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九州医師会連合会平成23年度 第2回各種協議会

去る1 月28 日(土)、ホテルニューオータニ佐賀において開催された標記 協議会(医療保険対策協議会、介護保険対策協議会、地域医療対策協議会) について、以下の通り報告する。

1.医療保険対策協議会

平安明

理事 平安 明



挨 拶

□日本医師会 横倉義武副会長

昨年から今年にかけて様々な問題があった。 その一つは受診時定額負担についてである。会 員の先生方や患者さん方にご協力をお願いして いただいて、約800 万弱もの署名が集まった。 また各地域でのご活動等もあり今回は見送るこ とになったが、この話は毎年出てくるものと思 われる。保険財源を考えた場合、保険料、税 金、一部負担金がその財源となるわけだが、国 家財政がこれだけ厳しくなると政治に携わる人 はどうしてもその方向に持っていかざるをえな いと思う。我々としては不当なる自己負担の増 加については徹底して反対していかなければな らない。

日本の医療は国際的に非常に高い評価を受け ているのはご承知のとおりである。カナダの財 団法人が各国の医療制度について比較した結果、日本は1 つの項目以外、全項目A ランクで あった。ただ一つだけ「国民が自分の健康に自 信がない」という項目だけがD ランクとなって いるようである。これは日本人の特性によるも のかもしれないが、役人はこの結果を受け、日 本の医療制度は諸外国に比べて良くないとの思 い込みが強すぎて、おかしな改革案を出してく るのではないかと考える。今日は個別指導や TPP に関するご質問等もあるが、それぞれに 的確なご議論をお聞きしたいと思う。

協 議

(1)次期診療報酬改定に対する日医の対応について(大分)

【提案要旨】

日医は来年度の診療報酬改定をめぐり「是正 を求める不合理な診療報酬項目」を取り纏め、 関係省庁との折衝が始まっていると思われる。

しかしながら、東日本大震災の復興に巨費を 要する中、財務省は社会保障費抑制策を打ち出 しており、診療報酬本体の引き下げを視野に入 れている。中医協においても診療側と支払側の 主張が対立する中、日医は今後どのような姿勢 で対応してくのか、また、改定の方向性につい て分かる範囲でご教示願いたい。

(2)不合理な診療報酬14項目について(福岡)

【提案要旨】

地域ブロック医師会、日医会内委員会等の意 見をもとに日医において取り纏められた不合理 な診療報酬14 項目の優先順位をお示しいただ きたい。また、地域ブロック医師会からの最優 先要望事項は何であったか。そして、会内委員 会等の意見と整合させるためにどう取扱われた かをお示しいただきたい。

日医が示された基本方針(23.10.12)の第1 番目にある「前回の診療報酬改定の結果、医療 費が大規模病院に偏在し、地域医療がまさに危 機的状態に瀕していることから、診療所、中小 病院に係る診療報酬上の不合理を重点的に是正 する。」をどの項目にどう具現されたか。

九医連では日医に対し、度々項目Bにあげら れている「入院中患者の他医療機関受診の取扱 いの見直し」を強く求めてきたが年度内の変更 は成るのか。

日医が目指す今回の同時改定で最も是正する べき項目はどれか、そしてその実現の可能性を お聞かせ頂きたい。

(上記の2 題については、一括協議された。)

<各県の回答状況>

各県からは日医が取り纏めた「不合理な診療 報酬項目の見直し」の中で取り上げた最重点項 目について、今回の改定に反映されるよう強い 要望があった。

□日医・鈴木常任理事コメント

現在、中医協では最終局面に差しかかってい るところである。中長期的な検討項目として は、医療機関にとって非常に重要な基本診療料 のコスト分析、或いは費用対効果の検討、更に は医療機関の損税問題について、今後、関係者 による検証、検討の場を設けることになってい る。4 月以降の日程も月1 回のペースで入って いる状況である。

12 月21 日に改定率が決定し、1 月18 日に厚 労大臣から中医協に諮問が行われ、同日から 25 日までパブリックコメントの意見募集が行 われた。1 月20 日には公聴会が愛知県津島市 で開催され、11 名の先生方から各分野に渡る 意見が述べられた。

1 月の中医協の審議経過をご報告すると、13 日に新年最初の中医協総会が開催され、社会保 障審議会医療部会、医療保険部会が12 月1 日 に纏めた基本方針の項目にしたがって整理した 「これまでの議論の整理(案)」の資料が提出さ れた。この資料に項目が掲載されていないと改 定の議論が出来ないことから、その視点での議 論が行われ、一部修正を行ったうえで、平成 23 年1 月から12 月までの議論の経過を資料と して追加し、次の1 月18 日の中医協に「平成 24 年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子案)」として提出された。同時に 厚労大臣から諮問が行われ、諮問書では平成 23 年12 月21 日の財務大臣・厚労大臣の合意 文書並びに平成23 年12 月1 日の社会保険審議 会医療保険部会・医療部会で取り纏めた「改定 の基本方針」に基づいて改定を行うように求め られているところである。

