沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 3月号

平成22年度 都道府県医師会共同利用施設担当理事連絡協議会

理事 金城 忠雄

平成23 年1 月19 日(水)、日本医師会館に おいて標記協議会が開催されたので、その概要 を報告する。

開 会

葉梨日医常任理事から開会が宣告され、引き 続き同常任理事の司会進行により議事に入った。

挨 拶

原中日本医師会長から、概ね次のとおり挨拶があった。

2009 年3 月現在の医師会共同利用施設の設 立状況をみると医師会病院が85 ヶ所、介護老 人保健施設が36 ヶ所、健診センターが181 ヶ 所、訪問看護ステーション等その他の施設が 1,049 ヶ所あり、合計1,351 ヶ所となっている。 この共同利用施設については公益認定上いろん な問題が出てきたが、本日は函館市医師会並び に富山市医師会から新公益法人制度改革への取 り組みについてご報告いただくことになってい るので、参考になるものと考えている。

今、医療を取り巻く環境は大変厳しいものが あり、今回の診療報酬改定ではプラス改定とな ったが、その改定率はわずか0.19 %であった。 病院、診療所ともにマイナスにはなっていな い。社会保障費2,200 億円削減方針も撤廃さ れ、良い方向には向かっているものと思うが、 政府が44 兆円という国債をあてにした国家予 算を組んでおり、これがいつまで続けられるの かと考えると更に厳しい状況であると考える。

来年は診療報酬・介護報酬の同時改定があ り、日本医師会では、早々とねじれ国会を見越 して、適正な費用をつけていただくためのプロ ジェクトを設立している。

日医としても出来る限りのことをするつもり であり、先生方も地域医療のために今後とも努 力されますことをお願い申し上げたい。

議 事

(1)新公益法人制度改革について

北海道医師会理事・函館市医師会の伊藤会 長から、新公益法人制度改革への取り組みにつ いて、資料に基づき次のとおり報告があった。

函館市医師会は現在、A 会員212 名、B 会員 406 名の計618 名の会員と職員345 名からなる 郡市区医師会である。当医師会では医師会病 院、救急医療、看護学校、健診・検査センター 等の事業を行っている。

この度の移行認定申請にあたり、公益目的事 業比率100 分の50 以上クリアするためには、 医師会共同利用施設が公益目的事業として認め られるかどうかが最大の課題であった。公益社 団法人への選択については、会員から賛否両論 の意見があったが、臨時総会において税制面等 を説明し、法人税の非課税が存続可能な方を目 指すとして公益社団法人を取得すべく会員の理 解を得た。日医のモデル事業に選出されたこと もあり、一昨年の夏頃から公益社団法人へ向け て、本格的に作業に取りかかり、日医総研と連 携を取りながら、顧問税理士や経営コンサルタ ントと契約し医師会内部でも事業の洗い出しを 行った。

現在、展開している公益目的事業の括り方や 定款の改正には役職員一丸となって、活発な議 論を重ね、取り組んできた。

行政の窓口は北海道庁であり、北海道公益認定等審議会においては当初なかなか理解を得ら れず、一つ一つハードルをクリアしていく必要 があった。医師会共同利用施設の必要性を説明 していった結果、結果的に本会が展開している 8 つの事業(公1 〜公8)の全てについて、公 益目的事業としてみなされた。

なお、1 回目の申請において、8 つの事業を 独立させる必要もなく、大きな括りで良いとし て「公1 地域医療の質の向上を図り、もって住 民が安心して暮らせる地域社会の実現に寄与す る事業」として申請したが認められず、公1 〜 公8 に括り直して申請した結果、公益認定審議 会の理解を得られた。

当会が大きな括りの「公1」を粘り強く主張 しなかった理由として、7 つの理由を示してい るが、これから公益社団を目指して移行認定申 請を行う医師会は、これらの要因を十分考慮さ れ、作業を進められることをお勧めしたい。

数々の難題もあったが、本年1 月12 日開催 の北海道公益認定等審議会で答申書が承認さ れ、平成23 年4 月1 日より、公益社団法人函 館市医師会として出発する予定である。

続いて、富山市医師会の吉山副会長から、新 公益法人制度改革への取り組みについて、資料 に基づき次のとおり報告があった。

富山市医師会は、各種地域産業保健、学校保 健、看護専門学校、健診事業、検査センター事 業、救急医療センター等医療サービスの実施に 関わる担い手と欠くことの出来ない存在となっ ている。

