本理念の明確化と発言」である。 日本医師会として明確な綱領を掲げていきたい と考えている。また、これまでの経験を踏まえ、 次の世代にいかにして地域医療を繋いでいくか 全国に提案していきたいと考えている。
残りの期間、全力を挙げて頑張って参る所存 であるので、ご支援よろしくお願い申し上げる。
○今村定臣日本医師会常任理事候補
この度の日本医師会常任理事選挙において九 州医師会連合会のご推薦を受け、感謝申しあげ る。思い起こせば6 年前、先生方の絶大なご支 援を受け日本医師会において仕事をさせていた だくことになった。当時は医療崩壊、就中産科 医療の崩壊が社会問題・政治問題となっており、 県立大野病院事件、看護師内診問題、妊婦のた らい回しによる死亡事件、産科医師の劣悪な労 務環境問題等があった。当時、前期執行部にお いて産婦人科医師が不在であったことを私ども は非常に問題であると認識していた。その後の 産科医療保障制度の創設、医政局長通知による 内診問題の解決、労務環境の改善、妊婦の経済 的負担軽減として妊婦検診の公費負担を2 回 から14 回へ拡大、出産育児一時金の30 万か ら42 万への拡大、昨年6 月に起こった母体保 護法の改正問題等は、日本医師会役員に産婦人 科医師がいなければ解決を図れないとの認識に よるものであり、日本産婦人科医会からも強い要請を受けている。この6 年間の間に産婦人科 を取り巻く環境は少しずつ改善の曙光が見えは じめているがまだまだ再生の道半ばである。こ の度九州医師会連合会のご推薦を受け、日本医 師会で仕事をさせていただくこととなった暁に は、私の決意を産婦人科を中心とした医療環境 の改善に結びつけていきたいと考えている。
また、その他担当している医事法制の問題で は、横倉先生のご指導を受けながら、医療基本 法の制定を確実に行って参りたい。
先生方の暖かいご支援をお願い申し上げる。
○藤川謙二日本医師会常任理事候補
九州医師会連合会のご推薦を頂き心より感謝申し上げる。
2 年前、九州医師会連合会よりご推薦をいただき、日本医師会常任理事としてこれまでの2年間務めさせていただいた。
様々な問題が山積していたが、体調も崩さず務めることができた。
長年の懸案事項であった、自動車保険の交通 事故診療における健保の使用問題がようやく解 決しつつあり、近く厚労省との調整において自 賠法を優先させるよう通知を出させるよう取り 組んでいるところである。労災に関しては、日 本医師会より労災診療費算定基準の改定に係る 要望として10 項目要求している中で、手術の際 の診断料が算定できなかったことから、厚労省 と突き合わせをして容認を取っている段階であ り、財務省の許可が得られれば来週早々に部会 を通して全国に通知が出される予定である。12 〜 13 年前から日本整形外科学会、日本臨床整形 外科学会が強く要望していたが、健康保険法で も認められず、初診料、再診料と同じように医 師の技術料でコメディカル等の人件費を払わさ れている問題、更に術中の被曝の問題の補償が 確保されていない問題についても強く労働省に 申し入れているところであり、来週以降結論が 出される予定である。また、会員の倫理・生命 の倫理に関しては、羽生田副会長と共に医道審 議会における医師の様々な医師免許停止等に関 して検討を行うべく、初めてケーススタディの 開催を行い、会員・役員における倫理観の共通認識を持つことが出来、各都道府県医師会、郡 市区医師会でも同じような試みをしていただけ れば会員の倫理向上に繋がるものと考えている。 生命倫理の懇談会に関しては、先日羽生田副会 長が記者会見をされ、移植法の問題に関しては 小児の移植が可能となったが、障がい者の移植 に関しては逆差別の問題等があり、今後我が国 で移植が行われていく際の生命倫理に関して、 臓器移植に限らず、組織移植等に関しても法整 備が必要であると考えている。人体の不思議展 の問題についても今の法律の中では取締が出来 ないことからその法整備も図っていきたい。
また、大学病院等における遺体の部分的臨床 実験使用に関しても法整備が行われつつあるこ とから日本医師会としても対応していきたい。
尊厳死問題については、治療中止や治療の差 し控え等についても医師に責任が負わされない よう法整備のため意見を述べて参りたい。
また、医師連盟にも携わらさせて頂いている が、政権与党や野党に関して時間の許す限り朝 食会や昼食会、パーティー等に参加し、議員や 秘書などに日本医師会の存在をアピールすると 共に、各議員のパーティー券購入等について応援しており、本会役員が陳情に行く際にスムー ズに陳情を受けてもらうよう下準備を行ってい るところである。
見えない部分ではあるが、これまで一番体力と精神力を要した部分であった。
今後政局が動き、医師連盟は非常に難しい舵 取りを要求されるが、日本医師会としてはしっ かりとしたスタンスを持ち、アクティブに動き アイデンティティを持って、日本の医療は日本 医師会が背負っているという自負を持ち国会議 員、官僚に正論を述べていける医師会となるべ く、横倉先生が当選された際には全力をあげて 先生の意志を国民・会員に伝えるよう努力して 参る所存である。
引き続き、横倉選対本部長である松田福岡県 医師会長より九医連としての推薦決定ならびに 支援金決定に対しお礼が述べられると共に、今 後の協力依頼が述べられた。
また、併せて3 月18 日に東京において決起 大会を開催するにあたっての出席依頼ならびに 全国の関係者に対する支援のよびかけの協力依 頼があった。