1 月13 日には様々な議論があったが、特に診 療所の再診料について前回改定では外来財源が 限定されたなかで理由なく2 点引き下げられて しまったため、まずはこれを基に戻すべきと主 張した。安達委員からも前回2 点引き下げられ たことは財源論以外に理由はなく、この改善を するためにも今後中医協で議論することを求め た。私からもこれから超高齢社会を迎えるにあ たり、高度急性期医療も大事だが、超高齢社会 においてはむしろ地域に密着した医療が重要に なる。診断や検査、治療といった流れが一カ所 でできるワンストップサービスが可能な日本型 の診療所の役割がますます重要になってくるの で、中小病院や有床診療所、診療所の評価が重 要であると主張した。また、地域医療が高齢 化、過疎化に伴って地方から崩壊しているとい う実情をお話し、そのためにも再診料を中心と した診療報酬の底上げが必要であることを理解 していただきたいと主張した。

支払側、財務省の意向は、診療報酬本体と薬 価改定等を併せた全体(ネット)でプラス改定 なったこと、前回の改定のように入院と外来の 枠を設定することが出来なかったこと、そして さらに“再診料の引き上げ”となると我々は完 敗であるとして非常に危機意識を持っている。 再診料と入院基本料が経営安定に非常に大きな 意味を持つことは分かるが、底上げで配分する ことは反対である。然るべき機能を果たしてい る施設、或いは重点的に評価すべき部分、強化 すべき部分に傾斜配分していくことが今回の規 範的スタンスであり、その方向で議論していく べきであるということを主張している。さらに 医療経済実態調査において、前回より診療所の 収支が改善しているとの結果に基づき、底上げ する現状ではないとして、非常に否定的な意見 である。また「診療報酬改定については政策仕 分けの反映を」との発言のあった岡田副総理の 影響力が強くなっており、ますます厳しい状況 となっている。

18 日の中医協総会では、「現時点での骨子 案」の他に13 日に行われた議論について、1 号 2 号双方の意見を対比形式にまとめた資料も出 され、厚労省はこの両方についてパブコメを求 めようとしたが、未合意の再診料の議論につい てまで意見募集することについて支払側が難色 を示したため、総会は一時中断した。その間に 厚労省が各側委員と調整し、1)未合意の部分は 参考資料扱いとし、13 日と18 日の意見を完結 にしたものとの前文をつける、2)対比形式をや め、平分に書き下す、3)各側の意見は簡略に記 す、4)発言者名を削除、5)未合意の部分のほか に、社保審の基本方針と、改定率の大臣合意、 12 月7 日の中医協意見書、診療側・支払側の 意見書も参考資料に加える、の5 項目を条件に パブコメを求めることが決まった。パブコメに ついては1 月18 日の夜に厚労省のホームペー ジで意見募集が開始され、受付期間が25 日ま でと短期間であったため、同日夜に「再診料の 回復にむけた大切なお願い」として副題をつけ て、各都道府県保険担当理事宛、意見の投稿に ついてお願いしたところである。なお結果につ いてはまだ発表されていない。

現時点の骨子案の各項目をご覧いただくとお 分かりになると思うが、「評価を新設する」、 「評価を行う」、「整理を行う」、「見直しを行う」 と記載されているものは診療側と支払側とでそ の方向性について合意をしたものであり、今後 細かい要件等について検討される項目である。 「検討を行う」とあるものは両側で合意が得ら れていないもので、今後の議論で固めていくも のである。昨日27 日も中医協が開催され、個 別改定項目(いわゆる短冊)をもとに大まかな 要件等について議論が始まっており、ここでも 再診料について安達委員と私のほうから繰り返 し発言をさせていただいている。

改定項目のひとつである後発医薬品の使用促 進について、少しお話をさせて頂きたい。政府 は平成19 年10 月に後発医薬品の安全使用促進 アクションプラグラムを作り、後発医薬品の数 量シェアを平成24 年度までに30 %以上にする ことを目標としてきた。状況としては、平成20 年4 月時点で21.8 %、平成23 年3 月時点で 22.4 %に留まっており、目標達成の可能性は低 くなっている。30 %の目標期限が近付いてい ることから、改定率について厚労大臣と財務大 臣が合意した文書のなかに「後発医薬品の推進 策については、新たなロードマップを作成して 強力に進める」と明記された。国は後発医薬品 の有効性、安全性について先発医薬品と差異は ないとしているが、我々、現場の実感として は、まだまだ違和感を感じているところであ る。中医協でも後発医薬品の使用推進について 議論する際に、『診療側からは質の担保、安定 供給体制、情報提供、価格設定』等について指 摘する一方、支払側からは『国は同等と言って いる』を前提として発言するため、議論がかみ 合わないのが実情である。医師としては信頼性 という観点から、これまで使い慣れている先発 医薬品の特許が切れた際に薬価を後発医薬品並 みに引き下げて引続き使えることが望ましいと 主張しているが、差がそこまで縮まっていない のが現状である。