このような状況の中で、新公益法人制度への 対応に関しても医師会としての法人のあり方を 矮小化することなく、最終的には公益法人を目 指すべきだということで、平成22 年1 月に理 事会に諮り、検討委員会の立ち上げを決議し、 目的、事業の状況、機関設計、財務状況につい て現状把握を行い、問題点と改革案(対応策) の方向性を探ることになった。

先ず、作業としては、旧会計基準での部門別 事業比率、事業区分の見直し等を行い、17 事 業を26 区分に細分化し公益性を確認した。

次に新公益法人会計(20 年度会計)への移 行に当たり、1)富山市医師会の事業内容(大項 目)、2)事業内容から見た公益目的事業(公益 目的事業比率は76 % >50 %)、3)収支相償を勘 案した公益目的事業(公益目的事業比率は 33.5 % >50 %)、4)非営利一般法人を選択した 場合(新たな税負担が生じる)等分析を続けた 結果、大項目の事業区分が複数の部門に跨るこ とが分かった。

そこで、医師会の組織運営管理を確認し、分 類を改めて、組織構成を踏まえた事業区分への 再編(事業区分(17 大区分)を主となる部門 別に26 中区分に分類)を行い、1)26 事業中区 分+管理費の内訳、2)26 事業中区分+管理費 の内でのグループ化、3)26 事業中区分に於ける 公益目的事業等を検討した。

今後の公益法人申請へのスケジュールとし て、平成23 年3 月に理事会へ答申書を提出し、 移行改革案の方向を確認する。同年6 月には理 事会において、4 つの基本方針(移行先法人、 申請時期、定款変更回数、最初の役員選任方針 を仮決定)を確認する。

また6 月の総会において、1)4 つの基本方針 を決議、2)移行改革案の方向を決議、3)改革案 を反映した「定款変更案」「諸規定案」の起草 に着手する。

さらに、24 年3 月の理事会において、1)最初 の代表理事・執行理事を停止条件付き選任し、 2)「定款変更案」「諸規定案」の総会提出を決 定(申請書類作成に着手)する。又、6 月の理 事会で申請書類主要事項を確認し、同月の総会 において、1)最初の会計監査人停止条件付き選 任、2)「定款変更案」「諸規定案」を停止条件 付き決議、3)申請書類主要事項を確認し、7 月 を目処に申請書を提出したいと考えている。

引き続き、日本医師会の今村常任理事から、 医師会共同利用施設と新公益法人制度につい て、資料に基づき次のとおり説明があった。

今回、日医から「医師会共同利用施設の公益認定上の考え方(平成21 年3 月17 日)」と 「公益法人制度改革への対応に関するアンケー ト調査(平成22 年10 月)結果報告」の2 点に ついて、情報提供ということで出させていただ いており、既に都道府県医師会へもお送りして いるものであるが、是非参考資料としてご活用 いただきたい。

公益法人制度改革への対応に関するアンケー ト調査については、47 都道府県医師会と892 郡市区等医師会を対象にアンケート調査を行 い、回答数は、都道府県医師会が4 7 件 (100 %)、郡市区等医師会が654 件(73.3 %) であった。

現時点での新制度下における方向性につい て、「1)公益社団法人」を選ばれた医師会は、 都道府県医師会13(27.7 %)、郡市区等医師会 46(7 %)、「2)非営利徹底型一般社団法人」を 選ばれた医師会は、都道府県医師会1 0 (21.3 %)、郡市区等医師会367(56.1 %)、「3)非営利徹底型一般社団法人へ移行した後に、公 益法人を目指す」を選ばれた医師会は、都道府 県医師会5(1 0 . 6 %)、郡市区等医師会3 5 (5.4 %)であった。未だ検討中の医師会もあ り、道府県医師会19(40.4 %)、郡市区等医師 会159(24.3 %)であった。又、公益社団法人 への移行を決めた理由について、「公益社団法 人になることの社会的評価の高さに魅かれたた め」と回答した医師会が多く、都道府県医師会 8(61.5 %)、郡市区等医師会29(63 %)であ った。

また、「非営利徹底型一般社団法人」または 「非営利徹底型一般社団法人へ移行した後に、 公益認定を目指す」を選ばれた医師会につい て、非営利徹底型一般社団法人への移行を決め た理由等について確認した結果、「公益認定取 消し時に財産を失うリスクがあるため」、「将来 に亘り、継続して公益認定基準を満たせるか不 安なため」、「公益社団法人になることのメリッ トを感じないため」等の回答が多かった。

移行時期については、平成24 年度中に申請 予定という回答が多く、その他各県の意見も出 されているので、参考にしていただきたい。

質疑応答

■函館市医師会では「公1 地域の診療所が共同 で利用可能な開放型病院の運営」を主要理由 に公益目的事業として認められたとのことで あったが、これについては、北海道という地 域の特殊性が働いているのではないかと考えるが。

