沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 1月号

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編集後記

新年あけましておめでとうございます。今年 の初めにあたり、沖縄県医師会報新年号を発刊 できます事を大変嬉しく思います。年が改ま り、何だか心までシャキッといたします。今回 の会報では新年号らしく、まずは年頭所感、仲 井眞沖縄県知事との鼎談が掲載されています。 新年に対する特別な思いはありますが、山積す る問題への対応など今年も医療界を取り巻く現 状は厳しいものがあり、難しい舵取りが要求さ れます。明かな課題として浮かび上がっている 事だけではなく、潜在化し深刻さを増している 問題も多く、この様な課題に取り組むのは鋭い 洞察力が必要ですね。更に必要なのは、勇気と 信念を持って決断し実行する事だと思います。 仲井眞知事との鼎談では多くの夢のあるお話し を伺えて良かったと思います。医師会と県行政 がお互いに尊重しつつ、協働する形は何とも頼 もしい限りです。第125 回日本医師会代議員会 報告では東日本大震災義援金について、診療報 酬改定について、TPP 参加問題について、中 医協構成メンバーについてなど活発な議論がな され、中でも消費税問題は医業経営を直接危機 に陥れかねない大変な問題である事を真栄田常 任理事よりご報告頂きました。平成23 年度全 国医師会勤務医部会連絡協議会報告では、東日 本大震災における医療支援について、次期診療 報酬改定への課題について、消費税を含めた税 と社会保障一体改革について、全国の医学部定 員増に伴う医師養成の質をどの様に保っていく か、勤務医の労働や社会環境をどの様に改善し ていくかに関して活発な議論がなされた事を城 間寛先生よりご報告頂きました。メディカルク ラークやナースプラクティショナー、フィジシ ャンアシスタントなど医師のサポートをする 様々な職種についての議論があったようです。 しかし、医療費削減を企む厚生労働省の思惑に はまり、勤務医と開業医はいつの間にかお互い に対立する関係になされてしまった感がありま す。今こそ医師は一つとなって、この国全体の 社会保障に関して自ら声を上げなくてはならな いと思います。第42 回学校保健・学校医大会 では学校検診システムについて、学校心臓検診 について、蛋白尿に重点をおいた検尿システム について、脊柱側湾症検診について活発な討議 がなされております。真栄田先生からは自閉症 児の療育について、池田祐之先生からは肥大型 心筋症の特殊な心電図所見について、比嘉睦先 生からは被災地における子供の心のケアについ ての詳細なご報告がありました。学校医は現在 あまりなり手が居なくて困っています。まして 最近の行きすぎた権利意識の拡大はモンスター 化した保護者によって、より学校医の立場は厳 しいものになりつつあるようです。勤務医の過 酷な勤務実態の事にも関連しますが、医師の社 会的なステータスをもっと高める事が医師であ る事や学校医である事のモチベーションを高め る事に繋がるのではないでしょうか。平成23 年度永年勤続医療従事者表彰式では242 名の 方々が表彰された事が佐久本嗣夫理事より報告 されました。同じ施設に20 年以上勤めるとい うだけで大変な事ですね。沖縄県医療推進協議 会では受診時定額負担、TPP 参加問題などが 協議されました。小児脳性麻痺に対するA 型ボ ツリヌス毒素療法に関して大城聡先生よりご投 稿頂きました。脳性麻痺による痙縮に対して非 常に効果が上がる治療法ですね。顎関節症に関 しては神農先生にご寄稿頂きました。我々も臨 床現場でよく遭遇する疾患ですが、対処法など 大変参考になりました。ほおづえをつかない事 が大事とは、大変面白いですね。本の紹介では 當銘理事より楽しく学ぶ身体所見ー呼吸器診療 へのアプローチを紹介して頂きました。理学所 見を丹念にとっていく事が重要なのですね。新 春号恒例の新春干支随筆には沢山の投稿を頂き ました。年男、年女を様々な気持ちで迎える皆 さんの思いは非常に様々で、とても楽しく拝読 させて頂きました。今年も沖縄県医師会報をご 愛読頂けますよう、なにとぞよろしくお願い申 し上げます。

広報委員 玉井修

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