一方、後発医薬品の使用促進は国策であるこ とから、改定の度に新策が少しずつ講じられて いく状況である。今回の骨子案には後発医薬品 メーカーによる品質の確保及び向上への取り組 み、情報発信をより一層促すとともに、これに 加え、1)厚労省やPMDA 等が中心となり、医 療関係者や国民向けの後発医薬品についての科 学的見解を作成する、2)ジェネリック医薬品品 質情報検討会の検討結果について、より積極的 に情報提供を図る、ことが明記されている。医 療機関の促進策として、現行の処方せん様式で は後発医薬品への変更が全て不可の場合につい ての署名欄が設けられており、処方医の署名に より全ての処方薬が変更不可となる形式になっ ているが、今回、個々の医薬品について変更の 可否を明示するきめ細やかな様式に変更するこ とで検討が進んでいる。更に使用促進が進まな い原因の一つである保険薬局における後発医薬 品の在庫管理の負担を軽減するため、医師が処 方せんを交付する場合には、一般名による処方 を行うことが可能になる方向で検討が進んでい るが、これはもちろん強制ではない。また先発 品と後発品で適応が異なる場合でも査定するこ とのないよう支払基金との間で調整されてい る。更に、一般名の処方せんを受け付けた薬局 が患者さんの同意のもとで後発医薬品に調剤し た際に問題が発生した場合には、処方医や薬剤 師に責任は生じないということが平成22 年9 月の国会にて当時の長妻厚労大臣より答弁され ている。最近の中医協では安いことが後発医薬 品が選ばれる理由であるのに、薬局に様々な加 算点数が設定されていることについて費用対効 果の検証が必要との議論があり、後発医薬品へ の引き換えによる薬剤費減少分と、各種加算に よる医療費の増について比較検証が行われてい る状況である。

<追加意見>

■福岡県

昨年、九州ブロックで取り纏めた次期診療報 酬改定に対する要望事項10 項目を日医へ提出 した。日医では各ブロックから提出された要望 事項から診療報酬是正が必要な重点項目として 更に絞り込み14 項目に取り纏め、当時の細川 厚生労働大臣に対し要望されている。しかしな がら、今回の改定については、在宅等は含まれ ているが前回の改定とさほど変わらないように 感じるが。

□日医・鈴木常任理事コメント

今回、改定の重点課題として「医療と介護の 役割分担の明確化と地域における連携体制の強 化の推進及び地域生活を支える在宅医療等の充 実」が入っていることで前回とは明らかに異な っている。再診料については、医療経済実態調査の結果がわずかながらでもプラスになったこ とがベースに議論が進められており、これが阻 害する大きな原因の一つになっている。それに 加えてネットでプラス、前回同様に入院と外来 の枠の設定が出来なかったことで、基本診療料 を底上げすることに対して非常に強い抵抗があ るのが実情である。

不合理な診療報酬の見直しについては、各ブ ロックから出していただいた要望事項並びに日 医の会内委員会である診療報酬検討委員会から の意見をもとに原中会長、関係常任理事が集ま って議論を行い14 項目に纏め上げた。常任理 事会、理事会において決定し、厚労大臣へ要望 している。見直しが必要な項目としては、前回 の改定で医療費の配分が大規模病院に偏ったこ とで、今回は診療所と中小病院に係る診療報酬 について優先的に求めていく方針で決定した。 この14 項目についてはいずれも重要なもので あり、順位付けというのは難しいが、1 番目に は「再診料及び地域医療貢献加算の見直し」の 優先度が高いと認識している。また、「入院中 の患者の他医療機関の受診」の問題について も、前回の改定の最大の不合理な点であると言 われていたので、改定直後に一部是正を行い、 期中についても是正を働きかけてきたが、結果 的には今回の改定まで持ち越しとなってしまっ た。骨子案の中では精神病床、結核病床、有床 診療所に入院中の者が、透析や共同利用をすす めている検査を行うために他医療機関を受診す る場合については評価の見直しを行うとして合 意が得られている。1 月13 日の中医協では透析 以外にも拡大するよう強く主張しているので、 今後の議論となると思う。

日医では、診療報酬検討委員会において九州 ブロックから提出された重点項目についても検 討させていただいた。他医療機関受診の問題、 初・再診料の適切な評価の問題、特定疾患療養 管理料の要件の見直し・対象者の拡大等につい ては全て最重点項目に含まれているところであ る。岡田副総理の就任により政治的な影響を受 ける部分も大きく、非常に厳しい状況にあるが、最後の最後まで出来る限り最善の努力をし たいと思う。