□函館市医師会は、行政にかなり具体的に理由 を説明しているものと思う。我々医師会は、 地域にこれだけ貢献しているということを説 明することが大事である。

■地域性が非常に影響するということか。

□そのとおり。病院がどうして地域にとって必 要かということを説明することが大事である。

■富山市医師会の場合は、編成前が73 %だったのが、編成をして何%になったのか教えていただきたい。

□編成をして68.8 %になった。

(2)平成20 ・21 年度医師会共同利用施設検討委員会報告書について

医師会共同利用施設検討委員会の篠原委員 長(静岡県医師会副会長)より、医師会共同利 用施設の課題と将来展望について、資料に基づ き説明があった。

< 医師会共同利用施設とは>

医師会共同利用施設とは、地域医師会が学術 的基盤に立って、地域ニーズに対応した形で医 療・保健・福祉に関する活動、医師の生涯教育 を組織的に実施し、これを通じて地域の医療・ 保健・福祉の充実向上に貢献することを基本理 念とした施設である。具体的には、医師会病 院、医師会診療所、医師会臨床検査・健診セン ター等の他に訪問看護ステーション、在宅介護 支援センター、地域包括支援センター等の医 療・介護・福祉分野の施設があり、全国に計 1,351 施設が設立されている。

< 医師会病院について>

医師会病院は、現在、全国に85 病院あり、 診療所が外来機能を担い、病院は専門外来、救 急や高度先進医療、入院機能に特化することに より病診連携と機能分担を推進し、限られた医 療資源の有効利用により地域における医療提供 体制のあるべき姿を図ることを目的に設立され た。医師会病院の現状は(問題点)は、1)医師 不足・看護師不足、2)診療報酬の引下げ等によ る財務状況の悪化、3)地域医療支援病院の問題 点、4)病院の建替え・公設民営化等、5)借入 金・融資等の問題を抱えている。このような状 況の中、今後1)公設民営について、2)借入金の 連帯保証人について、3)融資について、4)医療 法31 条に基づく公的医療機関認定についての 4 課題について検討する必要がある。

○医師会病院の公設民営について

公設民営の医師会病院は約13.9 %(10 病 院)であり、主要病棟群に改修又は立替えを必 要とするものは、日医総研調査回答群の 56.9 %(41 病院)にも上がっている。しかし、 そのうち、独自で或いは条件付でも改修・立替 えの対応が可能かどうかについて問題があると 考えられる病院は、34.2 %(14 病院/41 病院 中)にも上る。公設民営化は、今後の対応方策 として前向きに評価されており、病院が今後と も地域で存在していくためには、一つの代替案 として検討すべきである。

ある自治体では、地域に欠かせない医師会病 院のうち小児医療部門の赤字分を負担(共有部 分は按分計算)するという、一部門のみの公設 民営方式をとり、地域医療提供体制に貢献して いる。地域医療の提供体制を維持・発展してい くためにも、このような公設民営方式も検討す べきであると考える。

○借入金の連帯保証人について

日医総研調査より、医師会関係者が保証人の割合は77 %となっている。

鹿児島県曽於郡医師会から、1)債務保証をA 会員が限定根保証という形式で、5 年間限定で 均等に3,000 万円ずつ分け合った。2)地域医師 会の役員のみが連帯保証という過大な負担を受 け持つのではなく、地域の医師会員全体で債務 保証を分け合ったとの限定根保証が報告されて いる。全国の医師会病院や地域医師会には固有 の事情があり、その導入については慎重な対応 が必要である。

また、医師会病院への融資は民間の銀行等が 多いが、これを公的機関による新たな保証制度 の整備、既存の都道府県中小企業信用保証協会 の保証制度の拡充、福祉医療機構等の公的融資 機関からの融資に借り換えることも検討する必 要がある。

○医療法31 条に基づく公的医療機関認定について

医師会病院は、診療所と病院の連携による地 域医療の拠点であり、極めて公益性の高い医療 機関であることは論を持たない。

しかし、「公的医療機関」には、行政より多 額の補助金が出ているが、地域医療提供体制に 多大な貢献をし、同様に公益性の高い医師会病 院には補助金はほとんどない。

医療法31 条に基づき厚生労働大臣が定める のは「公的医療機関」自体ではなく、その開設 者である。そのため、それぞれの地域医師会を 「公的医療機関の開設者」として定める必要が ある。

このような状況で公益法人制度改革を控え、 「公的医療機関の開設者」として、今後厚生労 働大臣告示において医師会病院ではなく「地域 医師会」を医療法第31 条の中でどのように位 置づけるかについて、検討が必要である。

