沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 10月号

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編集後記

今年は台風の被害が目立ちます。1 号2 号が 沖縄本島を直撃し、2 号の通過後は、一夜にし て木の葉が茶色に変色するなどの塩害が見られ ました。近くの公園や学校でも変色してしまっ た樹木が多く、市街地でこんなにはっきりした 「潮枯れ」はいままで見たことがありません。9 号は暴風域が40 数時間続き、農作物に大きな 被害をもたらし、台風15 号も弱い勢力ながら、 沖縄近海に数日間とどまり観光業に打撃をあた えました。

5 月6 日沖縄気象台はデイゴの開花宣言を出 しました。今年は平年より39 日遅い開花だっ たそうです。その時期、国道沿いや公園ではデ イゴの花がたくさん咲いていました。去年は、 ほとんど咲かなかったようです。デイゴの花が 良く咲くと台風が多いといいますが、もうこれ 以上は勘弁してもらいたいものです。皆で、「う ーとーとー」して台風を吹き飛ばしましょう。

冒頭に掲載された「日医総研シンポジウム」 の報告は、ぜひご一読下さい。医療事故調査制 度を日医は不可欠なものと考え、制度の実現を 模索しています。医療事故から刑事措置への流 れを断ち切り、医療を積極的に提供できる環境 を整えてほしいものです。

「男女共同参画フォーラム」の報告で、秋田 大学では40 %が女子学生との発言があります。 びっくりしました。女性医師の労働環境整備 は、医療を支える重要課題となっています。

沖縄県医学会総会特別講演、永井友二郎先 生の「人間的な良い医療を目指してプライマ リ・ケアこそ医学の本道」は医療の本質を語る 内容と思います。特に、本文中の法律家の思い には、なるほどと肯かざるを得ません。

東日本大震災から、早くも半年が経ちまし た。福島第一原発事故の影響もあり、復興事業 は遅々として進んでいません。新しい内閣の指 導力が注目されます。沖縄県医師会は被災地支 援として、岩手県大槌町に大震災直後から5 月 31 日まで15 陣の医療支援チームを派遣いたし ました。各派遣チームの報告が5 月号より順次 掲載され、今月号は、最終派遣チーム15 陣 (玉井修先生)の報告になります。最終15 陣は 撤収を成功させる大切な役割を担い文中にも「撤収は誰かがもう良いと言ってくれる事も無 く、始まりも終わりも結局は自分たちで決めな くてはならない」とあり、引き際の難しさがう かがわれます。撤収が被災地の方々にとって、 不利益とならない配慮が必要になります。まさ に、「立つ鳥跡を濁さず」の心境であったので はないでしょうか。お別れの挨拶の時、期せず して起きた拍手と「ありがとう」の言葉は、沖 縄県医師会にとって何物にも替えがたい宝とな りました。本当にご苦労様でした。

分科会・研究会の報告では、沖縄県外科会 (大久保和明先生)沖縄県整形外科会(知念弘 先生)より会の変遷、現在の活動などが紹介さ れています。

生涯教育コーナーでは、「発作性夜間ヘモグ ロビン尿症」(友寄毅昭先生)について詳しい 解説をいただきました。

インタビュー・コーナーでは、前田和子先生 に沖縄県立看護大学学長就任にあたっての抱負 などをお聞きしています。

月間(週間)行事お知らせコーナーでは、骨 と関節の日(上原昌義先生)・目の愛護デー (江夏亮先生)・麻酔の日(島袋勉先生)・臓 器移植普及推進月間(宮島隆浩さん)・骨髄バ ンク推進月間(狩俣かおり先生)・沖縄糖尿病 週間(高橋隆先生)・ピンクリボン運動月間 (上原協先生)に因んで、それぞれ造詣の深い 先生方より寄稿をいただきました。

若手コーナーでは、「普通の医療のできるこ との幸せ」清水徹郎先生・「マッチング」金城 康幸先生に寄稿をお願いいたしました。

発言席の、チベット高地での血中酸素飽和度 測定は、興味深い結果ですが、広報委員より一 部補足をさせていただきました。

今月の随筆は、四季(大城喜寿郎先生)・天 体写真を撮ってみませんか(足立源樹先生)・ 沖縄市場「美らちゅら」(池村富士夫先生)の 3 題です。

今月号も、会員の皆様の寄稿、投稿に支えら れて紙面が構成されています。厚く、御礼申し 上げます。

広報委員 池村剛

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