(3)TPP 参加交渉に対する日医の対応について(鹿児島)

【提案要旨】

野田佳彦総理が、平成23 年11 月11 日に TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参 加交渉を正式表明した。その際、世界に誇る医 療制度は断固守り抜きたいと述べておられる が、それぞれの国益が絡む交渉の中で、どこま で外圧に耐えられるか疑問である。混合診療や 株式会社による医療経営の解禁、薬価算定ルー ルへの干渉などにより、これまで日本が築き上 げてきた世界に誇る国民皆保険制度が崩壊しか ねない状況にある。

今後、国内において各種業界でさまざまな議 論が交わされることと思うが、日医としてどの ような戦略を考えておられるのか伺いたい。

(4)TPP 交渉参加について(熊本)

【提案要旨】

政府は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉 参加の方針を表明、政・官・財界を初め国内各 団体が賛否両論を繰り広げている。

医療界に与える影響も懸念され、日医、日 歯、日薬の三師会も反対声明を発表するなか で、「世界に誇る日本の医療制度は守り抜く」 と政府関係者は強調している。

しかし、米国通商代表部(USTR)の報告書 では、医療サービス、医薬品、医療機器を初め 薬価制度、株式会社の医療への参入、医師資 格・免許の相互承認や混合診療の全面解禁等も 交渉対象の視野にあるとしている。

このTPP 交渉という深刻な局面に対し、各 県のご意見と、日医はどのような戦略と対応、 医療関係者はもとより一般国民への広報活動等 を行おうとしているのかお伺いしたい。

(上記の2 題については、一括協議された。)

<各県の回答状況>

各県からはTPP への参入により、混合診療 の全面解禁や株式会社の参入等によって国民皆 保険制度の崩壊が危惧されることから、日医に は国民皆保険制度の絶対の堅持と、今後の TPP 交渉に対する日医の対応について意見が求められた。

□日医・横倉副会長コメント

TPP の問題について一番初めに言及したの は実は日本医師会である。これは一昨年の11 月にTPP の話題が出た時に、これに安易に参 入することによって国民皆保険制度が崩壊する のでないかと疑問点を出した。しかしながら日 本の国の成り立ちからして昔の鎖国状態に戻る わけにはいかないので、貿易を行う環境はある 程度作らないといけないが、国民の健康を守る ことに関しては絶対に容認できないというのが 日医のスタンスである。

アメリカとFTA 交渉を結んだ韓国では、段 階的に医療崩壊が進んでいる。第1 弾として医 療機器、医薬品の価格設定撤廃・緩和から始ま り、第2 弾に総合特区での株式会社の病院経営 の解禁と混合診療の原則解禁まで行われている。 先日、米国通商代表部から「混合診療を議題に するつもりはない」との発言があったが、油断 はできず十分な監視が必要と考える。基本的に は外国と条約を締結する際には日本の医療体制 を守ることが担保されなければ反対のメッセー ジを常に出しているとご理解いただきたい。

(5)日医の広報活動について(佐賀)

【提案要旨】

日医の新聞等、メディアを使った一面広告の 広報について、今回、「受診時定額負担」反対 の際に、受診者負担の国別比較表等が出された が、例えば、国庫補助の減額の推移など、国の 医療政策に対する批判的な広報については、何 らかの制限がかかるのか、他の保険医協会等の 広報に比し、非常に弱い印象を受ける。また、 新聞等本文の中で日医の意見が出されてはいる ものの、見出しとしては、「日医が反対」としか 扱われず、我々の真の訴えが国民に届いてない か、間違って伝わっているように思える。国民 の健康保持、国民皆保険制度の維持には国民寄 りの目線で取り組み、世論を味方に付けていく 必要があり、日医は日医総研のデータ等をもっ と活用し、国民にとって必要なデータをもっと 分りやすく、大胆に広報していく必要があると 思うが、今後の日医の対応はいかがか。

また、医療費は総額で報じられるが、薬剤、 医療器材、機器などを除いた「真の医療費」の 推移はどうなのか、こういった検証も是非、行 って頂きたいと考える。

<各県の回答状況>

各県からは提案県と同様、日医の活動や考え方について国民が理解しやすく共感される報道にした方がよいとの意見が出された。

一方、大分県からは、確かに新聞の全面広告 などは一定の効果はあると思われるが、一般市 民からすると「医師会はお金があるから立派な 広告が打てる」と捉えられる部分も多いことか ら、日々の診療活動や地域活動における会員医 師と患者・市民との直接対話を基本にした方が よいとの意見も出された。

■横須賀座長

これは当県からの日医の広報活動についての提案事項である。

先ほどのTPP の議論にも関連するが、もう少し積極的に会員や国民に対して広報していただけるよう日医執行部にはお願いしたい。

(6)有床診療所の存続について(宮崎)

