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沖縄県医師会平成23 年度研修医歓迎レセプション

玉井修

理事 玉井 修

平成23 年4 月8 日(金曜日)午後7 時より沖 縄県医師会館3 階ホールにおいて平成23 年度 研修医歓迎レセプションが開催されました。県 立病院、RyuMIC、群星研修病院の3 つの新臨 床研修医が一堂に会しての県医師会主催歓迎レ セプションは今回で3 回目になります。沖縄県 はマッチング率も高く、全国からも臨床研修の メッカとしてかなり評価されておりますが、近 年では後期研修医としてそのまま沖縄県に残る 研修医が減ってきております。2 年の初期研修を終えて、更に専門性の高い研修が提供できる システムを沖縄県一体となって構築する必要に 迫られております。現在の3 つの研修病院群間 の連絡を密にし、研修医が希望する様々なニー ズに応えていける全島一体型の研修体制を早急 に実現させなければならないという事でありま す。その様な意味からも、今回のように沖縄県 全体で研修医を歓迎するというレセプションの あり方は大変意義深いものです。特に今回から は女性医師に対する大きな期待の表れとして、沖縄県医師会女性医師部会からのご挨拶があり ました。また、2012 年に完成予定の“おきな わクリニカルシミュレーションセンター(仮)” についてのご説明がありました。沖縄県の臨床 研修医に対するアプローチはよりグローバル で、積極的なものへ変化しつつあるという印象 を受けました。また、3 月11 日に発生した東日 本大震災に関連してのご報告は、医師として生 きる覚悟を新臨床研修医の皆さんに突きつけた ものではなかったでしょうか。

124 人の新臨床研修医の溢れる熱気に圧倒され つつ、仲井眞知事をはじめ多くの来賓、先輩方の ご挨拶を拝聴し、一人一人が医師として、人とし て成長して行くことを祈念した会となりました。

宮城信雄会長

挨拶する宮城信雄会長

仲井眞弘多知事

挨拶する仲井眞弘多知事

伊江朝次病院事業局長

挨拶する伊江朝次病院事業局長

仁井田りち

挨拶する仁井田りち沖縄県医師会
女性医師部会副部会長

大屋祐輔先生

クリニカルシュミレーションセンターに
ついて説明する大屋祐輔先生

出口宝先生

東日本大震災の医療支援活動について
説明する出口宝先生

研修医代表挨拶

研修医代表琉球大学附属病院 上 若生

本日は私たち新人研修医のために、このよう な歓迎レセプションを催していただき、誠にあり がとうございます。宮城医師会長を始めとした先 輩方からの、また仲井眞県知事からのお言葉を いただくことができ、身に余る思いであります。

私自身生まれ育ったこの沖縄で、目標であっ た医師への第一歩を踏み出せたことを非常に嬉 しく思っています。その一方で、先の震災によ り、現在の日本はかつてない事態に見舞われて います。幸い沖縄は直接的な被害を被ってはお りませんが、自分の身に置き換えてみると、私 自身が全くの無力であることを痛感してしまい ます。まだまだ医師としての道のりを歩み始め たばかりで当然ではあるのですが、出来る限り 早く、環境になれ、医師としての技術と、覚悟 と、思いやりを身につけたいと思います。

そのためにも、研修医一同、協調性を持ちな がらもお互いを刺激し切磋琢磨して、先輩先生 方のご指導を仰ぎながら、日々努力していきた いと思います。また研修医が元気な病院は明る く活気付くと、先輩に伺ったことがあります。 その言語のとおり、私たち研修医が楽しく研修 し、その病院を、沖縄の医療を、果ては日本の 医療を支える存在になれると信じております。

以上で、簡単ではありますが、重ねて感謝の意 を表させていただき、研修医代表挨拶とさせてい ただきます。本日は誠にありがとうございます。

※当日、レセプションに参加いただいた研修医 の先生3 名にインタビューを行いました。

○沖縄県立中部病院 吉川 裕貴 研修医

吉川裕貴

質問1.医師を目指した理 由についてお聞かせ下さい。

目の前で笑っている人が いると自然と嬉しくなり、 隣の人が怒っていると居心 地悪く感じる、私はそんな 性分を持った人間です。それならば自分も人も 笑顔になれる仕事をしたい、幼い頃の私はそう 考えました。一方で、子供の頃病弱でよく近所 の小児科にかかっていた私にとって、近所のお 医者さんは苦しい時に助けてくれるスーパーマ ンのような存在であり、人を笑顔にさせる典型 のような職業でした。私が医師になることを決 めたのはそんな単純な理由ですが、その思いは 今でも大切に持ち続けています。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望 されていますか?また、所属している研修機関 を選んだ理由をお聞かせいただけますか?