また、それぞれの地域医師会と医師会病院は 固有の事情を抱えており、将来的に全ての医師 会病院が公的医療機関となるのを希望するかは 不透明であり、今後検討が必要である。

< 臨床検査・健診センターについて>

臨床検査・健診センターは、医療の高度化への対応と地域医療の向上を目的とし、会員の診 療を支援する共同の検査室として開設され、施 設数は181 施設ある。現在、診療報酬における 検体検査実施料の引下げ、健診事業における競 争入札、健診システムや検査システムにかかる 高額な更新費用、民間検査センターとの競合、 会員利用率の低下等、様々な運営上の問題を抱 えている。このような状況の中、今後の方向性 としては1)会員や地域医療・地域保健に貢献で きるような事業展開、2)特定健診・特定保健指 導への積極的な関与、3)その他、健診(検診) 制度の改革・変革への迅速な対応、4)検査試薬 共同購入、5)地域住民の検診・検査データの蓄 積による地域保健への貢献、6)診療報酬の適正 な評価が何よりも求められる。

< 特定健診・特定保健指導について>

平成20 年度から実施された特定健診・特定 保健指導については、早急に解決が求められる 様々な課題がある。1)制度についての国民への 周知不足、2)特定健診の低い受診率、3)特定保 健指導のさらに低い利用率、4)健診項目の減少 (従来基本健診で実施されてきた健診項目が実 施できない)、5)特定健診等データの電子化に関 する取扱いの煩雑さと必要経費の増加、6)総合 的な生活習慣病対策の必要性(対象疾患を内臓 脂肪症候群に特化したことの問題点)等である。

こうした中、積極的に特定健診・特定保健指導 に取り組んでいるところも多く、当日健診・当 日保健指導を実施している東京都江戸川区医師 会方式は、極めて特徴的であり、今後の受診率 向上に向けての参考事例になるものと思われる。

また、未解決課題等について検討すべく厚労 省「保険者よる健診・保健指導の円滑な実施方 策に関する検討会」が平成22 年度に再開予定 である。

< 訪問看護ステーションについて>

医師会共同利用施設における介護関連施設 は、老人保健施設や地域包括支援センター、在 宅介護支援センター、訪問看護ステーション等 様々である。いずれも今日の課題である「地域 包括ケアにおける医療・介護・福祉の協働」に 大きく貢献している。高齢化の進展の中、訪問 看護ステーションは、最も多くの地域医師会が 取り組んでいる事業であり、全国で475 ヶ所設 置されている。

訪問看護ステーションの現状は、人材不足・ 過重な業務負担や経営上の問題があるが、今後 の取り組みとして、1)在院日数の短縮による緩 和ケアの需要が増大し、療養病床の再編による 医療依存度の高い患者の在宅での看取りが増え てくる中、人材不足と過重な業務負担の2 課題 の克服が急務であること、2)ステーションの特 性を生かすために会員の先生方の協力を最大限 に求めていくこと、3)今後の超高齢化社会に備 え、地域医師会としても在宅医療の推進に積極 的に取り組んでいく必要がある。

主治医との緊密な連携のもと訪問看護を実施 する医師会訪問看護ステーションは、地域包括 ケアにおいても、極めて重要な役割を果たすこ とは間違いない。

地域社会における今後の医師会共同利用施設 のあり方としては、医師会共同利用施設は連携 と継続による地域医療体制の再構築における中 心的存在として活動することである。

(3)医師会共同利用施設を巡る諸問題についての協議

県・郡市区医師会より寄せられた質問、意 見、要望について、葉梨常任理事から次のとお り回答があった。

「医師会立病院を公的医療機関に位置づけ る」働きかけについて、日医が積極的に取り組 んでいただき御礼申し上げる。現在の日医の活 動内容取り組みについて情報提供を行って頂き たい。又、日医の今後の展開について伺いた い。現在、病院存続の危機を迎えている医師会 立病院もあり、新公益法人制度改革で公益社団 か一般社団かの判断に医師会病院運営が大きく 関わる法人もある。何とか目安だけでも教えて いただきたい。(島根県・益田市医師会)

回答:益田市医師会が調査した「医師会立病院 を公的医療機関に位置付けること」について、 賛成は13 病院であり、全ての医師会病院が公 的病院を希望するかはまだ見えない。公的医療 機関は現在、日赤、済生会、農協病院がある が、開設者が規定されている。医師会病院を持 つ全ての医師会が公益法人となって公的医療機 関を希望しない限りは、現在の法律の中では対 応が出来ない。これを諮る場合には、医療法改 正にかけないと無理だろうと考える。