【提案要旨】

有床診療所は、24 時間看護師が常駐し、何時 でも医師との連絡が取れ、必要なら夜中でも対 応が可能であるほか、在宅医療のバックアップ 体制、急性期疾病の病院からの引継ぎ、介護施 設で急変した際の受け皿、地域での終末期医療 の担い手等、地域医療に重要な役割を果たしている。しかし、有床診療所の存続は極めて厳し い状況である。本県では、平成10 年に400 近く あった有床診療所が平成22 年には半減してい る。医師の高齢化、当直看護職員不足、後継者 不在、医療訴訟の頻発、諸手続きの煩雑さに加 え、過去に厚労省が「有床診療所の役割は終わ った」と考えていた時期があるなど、入院基本 料を安く設定されていることが主な要因である。 入院基本料は、前回の改定で若干見直された が、平均して一日500 円程度のアップであり、 ビジネスホテルよりも廉価な料金では到底現状 の改善には及ばない状況である。次期改定では、 現状に即した入院基本料となるよう日医から働 きかけて戴くとともに、各県の現状と日医の有 床診療所存続への取り組みをお伺いしたい。

<各県の回答状況>

有床診療所の現状については、各県とも年々 減少傾向にあると報告があり、有床診療所の 様々な機能や役割について適正な評価を行い、 それに見合う入院基本料に引き上げるべきとの 意見が出された。

□日医・鈴木常任理事コメント

有床診療所の重要性が再評価されているのは 事実である。高齢化が進んでいるなか、在宅に 負荷をかけずに気軽に入院できる有床診療所、 中小病院の役割はますます大きくなると考えて いる。しかしながら今なお有床診療所の数は年 間500 件ほど減少しており、やがて10,000 件を 割ると聞いているので、今後の超高齢社会に向 けてこれ以上、貴重な医療資源を失わせてはい けないと強く感じている。やはり診療報酬の問 題が大きいと思うので、日医としても昨年7 月 の社保審医療部会において横倉副会長から有床 診の役割や現状について資料を提出して説明し、 理解を求めてきた。他の委員会においても有床 診に期待の声が上がってきており、だいぶ理解 が進んできたと思っている。今年の1 月20 日に 愛知県津島市で地方公聴会が開催されたが、そ の中で岐阜県医師会の小林会長からは「有床診の入院基本料を介護施設並みに上げて欲しい。 また前回引き下げられた再診料を元に戻して欲 しい」との意見が出された。有床診療所の改定 項目については昨年の12 月25 日に議論された。 有床診療所に期待される役割としては眼科、産 科等の専門医療と後方病床や在宅療養患者の急 変時の入院、ターミナルケア、緩和ケア、地域 に密着した医療があると思う。今回の改定では、 基本診療料の引き上げは非常に厳しい状況にな っているが、ターミナルケアや緩和ケアを新た に評価する方向で話が進んでいる。

また、有床診療所の入院料の評価は一般、療 養で区別されているが、双方の要件を満たして いる場合に限り、患者像に応じて柔軟に算定で きるような方向性が出されている。例えば介護 療養病床の入院患者が急性増悪時に医療保険で 算定出来るのは2 室8 床に限っているが、これ を全病床に拡大するというような入院基本料の 緩和が行われる方向である。

□日医・横倉副会長コメント

先ほど鈴木常任理事からもお話があったよう に、社保審の医療部会において有床診療所の機 能について話をしたが、賛同する委員がかなり 多かった。今までは有床診療所の使命は終わっ たと言われてきたが、随分様変わりしている。 もう一つは地域包括ケアシステムがある。これ は地域から発信し、地域で作っていくことにな ると思うが、有床診療所を入院施設として地域 ごとにしっかり位置付けをしていくことになる ため、その役割は非常に増えてくると思う。今 回の改定では、鈴木常任理事が有床診療所の役 割が評価されるよう努力しているので、今後の 展開としてはいろいろ出てくると思う。

また、四国全域について3 次救急病院ではカ バー出来ない地域に2 次救急病院を仮に当ては めた場合でも全てはカバー出来ないが、有床診 療所を当てはめると居住地のほぼ全域にわたり カバーできたという面白い調査結果が日医総研 から出ている。このようなデータを一つの証明 として有床診療所の機能についてもっと主張ができるのではないかと考える。

(7)在宅医療における県医師会の関与について(長崎)

【提案要旨】

高齢化社会を迎えた日本の医療において在宅 医療の充実が診療所に求められており、医師会 がその大きな役割を担うべきと思われる。長崎 県の在宅での死亡率(施設を含む)は平成21 年で13.8 %(全国平均16.8 %)と都道府県の 中で下から6 番目という低さである。