設備や研修プログラムなど、臨床研修にとっ て重要な要素はたくさんあると思いますが、私 にとって譲れないものは人との出会いです。自 分が学生時代に県立中部病院に実習に訪れた 際、この病院で働くスタッフ同士のつながりに 感銘を受けました。それは例えば、屋根瓦式の 教育システムを裏打ちする学年を越えた結びつ きであったり、職種の垣根を越えたコミュニケ ーションであったりするわけですが、とりわけ 20 人を超える頼もしい同期の存在が印象的で した。つらく厳しい研修を共に乗り越える戦友 がいればこそ、自分の最大限のポテンシャルを 発揮し、より良い研修を収めることが出来る、 私はそう信じて県立中部病院に恋をしました。

質問3.将来をどのような医師になりたいです か?お聞かせ下さい。

120,000 人。

一人の臨床医が一生の間に関われる患者は延 べ何人になるだろう、と考えたことがありま す。1 日に新しく診られる患者の数を平均10 人 とし、年間300 日、40 年働くと仮定するなら ば、と非常に大雑把に計算してみたのが冒頭の 数字です。人によって捉え方はそれぞれでしょ うが、私はこの数字をとても大きいと感じまし た。たった一人の医師が十二万人の健康に影響 を与えるのです。ならば、と私は考えました。 十二万人に恩恵をもたらす医師一人ひとりの行 動に変容をもたらせたならば、はるかに多くの 人々に貢献できるのではないか、と。

私は将来、感染症科医を志していますが、そ れと同時に教育あるいは公衆衛生の領域にも取 り組むことで、他の大勢の医師の背中をそっと 押したり支えたりするような仕事をしたいと思 っています。初期研修、あるいはその後のトレ ーニングで自分なりの背中の押し方を探してい きたいと考えています。

宮城征四郎群星沖縄臨床研修センター長

乾杯の音頭をとる宮城征四郎
群星沖縄臨床研修センター長

乾杯

乾杯

上若生先生

研修医代表挨拶をする
琉球大学医学部附属病院 上若生先生

○南部徳洲会病院 伊元 孝光 研修医

伊元孝光研修医

質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。

私が初めに医師を志そう と決めたのは、中学1 年生 の時の友人の死がきっかけ でした。その友人は交通事 故で亡くなってしまったのですが、当時、彼の 仏壇の前で、「わずか13 年で生涯に幕を閉じて しまうのはあまりにも短すぎるじゃないか」と 思ったのを今でも鮮明に覚えています。もとも と伯父が医者だったこともあり、医者という職 業に興味はあったのですが、その友人の死をき っかけに、彼のように幼くして亡くなっていく 人達をなんとか救いたいと思ったのが、私が医 者を目指した理由です。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望 されていますか?また、所属している研修機関 を選んだ理由をお聞かせいただけますか?

私は将来、プライマリ・ケア医になりたいと 考えているので、今は救急疾患を勉強したい、 またできるだけ多くの科に触れたいと思ってい たので、この南部徳洲会病院を選びました。

質問3.将来をどのような医師になりたいですか?お聞かせ下さい。

とにかく患者さんの話を聞いてあげられる存 在になりたいと思っています。将来どのような 病院でどのような仕事をしているかは想像もつ きませんが、この想いだけは貫いていければい いなと考えています。

○琉球大学医学部附属病院卒後臨床研修センター
下地 裕子 研修医

下地裕子研修医

質問1.医師を目指した理 由についてお聞かせ下さい。

幼い頃、テレビで発展途 上国の人々が飢えや病で苦 しんでいる映像を見て、こ の人たちを救いたいと思っ たのが、医師を目指すようになったきっかけで す。中学、高校と進学するうちに別の道を思い 描いたり、迷ったりもしましたが、人の命を救 うという職業は魅力的でやりがいがあると感じ、 医師になることを決意しました。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望 されていますか?また、所属している研修機関 を選んだ理由をお聞かせいただけますか?

私は2 年後に進む専門が決まっているため、 早めに専門領域に触れることが出来るというこ と、研修内容が比較的自由で外の病院での研修 も選択出来るということ、という点で琉球大学 医学部附属病院を選びました。

質問3.将来をどのような医師になりたいです か?お聞かせ下さい。

場所を問わず、医師が必要とされている地域 で働きたいと思っています。また常日頃目標にしているのは、相手と同じ言葉で話せるように なることです。医師同士で議論するには知識が 必要ですし、患者とコミュニケーションを取る には教養も必要になってくると思います。どん なに忙しくても、医療は医師のみならず、患 者、コメディカルのスタッフといった様々な人 と共に作っていくものだということを忘れない ようにしたいです。

沖縄県医師会平成23 年度研修医歓迎レセプション

  • 日時:平成23 年4 月8 日(金)19 : 00 〜 21 : 00
  • 場所:沖縄県医師会館(3F ・ホール)

会次第

司会:玉井修 理事

1.開会 沖縄県医師会副会長 玉城 信光

2.挨拶 沖縄県医師会会長 宮城 信雄
     沖縄県知事 仲井眞弘多
     沖縄県病院事業局長 伊江 朝次
     沖縄県医師会女性医師部会副部会長 仁井田りち
     琉球大学 大屋 祐輔
          阿部 幸恵
     名桜大学 出口 宝

3.乾杯 群星沖縄臨床研修センター長 宮城征四郎

〜歓談〜

4.新研修医紹介 各臨床研修病院

5.研修医代表挨拶 琉球大学医学部附属病院 上 若生

〜歓談〜

6.閉会 沖縄県医師会副会長 小渡 敬

研修医の紹介

県立中部病院研修医の余興

指導医と研修医の方々