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沖縄県小児救急電話相談事業(#8000)意見交換会

玉井修

理事 玉井 修

平成22 年7 月5 日に沖縄県小児救急電話相 談事業(# 8000)が開始されて半年が経過し ました。去る1 月26 日(水)に、# 8000 事業 に関わる看護師、医師、事務局が一堂に会して これまでの経過を確認し、今後の課題について 意見交換を行いました。# 8000 事業がより円 滑に運用されるよう、今回の意見交換会で出た 様々なご意見を生かしていきたいと思います。

1)実施状況報告:沖縄県医師会担当理事 玉井修

この半年、# 8000 事業は順調にその実績を 伸ばしてきたと思われる。1 日の相談件数は20 〜 30 件で、台風の日を除く毎日午後7 時から午 後11 時まで電話相談に応じてきた(スライド 1)。相談電話はまず看護師が取り、対応に困っ た場合に当番医師に電話して対処を確認すると いう方法で、ドクターコールは約8 %に落ち着 いてきている。標本調査を毎日5 件行っている がその日の9 時までに救急病院を受診したのは 全体の28 %であり、コンビニ受診を抑制できた かどうかの判断は難しいが数字の上では一応の効果が期待できると思われる(スライド2)。し かし、半年が経過し多くの問題も露呈してきた。 最も重要な課題は、現在、当番医師に対し18 時 50 分に# 8000 からこれから当番であるという 確認の電話を入れるようにしているが、その半 分以上の場合にその当番医師への連絡が取れな いという問題である。この様な事態に対応する ために現在当番医師がつかまらない場合のバッ クアップドクターの体制を作っている(スライ ド3)。しかし、この体制はバックアップドクターへの負担が大きくなり、深刻な疲弊の問題が 生じつつある。バックアップドクターは現在真 栄田医師、具志医師、小生(玉井)の3 人で回 しているが今後はバックアップドクターの人数 も増やす工夫をする必要がある(スライド4)。

スライド1

(スライド1)

スライド2

(スライド2)

スライド3

(スライド3)

スライド4

(スライド4)

2)沖縄看護協会長挨拶:奥平登美子

看護師の相談事業が円滑に運用される為には どうしても当番医師による円滑な支援が欠かせ ない。そのためにも当番医師への円滑な連絡体 制の整備が肝要と思われる。また、相談内容を 聞いていると、臨床現場での保健指導の重要性 を痛感し、多忙な診療中に大変だとは思うが、 もう一言二言のアドバイスが保護者に与えられ ると良いのかな?と思う。

ここでフロアのご意見を伺った。

今後当番医師への円滑な連絡体制を構築するた めにどの様な方策があるのか

以下はフロアからのご意見

  • 1.18:40 〜 18:55 の間に医師の方から自分が当番医師であるというエントリーをかける
  • 2.18:50 と18:55 の2 回だけ看護師はコールし、それで出なければそれ以上は探さない
  • 3.当番医師を毎回2 人体制にしてファーストコールで出なければセカンドコールをする
  • 4.現在60 名のドクターを絶対対応できる人に絞り込む

様々な意見が出ましたが、今後方策を検討していきたいと思います。

3)この6 ヶ月を振り返って:コーディネーター 志茂ふじみ

かなり育児相談的な内容が多く、この育児相 談を毎回# 8000 で解決するのは困難である。 育児相談に対応するどこか窓口を案内できない かと考えている。また、相談内容が適切であっ たかどうかの見返りの必要性も考えており、今 後どこかで意見交換を行いたい。

実際の育児相談的内容の具体例:

4)バックアップドクターについて:具志一男

現在、土壇場で対応出来なくなった場合や、 当番中にどうしても対応出来ない状態になった場合に対応しているが、思った以上にバックア ップする件数が多い。今後バックアップドクタ ーの体制強化も課題であろう。

ここでフロアからのご意見を伺った。

  • 1.来年度4 月からの当番医師は継続の意志の有無について調査する必要がある
  • 2.その場合、確実に連絡が取れる体制で当番して欲しいというリクエストも付加する
  • 3.新しくエントリーする医師も早急に募集するべき
  • 4.事務局がやっている事前の通知をFax して返す場合にコメント欄に次月外して欲しい日や、希望日などについても記載して貰えると、当番の日を確実に対応して貰えるのではないか

様々なご意見を頂きました。

5)意見交換では闊達なご意見を頂きました。以下に記します。

  • 1.# 8000 によって実際にコンビニ受診が減 っているのかどうかは実際に救急医療を行 っている機関にヒアリングをして調査すべ き、県医師会の標本調査では不十分
  • 2.実際に救急現場にいる者としては、若干 電話相談の件数は減っている感があるがま だ結論としては言えない(県立南部医療セ ンター)
  • 3.冬場の繁忙期は1 日30 件あまりの相談に 応じ、看護師は記録用紙を書く時間もな い。冬場だけでも看護師2 人体制をとれる ような予算措置はあり得ないか
  • 4.大きな数字ではないが、離島や僻地から の電話相談はアクセスできる医療機関が限 られている保護者に対して大切なアドバイ ス環境となっている感がある
  • 5.実際標本調査を行うと、ほとんどの保護 者からは感謝の言葉を頂く
  • 6.コンビニ受診の抑制、救急医療の疲弊緩 和についてのもっとしっかりした評価をす るべき
  • 7.県立南部医療センターに通院中の患者さ んの電話で、県立南部医療センターのスタ ッフでないと答えられないような電話相談 も# 8000 に回ってくる事もあったので、 最近ではフローチャートを作って南部医療 センター対応電話と# 8000 で対応する電 話を振り分けるようにしている。
  • 8.119 番にかけたら、# 8000 を紹介された として回ってくるケースもあった。結局緊 急性があると判断された症例で、直ぐに救 急病院を受診する様に指示したが、やはり 保護者が緊急事態と判断した場合は119 番 で対応するのが筋ではないだろうか

多くのご意見を頂きました。闊達なご意見を頂きまして誠にありがとうございました。