日医総研では、日本医師会、島根県医師会、 益田市医師会の合同による市民を対象にしたア ンケート調査を行う予定である。共同利用施設 検討委員会でも検討中であり、出来るだけ良い 案を考えて対応したい。総会で報告出来ればと 考えている。

総 括

横倉副会長から、次のとおり統括があった。

本日は、先生方に熱心にご討議いただき感謝 申し上げる。新公益法人制度改革については、 函館市医師会の伊藤会長と富山市医師会の吉山 会長から、それぞれの取り組みについてご報告 いただき、各県におかれてもご参考になるだろ うと考えている。また、医師会立病院を公的医 療機関に位置づけるというお話もあった。

今、菅政権においてはTPP 問題、内閣府の ライフ・イノベーション改革等様々な提案が出 されており、我が国の医療制度に大きな嵐が来 るではないかと危機を感じている。そのような 中でロビー活動、情報収集に当たりながら、情 報の共有に努めて行かなければならないと考え ている。今後とも先生方のご協力、ご支援をお 願いしたい。

印象記

金城忠雄

理事 金城 忠雄

平成22 年度標記連絡協議会の印象は、公益法人認定までの函館市医師会と富山市医師会の苦心 談の報告と、医師会共同利用施設が、医師会員のやりがいと地域住民の期待に応えられる充実し た体制構築についての報告であった。

平成20 年公益法人制度が施行されるに伴い、各地医師会は、公益法人認定か非営利性一般法人 認定かを選択することになる。

公益法人を選ぶ理由としては、社会的評価が高くなることの魅力と公益法人だけに認められる 税制上の優遇措置と会員の増加が期待できることなどをあげている。一方、非営利性一般法人を 選択することについては、公益法人認定後、認定が取り消されて財産を失うリスクや将来にわた り継続して公益認定基準を満たせるのか不安など考慮してのようである。

日本医師会は、医師会共同利用施設が可能な限り公益目的事業として認定を受けられるよう、 その環境づくりのために関係省庁への働きかけをしてきた。

日医のモデル事業として指定された函館市医師会は、日医総研、顧問税理士等と契約し、医師 会内部でも公益法人認定に向けて定款の改定や事業の洗い出し区分けなど役職員一丸となって取り組んだ。一時は北海道公益認定等審議会の理解が得られず、途中で放棄したくなる程の苦労を したと報告している。

次に、共同利用施設検討委員会の平成20 ・21 年度の報告がなされた。医師会共同利用施設は、 地域医師会が学術的基盤に立ち、地域のニーズに対応した形で医療・保健・福祉の充実向上に貢 献することを基本理念とした施設である。代表的な事例としてA 開放型病院、B 開放型病院と老 健施設の併設、C 訪問看護ステーション、D 健診センター、E 臨床検査センターの5 つの例を想 定した。地域住民の医師への期待は、大きく幅広く頼りにされている。

今後、超高齢社会においては、在宅医療への取り組みが地域医師会の重要課題となってくる。 医療保険・介護保険共に十分な報酬設定がなされていないこと、過重な業務でもあり人材不足と 施設の数も増えず、経営上も極めて深刻な状態が続いている。

医師会共同利用施設が、将来に亘り住民の期待に応えるには、「かかりつけ医」機能を発揮し、 医師会員と医師会共同利用施設の連携強化を緊密に図る必要がある。医師会員の生きがいと地域 住民の期待の目的達成のため、公益法人認定と共に相当の準備工夫や対策が必要であるとの印象 であった。




日医白クマ通信への申し込みについて

さて、日本医師会では会員及び、マスコミへ「ニュースやお知らせ」等の各種情報をEメールにて 配信するサービス(白クマ通信)をおこなっております。

当該配信サービスをご希望の日医会員の先生方は日本医師会ホームページのメンバーズルーム
(http://www.med.or.jp/japanese/members/)からお申し込みください。

※メンバーズルームに入るには、ユーザーIDとパスワードが必要です。(下記参照)

 不明の場合は氏名、電話番号、所属医師会を明記の上、bear@po.med.or.jpまでお願いいたします。

ユーザーID

※会員ID(日医刊行物送付番号)の10桁の数字(半角で入力)。

日医ニュース、日医雑誌などの宛名シール下部に印刷されているID番号です。 「0」も含め、すべて入力して下さい。

パスワード

※生年月日6桁の数字(半角で入力)。

生年月日の西暦の下2桁、月2桁、日2桁を並べた6桁の数字です。
 例)1948年1月9日生の場合、「480109」となります。