県医師会は在宅医療の推進を喫緊の課題とし て、地域の医師会や医師会会員、福祉、行政、 患者代表から幅広いメンバーを集め、長崎県地 域在宅医療連携推進協議会を立ち上げた。同会 の在宅での看取りに関するアンケートにより、 医師や施設の看取りに対する意識や実績に大き な地城差があることが判明し、診療所や訪問看 護師の乏しい地域ではまず施設の看取りを増や すことを目標に定めた。現在県下を4 ブロック に分け、ブロック毎に施設関係者や医療関係 者、ケアマネジャーに在宅ケアネットワークの 構築等の講演会を開催している。

各県に県医師会の在宅医療への取り組みの現 状と、日医に在宅医療を推進するための診療報 酬の見直しについてお聞きしたい。

<各県の回答状況>

各県における在宅医療への取り組み状況につ いて報告が行われ、本県からは浦添市医師会に よる「在宅医療ネットワーク」の取り組み状況 について報告を行った。

<追加意見>

■長崎県

施設での在宅死が増えている。今回の改定でも評価されていると思うが。

□日医・鈴木常任理事コメント

在宅医療こそ中小病院、有床診療所、地域の 郡市地区医師会が中心的な役割を果たすところ であり、高度急性の大病院の役割とはハッキリ 区分されている。今後はますます在宅の分野が 重要になってくると思われる。日医でも地域包 括ケアにおける診療所、中小病院を含めた医療 提供の在り方等を検討するために、昨年4 月に 在宅医療連絡協議会を立ち上げて各団体にも呼 び掛け検討を行っている。平成24 年度診療報酬 改定の基本方針の中で重点課題の一つに挙げら れていることから、今回はかなり評価される部 分であると思う。中医協では厚労省から在宅医 療推進のための課題された3 点(1)高齢者向け 住宅の給付促進や自宅以外の場所におけるサー ビスの充実、2)急変時の対応等、在宅療養への 不安を軽減する取り組み、3)訪問診療、訪問看 護等の医療サービスの充実)への対応として、 在宅医療支援診療所の見直しが提案されている。 在宅患者訪問診療料の加算について、在宅支援 診療所は10,000 点、在宅支援診療所以外の診療 所は2,000 点と低く設定されていることから、 その格差について指摘がある。実際の看取りの 件数は通常の診療所の方が圧倒的に多く、デー タもあるので格差の見直しについて強く主張し た。骨子案では、一つの医療機関ではなく複数 の医療機関が連携して24 時間、365 日の対応が 出来る場合でも可となった。在支診とその他の 医療機関が連携する場合や、在支診ではない通 常の医療機関が連携する場合でも可となったの で、今までよりだいぶやり易くなったと思う。 またターミナルケアの評価体系の見直しとして、 看取りと看取りに至るまでのプロセスに分けて それぞれ評価する方向で話を進めている。

一方、地域医療計画が平成25 年度から新し くなることから、私も委員に加わり策定指針に ついて検討会で検討しているところである。こ れから4 疾病5 事業から5 疾病5 事業になり、 さらに在宅医療が加わることになるが、地域包 括ケアの中で医療と介護の連携の図をみると、 介護の中心はケアマネとなり、その他の調整は 地域包括支援センターが行うが、その他に在宅 医療連携拠点を作ることになっていることか ら、医療機関が担当してもよいが郡市医師会が中心となってはどうか。もちろん日医もバック アップする。医師会が地域においてますます活 性化する大きなポイントになると思われるの で、是非取り組んでいただきたい。

■福岡県

在宅で医療を提供する実践能力を習得するこ とを目的に、平成23 年12 月13 日にスカイプ を利用して患家と研修会場を結び、訪問診療の 現場をライブ中継しながら在宅医療実務研修会 を開催した。また、在宅医療も念頭に置いて平 成18 年に「新かかりつけ医宣言」を行って運 営している。

□日医・横倉副会長コメント

昨年、専門医の件で総合医、総合診療医につ いて懇談会が始まった。総合医を従来のかかり つけ医として認定してはどうかとの話をしてい る。地域で看取りが出来るような体制作りのた めにはかかりつけ医が中心とならないといけな いので、これからもよろしくお願いしたい。

(8)個別指導の結果について(福岡)

【提案要旨】

個別指導の結果については、今日まで、立会 人である県医師会にも個人情報を伏せた形で知 らされてきた。そして、その内容は医師会の自浄 作用活性化並びにピアレビューに活用してきたと ころである。ところが、最近、福岡県では厚生局 の方針として、今までの通知を控えようとする動 きがでてきている。個別指導の結果通知に関す る各県の現状と日医のご意見を伺いたい。

(9)適時調査について(熊本)

【提案要旨】

適時調査とは「医療機関が届出た施設基準に 適合しているか否かを原則として年1 回、受理 後6 ヶ月以内を目途に調査する」とされてい る。届出の内容と異なる事情がある場合、届出 受理の変更や所要の指導を行い、届出が無効と 判定されれば弁明の機会を与える措置等が記載されている。

