沖縄形成外科研究会会長
新垣形成外科理事長 新垣 実
<これまでの歩み>
沖縄形成外科研究会は、沖縄県の形成外科の 研究、教育、診療の進歩・発展を目的として平 成4 年に発足しました。
その後、2 年の活動を経て、山本光宏先生、 當山護先生はじめ会員の先生のご尽力により平 成6 年度から県医師会医学会の分科会として承 認され、本格的な分科会活動が始まりました。
これまでの実績が評価され、本年度から日本 形成外科学会専門医資格更新の為の研究会とし て認定されました。地方の勉強会で、大学の後 ろ盾無く認定されたのは本研究会が初めてです。
昨年12 月には当会理事で中部病院形成外科 の石田有宏先生を会頭として、日本形成外科学 会九州支部学術集会第84 回例会を沖縄国立劇 場で開催いたしました。
当研究会の最大の特徴は自由度であり、どの 大学/学派の傘下にも属していない事です。研 究会では各施設から持ち寄った難しい症例に対 して自由闊達な討論がなされ、常に世界基準で 知恵を絞り合っています。これまで学閥を超え て、多くの県外/海外講師を招聘して学術講演 会を開催できたのも、ひとえに沖縄の自由度が なせる技だと思います。
<会員数>
発足当初10 名だった会員数は、県内施設の 形成外科開設に伴い順調に裾野を広げ、現会員 数は33 名(形成外科専門医20 名、形成外科医 8 名、他科医師5 名)となっております。
<分科会活動>
会の活動は、月に一度の英文ジャーナル抄読 会、年3 回の研究会、年1 回の学術講演会を定 例の活動として行っています。
月例の抄読会は、英文ジャーナルPlastic & Reconstructive Surgery を選択し、若手の先生 の育成もかねて県立中部病院形成外科に担当して いただき開催しております。年三回の研究会およ び学術講演会については、浦添総合病院アルカデ ィア、那覇市医師会館で主に開催しております。
<学術講演会>
平成6 年度より毎年、日本のみならず世界的 にも名の通る超一流の先生を招聘して講演会・ 学術集会を開催して参りました。
これらの素晴らしい講演会・学会を開催でき たのも、沖縄県の形成外科をリードしてきた當 山護先生始め沖縄県医師会の諸先輩方の功績の 賜物であると感謝しています。
<今後の展望>
本研究会の最大の特徴である自由度は、図ら ずも会員の医療活動を日本から海外へと広げつ つあります。
石田有宏先生(県立中部病院形成外科)は、 米国の医師免許を取得され、オレゴン州立大学 の非常勤講師として10 年以上活躍されており ます。
伊波博雄先生(クリニカいなみ)はブラジ ル、ハワイへ短期留学され、世界の形成外科を 研鑽されています。
西関修先生(県立南部医療センター・こども 医療センター形成外科)は、カナダに留学され 小児形成外科を勉強されて帰沖し活躍されてお ります。
新城憲先生(形成外科KC)は、一昨年、日 本人医師としては初めてのドバイの医師免許を 取得し、ドバイでの医療活動を開始されまし た。不肖、私も中国の医師免許を取得し、昨年 から新垣光之先生(クリアスキンクリニック那 覇)とともに、青島市民病院での医療交流活動 を開始致しました。目下、五十の手習いで、中 国語の勉強に悪戦苦闘中です。
若手の先生も負けてはいません。大石正雄先 生(中部徳州会病院形成外科)は米国のチーム と提携して、自家脂肪幹細胞移植による再生医 療を構築中です。
今泉督先生(県立中部病院形成外科)は、台 湾留学から今年帰沖し、口唇裂・口蓋裂をはじ めとする先天性疾患を勉強されて活躍中です。
視野は沖縄から世界へ、
≪琉球国は南海の勝地にして、三韓の秀をあつ め、大明をもって輔車となし、日域をもって唇 歯となす。この二中間にありて湧出せる蓬莱の 島なり。舟楫をもって万国の津梁となし、異産 至宝は十方刹に充満せり≫
−万国津梁の鐘碑文より抜粋−
<事務局>
宜野湾市宇地泊729 番地 新垣形成外科内
沖縄形成外科研究会事務局
TEL : 098-870-2990 FAX : 098-870-2980
E-mail : info-sca@cosmos.ne.jp