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平成23年度永年勤続医療従事者表彰式
242名が表彰される

佐久本嗣夫

理事 佐久本 嗣夫

去る11 月10 日(木)パシフィックホテル沖 縄に於いて、平成23 年度永年勤続医療従事者 表彰式が行われた。

同表彰式は会員が開設する医療機関及び医師 会に20 年勤務する医療従事者に対して行うも ので、当日は新垣善一沖縄県医師会代議員会議 長、来賓に宮里達也沖縄県福祉保健部長ご臨席 の下、66 施設から242 名の方々が表彰された。

宮城信雄沖縄県医師会長

始めに、宮城信雄沖縄県医師会長から受賞 者への挨拶として「一 口で20 年と言っても、 それは平坦な道のりで はなかったと思います。 その間、家族の理解や 働く職場の上司、仲間など周りの皆様の協力に 支えられ、頑張ってこられたものと思います。 これまでの献身的な活動に深く敬意を表し、あ らためて感謝申し上げます。

さて、このところ、急速な医療に関する市場 原理主義の導入や新自由主義的医療政策の推進 により、日本の医療が危機にさらされており、 政府の唱える医療開国は「混合診療の全面解 禁」「医療ツーリズム」「株式会社参入」「外国人 医師」の問題が透けて見え、医療における規制 制度改革には多くの問題点が山積しています。

とりわけ、医療界の窮状は皆さんご承知のと おりで医療提供体制はまさに「待ったなし」の 極めて厳しい状態にありますが、一刻も早くこ の様な状況から脱却し、再生への道を切り拓い ていかなければなりません。

幸いにして、今回表彰を受けられる皆様は、 非常に経験豊かな方ばかりであり、永年培った経験や知識、技術を活かし、それぞれの立場で 良質な医療の提供に努め、後輩の指導にもご尽 力を賜りたいと思います。

終わりに、皆様の今後ますますのご健勝とさ らなるご活躍を祈念し、簡単ではございます が、ご挨拶と致します。本日は、誠におめでと うございます」と激励の言葉があった。

続いて、宮城会長より各施設の代表者へ表彰 状の授与が行われた。

宮里部長

来賓挨拶として、宮里部長から「20 年の長 きにわたり、沖縄県の 保健・医療・福祉の向 上に取り組まれ、その 御功績に対し深く敬意 を表します。近年、医 療を取り巻く環境は大きく変化しており、沖縄 県民の保健・医療・福祉に対するニーズはますま す高度化すると共に多様化しています。このよ うな中、医療業務に携わっておられる皆様にお いては、医療現場をはじめ沖縄県民の健康に関 わる多くの分野で、尽力されていることに対 し、心から感謝申し上げ、今後とも健康福祉社 会の実現と安全・安心な生活の確保に向けて中 心的な役割を担っていただけるものと期待して おります。」とお祝いの言葉が述べられた。

引き続き、受賞者を代表し、天久台病院看護 師の金城秀樹さんから「私どもが今日まで大過 なく勤めさせていただいたのも、ひとえに諸先 生方のご指導ご支援があればこそだと深く感謝 申し上げます。また、上司、同僚、後輩の皆様 方のお力添えがあればこそ、そして何よりも患 者様及び御家族にも支えられてきました。本 日、こうして晴れがましい表彰を頂けたのも、 皆様方のおかげであると感謝しております。20 年間、今では懐かしい思い出ばかりですが、こ うして振り返るとつい昨日のことのような気も いたします。楽あれば苦あり、人生山あり谷あ りですが、この20 年誠に充実した年月であっ たような気がします。今後も微力ではあります が、本日の栄誉に報いるためにも、さらに、た ゆまなく努力をいたす所存でございます。いっ そうのご指導、ご援助、ご協力を賜りますよう お願いいたします」と謝辞が述べられた。

表彰式終了後に行われた懇親会では、新垣議 長の乾杯の音頭で祝宴に入り、被表彰者の所属 する施設長や同僚が多数参加し、受賞者の永年 の労をねぎらい盛会のうちに終了した。

なお、同表彰式は毎年11 月に開催している。 被表彰候補者の推薦については、各医療機関並 びに各地区医師会において、申請漏れのないよ うお願いしたい。また、表彰式には一人でも多 くの被表彰者が参加されるようお願いしたい。

印象記

理事 佐久本 嗣夫

今年も昨年に引き続き平成23 年度永年勤続医療従事者表彰式で司会を務めました。今年は昨年 にも増して被表彰者が240 人を超える大人数となりました。これは他県に比較してもかなり多い 人数と思われます。一つの医療機関に20 年勤務したというその努力、忍耐にそのご本人はもちろ ん施設管理者にも深く敬意を表します。

さて今年は震災、津波、原発事故と国難と言える災害、事故が連続しました。今までも厳しい 状況の医療界ではありましたが今後はその間接的影響、またTPP 問題や受診時定額負担等も関 連しさらに厳しい状況になることが予想されます。しかしながら、表彰式での大勢の被表彰者の 精悍な顔や続いて行われた懇親会での盛大さを見ていますと医師不足、看護師不足といいながら も今後はどんどん沖縄医療界は発展して行くだろうという希望がもてました。またこの厳しい医 療行政の中、みんなが一丸となって立ち向かって行くだろうという頼もしさも感じられました。今 後もどんどんベテランの医療人が増えることを期待します。