熊本県では、厚生局に指導・監査が移管され て以来適時調査は漸次増加している。平成20 年度18 件(同10 月以降)、21 年度26 件、22 年度31 件、23 年度32 件(同11 月末日まで) であり、主として病院を中心に年間40 〜 50 件、5 年に1 回の割合で調査すると説明してい るが、県医師会への事前通知や結果報告はな い。しかも、個別の事例や自主返還等について は情報公開制度に基づく開示請求でしか詳細な 情報は公開しないとしている。

したがって、適時調査が秘密裡に行われるこ となく医療保険の個別指導と同様に、医師会役 員の立会い、事前の通知と結果報告や定期的な 施設基準に関する指導説明会の開催等が必要で はないかと思われます。

九州各県の適時調査の実施件数、個別事例と 自主返還額の推移や医師会への事前通知と結果 説明等についての状況、また日医の見解、特に 5 年間に遡る自主返還の規定についてお伺いしたい。

(上記の2 題については、一括協議された。)

<各県の回答状況>

協議事項(8)個別指導の結果通知について各県の状況は次のとおり。

○宮崎県、大分県、佐賀県:医療機関名を伏せた形で指導結果が通知されている。

○沖縄県:以前から通知はされておらず、個別 指導結果については医療機関から相談があった 場合や立会いの際の講評で必要があると思われ る場合に、事後指導を行う等でフォローするよ うにしている。

○長崎県:平成18 年10 月までは指導終了通知 に、指導後の措置である「再指導」、「経過観 察」等のみが記載されていたが、詳細な内容に ついては知らされていなかった。

さらに同年11 月以降は指導後の措置の記載も省略されている。

○鹿児島県:年度初めの保険指導の打合会で、前年度実績として口頭で情報提供されており、別途、書面での通知等は受けていない。

また、協議事項(9)適時調査に対する回答 では、九州厚生局に指導業務が移管された平成 20 年10 月以降の適時調査件数について各県よ り報告があった。

また、医師会への事前通知と結果説明については、各県とも実施なしとの報告があった。

□日医・鈴木常任理事コメント

前回提案のあった適時調査の件では、施設基 準の自主返還について監査が5 年、指導が1 年と いうことで施設基準についても最大5 年ではな く、指導並みに1 年とすることができないか厚労 省に申し入れたと報告させていただいた。その 後の状況についてであるが、厚労省からは施設 基準が許可制から届出制になったことから、医 療機関の責任はより重くなっているとの説明が あった。以前は許可までに時間がかかったため、 人員等を増やした場合、許可されるまでの間の 人件費は持ち出しとなったことから、日医から 短縮について要請した結果、平成6 年度から現 在の届出制に変更になったという経緯がある。

また、指導監査とは異なって立会については 規定されていないため、実態が把握出来ないこ とが多い。医療機関としては日々、施設基準の 要件を満たしているか確認が必要だと思うが、 解釈が十分に理解出来ないような難解な文章で あるうえに説明も十分ではなく、1 年に1 回と いいながら実際には実施されていない等、医療 機関だけに責任があるとは言えず遡ることは厳 しいと考える。診療報酬改定時だけの説明だけ では十分ではないことから、行政による医療機 関への解説がさらに十分に行われるように働き かけていきたい。

(10)縦覧点検並びに横覧点検について(福岡)

【提案要旨】

本県では、平成23 年10 月審査分より国保連 合会において下記のとおり横覧点検が開始さ れ、縦覧点検についても実施に向け作業を続け ているとのことであるが、各県の状況をお伺い したい。

<各県の回答状況>

各県における連合会の縦覧・横覧点検の状況については次のとおり。

○宮崎県:縦覧・横覧点検とも未実施。

○沖縄県:横覧点検は12 月中に試験的な運用 を行い、平成24 年1 月より本稼働の予定とな っている。点検項目については貴見と同様。縦 覧点検は点検項目が多数あることから、現在調整中

○大分県: 11 月審査分より横覧点検が開始さ れ、縦覧点検についても実施に向け作業を進め ている状況。点検対象レセプト、点検項目につ いては提案県と同様。

○長崎県:熊本県と同様、23 年10 月審査分よ り横覧点検が開始。対象レセプト、点検項目も 同様である。縦覧点検は今後検討する。

○熊本県:昨年10 月より国保連合会の「総合 システム」による横覧点検と縦覧点検が開始さ れている。しかし、「突合点検」についてはまだ行われていない。

横覧点検は提案県と同様に上記15 項目につ いて審査されているが、縦覧点検では120 項目 に亘る広範囲な内容がチェックされている。そ のうち、52 番の「在宅移行早期加算」は除外。

○鹿児島県:横覧点検が平成23 年8 月審査分 から15 項目について、縦覧点検については平 成23 年12 月請求分から32 項目について開始 されている。点検項目は提案県とほぼ同様。

○佐賀県:平成23 年10 月審査分から横覧点検 と縦覧点検開始。横覧点検では提案県と同様の 15 項目について、縦覧点検では約130 項目に ついて点検を実施。

<追加意見>

■長崎県

医療機関が先発医薬品を処方したのにもかか わらず、薬局で後発医薬品に処方変更され、そ の後発医薬品が治療に必要な効能・効果を取得していなかったために査定の対象となるのは理不尽ではないか。

□日医・鈴木常任理事コメント

この問題については、日医より厚労省に対し 改善を申し入れており、厚労省から支払基金に 対し改善が求められると思うので、間もなく解 決される問題と考える。

国保連合会の横覧、縦覧点検についてである が、横覧については提案事項に記載された15 項目が全国共通項目となっており、縦覧につい ては500 項目の点検項目の中から各連合会にお いて選択して決定しているようである。いずれ の点検項目についても元々は保険者が再審査で 行っていた算定誤りのチェック等であり、診療 内容まで踏み込むものではないとの判断から各 都道府県で了解されているものと考えている。 審査支払機関については競争や統合等の話も出 ていることから、国保連合会としては横覧点検 まで実施しているという実績をアピールするの が理由だと考える。

(11)「ニコチン依存症管理料」の算定要件について(沖縄)

【提案要旨】

診療報酬における「ニコチン依存症管理料」 の算定対象となる患者の要件として、「1 日の 喫煙本数に喫煙年数を乗じて得た数が200 以上 であるもの」とあるが、この要件が早期の禁煙 指導が最も有効な未成年者及び若年者の禁煙指 導・治療の障害となっている。また、未成年者や若年者は経済的にも余力のない世代であるこ とから、「喫煙指数200 以上」の要件を廃止し て保険適用の枠を広げることにより、未成年者 や若年者に対する指導・治療がスムースに行え るようにしてはどうかと考える。各県並びに日 医のご意見をお伺いしたい。

<各県の回答状況>

各県からは提案県と同様に要件を緩和すべきとの意見であった。

喫煙が禁じられている未成年への適応拡大に ついては、未成年の喫煙を許すととられかねな いことから、慎重に検討すべきとの意見が福岡 県から出された。

<追加発言>

■平安理事

同依存症管理料については医学的にも意味が あることは検証済みである。むしろブリンクマ ン指数が200 に足りない方々の依存状態を早期 に改善して治療した方が効果的であるし、医療 経済にとっても有意義と考える。

□日医・鈴木常任理事コメント

同管理料については、今回の改定では議論に 上がらなかったのでこのまま継続されると思 う。しかしながら要件の緩和について、1 号側 としては嗜好性のものに診療報酬を付けるのは 望んでいない状況である。エビデンスがある限 りは無くなることはないと思うが、現時点での 要件緩和は難しいと考える。

印象記

理事 平安 明

平成24 年1 月28 日に平成23 年度第2 回医療保険対策協議会がホテルニューオータニ佐賀にて開催された。

今回は11 題の協議事項が提案され、内容が関連するものは一括協議され、診療報酬関連、 TPP、日医の広報活動のあり方、有床診の問題、在宅医療関連、厚生局の指導、審査関連、ニコ チン依存症の要件緩和について、といった項目が話し合われた。日医からは鈴木常任理事と横倉 副会長が出席され、中央情勢に関するコメントをしていただいた。

診療報酬に関する日医のコメントは「今回プラス改定となったことに加え、事前に入院・外来 の枠が決められなかったことは日医として評価しているが、一方で財務省は非常に敗北感を感じ ており、そのこともあって再診料を元に戻す議論は絶対に認めないという非常に厳しい状況であ る。但し、前回と異なり、入・外の枠が決められていないので今回は急性期のみでなく、在宅や 慢性期も評価されると思っている」とのことであった。(結果的には再診料の復点は実現せず、4 月以降に基本診療料に関する議論を継続していくことをもって落としどころとしている。その他 の診療報酬改定の内容については既に皆さんも周知のことと思われるのでここでは割愛する)

ニコチン依存症管理料の算定要件の緩和に関しては、当県の医療保険担当理事連絡協議会の席 上で那覇市医師会からの提案を受けて当会から議題として提案したものである。今回の改定では 当然議論の俎上に載せられることはなかったが、各県とも今後も引き続き検討していくべき重要 な課題であるとの認識は共通していることを確認できた。その他の内容については議事録を参照 していただきたい。

この報告が広報誌に出る頃には平成24 年度診療報酬改定の内容についての説明会も概ね終了 し、それぞれの医療機関が四苦八苦しながら内容の吟味と必要な申請等に向けて準備に追われて いることであろう。年々肥大していく青本がいつか広辞苑の厚さを超えるのではないかという不 安がそろそろ現実化するかもしれないと、よくないことを考えてしまう今日この頃である。